
ESP Audioから、音楽制作に使える無料プラグインが公開されています。
今回紹介するのは、ウェーブテーブルシンセ「SYNTH/1」、コンプレッサー「VERTEX」、スペクトラムアナライザー「SPECTRUM」の3種類です。
いずれも無料で利用できるオープンソースのプラグインなので、それぞれの特徴を短く紹介します。
ESP Audioでは5種類の無料プラグインを公開
ESP Audioでは、C++とJUCEフレームワークを使って開発された5種類の無料プラグインを公開しています。
今回紹介するのは、そのうち以下の3種類です。
- SYNTH/1
ウェーブテーブル方式のポリフォニックシンセ。 - VERTEX
シンプルな操作でダイナミクスを調整できるコンプレッサー。 - SPECTRUM
音の周波数分布やステレオレベルを確認できるスペクトラムアナライザー。
残りの「MEGACRUSHER」と「ESP-L1」については、別記事で詳しく紹介しています。


SYNTH/1:16ボイス対応のウェーブテーブルシンセ

「SYNTH/1」は、Serumにインスパイアされたウェーブテーブルエンジンを搭載したポリフォニックシンセです。
シンセサイザーとしての音作りだけでなく、エフェクトやシーケンサーまで搭載しています。
- 16ボイス・ポリフォニー
- ウェーブテーブルエンジン
- オシレーターWarp
- Unison
- LFO
- 3バンド・インタラクティブEQ
- 5種類のエフェクトを備えたFXラック
- 2倍オーバーサンプリング対応サチュレーション
- 16ステップシーケンサー
- プリセット機能
- 7種類のカラーテーマ
無料シンセながら、音作りからシーケンス、エフェクト処理までひとつのプラグイン内で進められる構成です。
ただし、対応OSはWindowsのみとなっています。
VERTEX:シンプルに使えるコンプレッサー

「VERTEX」は、クリーンなダイナミクス処理を目的としたコンプレッサーです。
基本的なコンプレッサーのパラメーターをロータリーコントロールで操作できます。
- Threshold
- Ratio
- Attack
- Release
- リアルタイムのトランスファーカーブ表示
- 入力/出力のデュアルレベルメーター
設定項目が整理されているため、コンプレッサーの基本的な調整に集中しやすい構成です。
トランスファーカーブとレベルメーターを見ながら、どの程度コンプレッションしているのか視覚的にも確認できます。
WindowsとmacOSに対応しています。
SPECTRUM:音の状態を視覚的に確認できるスペクトラムアナライザー

「SPECTRUM」は、リアルタイムで音の周波数分布を確認できるスペクトラムアナライザーです。
FFTスペクトラムだけでなく、ステレオVUメーターやL/Rのパン表示も搭載しています。
- 高性能FFTスペクトラム表示
- Bézier補間によるカーブスムージング
- アナログスタイルのステレオVUメーター
- 対数dBFSスケール
- 慣性を持たせたメーターのフォールオフ
- リアルタイムL/Rパン表示
マスターバスだけでなく、確認したい個別トラックにも挿して使用できます。
周波数だけを見るアナライザーではなく、左右のレベルやパンの状態もまとめて確認できるのが特徴です。
WindowsとmacOSに対応しています。
3種類の対応環境
3製品は対応OSやプラグイン形式が異なるため、ダウンロード前に確認しておきましょう。
| プラグイン | Windows | macOS | VST3 | AU | Standalone |
|---|---|---|---|---|---|
| SYNTH/1 | ○ | × | ○ | × | ○ |
| VERTEX | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| SPECTRUM | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
特に注意したいのが「SYNTH/1」です。
現時点ではWindows向けとなっているため、macOS環境ではVERTEXとSPECTRUMが選択肢になります。
無料で商用の音楽制作にも利用できる
ESP Audioのプラグインは、GNU General Public License v3(GPL v3)で公開されています。
個人利用だけに限定された無料プラグインではありません。
- 個人利用
- 商用利用
- 教育目的での利用
- ソースコードの閲覧・変更
- 再配布
音楽制作で利用するだけであれば、商用作品にも使用できます。
また、ソースコードもGitHubで公開されています。
ただし、変更したソフトウェア自体を配布する場合はGPL v3の条件が適用され、プロプライエタリなソフトウェアとして配布することはできません。
SYNTH/1・VERTEX・SPECTRUMまとめ
ESP Audioの「SYNTH/1」「VERTEX」「SPECTRUM」は、それぞれ役割が異なる無料プラグインです。
- ウェーブテーブル方式で音作りからシーケンスまで行えるシンセ
- 基本的なパラメーターと視覚表示を備えたコンプレッサー
- 周波数・ステレオレベル・パンを確認できるアナライザー
- すべて無料・オープンソース
- 商用の音楽制作にも利用可能
3種類すべてを導入する必要はなく、自分の制作環境や必要な機能に合わせて選べます。
特にVERTEXとSPECTRUMはWindowsとmacOSの両方に対応しているため、シンプルなコンプレッサーや視覚的な解析ツールを探している人はチェックしてみてください。
