
Zero Cool Devices「thicket」は、ノードをグラフ上で組み合わせながら音を作る、ポリフォニック対応のモジュラーシンセです。
50種類のノードを搭載し、シンセエンジン、フィルター、空間系エフェクト、モジュレーションなどを自由に組み合わせられます。
さらにMPEやサンプル/ウェーブテーブルの読み込みにも対応。
モジュラーシンセならではの自由な音作りと、実際に演奏して音を変化させる表現力の両方を重視したシンセです。
現在はv0.8.3-betaとして公開されており、ベータ期間は11月8日までとなっています。
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thicketとは?

thicketは、モジュラーシンセのモジュレーションの自由度を、ポリフォニック環境へ取り入れたソフトウェアシンセです。
グラフ上に必要なノードを配置し、それぞれを組み合わせながら音を構築していきます。
主な特徴は以下のとおりです。
- ポリフォニック対応のモジュラーシンセ
- 50種類のノードを搭載
- グラフベースでサウンドを構築
- MPE対応
- サンプル読み込み対応
- ウェーブテーブル読み込み対応
- VST3/AU/CLAP対応
- Windows/macOS/Linux対応
細かなモジュールを大量に並べることを前提とせず、1つのノードに複数の機能をまとめているのも特徴です。
自由度を確保しながら、実際の制作や演奏で扱いやすくすることを重視した設計になっています。
1つのノードに複数の音作り機能をまとめた設計
thicketでは、各ノードを単純な1機能として扱うのではなく、ひとつの音作りに必要な複数の要素をまとめています。
たとえばSub Engineには、サブベースを鳴らす機能だけでなく、倍音やサブオクターブ、ウェーブフォールドなども組み込まれています。
- サイン波/三角波をベースにした音作り
- 倍音の追加
- サブオクターブの追加
- 上のオクターブレイヤー
- ソフトクリッピング
- ウェーブフォールディング
- アナログスタイルのドリフト
- ステレオ幅の調整
1つのノードだけでも、クリーンなサブベースから存在感のあるシンセベース、テクスチャを加えたリードまで作り込めます。
小さなモジュールを何十個も組み合わせなくても、ひとつのノードを起点として音作りを進められるのがthicketの考え方です。
50種類のノードを自由に組み合わせて音を作れる
thicketには、合計50種類のノードが用意されています。
音を発生させるEngineだけでなく、フィルター、空間系、歪み、ダイナミクス、ミキサー、モジュレーションソースまで揃っています。
- Engine:9種類
- Space:7種類
- Filter:6種類
- Dynamics/Modulation:8種類
- Color:5種類
- Mix:4種類
- Mod Source:11種類
単純にオシレーターからフィルターへ接続するだけでなく、空間系や歪み、モジュレーションまで含めてひとつのグラフ内で組み立てられます。
9種類のEngineから音作りをスタートできる
音の出発点となるEngineには9種類が用意されています。
一般的なシンセサウンドだけでなく、ウェーブテーブル、サンプル、ノイズなどを起点にした音作りにも対応します。
- Sub Engine
- DCO Engine
- Dual DCO
- Stack Engine
- Wavetable Engine
- Sample Engine
- Noise Engine
- Operator
- Hyper Engine
ベースやリードをゼロから作ることも、自分のサンプルを読み込んで加工していくこともできます。
ひとつの音源方式に限定されず、作りたい音に合わせて出発点を変えられるのが特徴です。
フィルターやエフェクトまでグラフ内で組み合わせられる
thicketでは、音源部分だけでなく、その後段の音作りもノードとして構築できます。
フィルターには、一般的なFilterのほか、Vintage LPF、Comb Filter、Formant Filter、Aggressive Filter、EQ4を搭載しています。
空間系には以下のようなノードがあります。
- Lushverb
- Shimmer
- Airverb
- Delay
- Tape Echo
- Diffuser
- Granular
さらにコーラス、コンプレッサー、フェイザー、リングモジュレーション、ロータリー、ディストーション、ウェーブフォールド、ビットクラッシャー、ファズなども利用できます。
シンセで音を作ってから別のエフェクトプラグインで大きく加工するだけでなく、音源からエフェクトまでをthicket内部でひとつのサウンドとして設計できます。
モジュレーションをモジュレーションできる
thicketの大きな特徴となるのが、モジュレーションの自由度です。
LFOやEnvelope、Sequencerなどを各パラメーターへ割り当てられるだけでなく、モジュレーター自体を別のモジュレーターで動かすこともできます。
モジュレーションソースには以下が用意されています。
- LFO
- Envelope
- Sequencer
- CC
- Input Follower
- Macros
- Mod Wheel
- Pressure
- Slide
- Velocity
- Amp Envelope
たとえば、LFOの動きをEnvelopeで変化させるといった複雑なルーティングも可能です。
CPUが許す範囲でモジュレーションを深く重ねられるため、一定の動きを繰り返すだけではない、時間とともに変化するサウンドを作れます。
VoiceとPostをひとつのグラフで扱える
thicketには「Voice」と「Post」という2つのスコープがあり、どちらもひとつのエディター内で扱えます。
Voiceはノートごとの処理、Postは全体に対するグローバル処理として使います。
- Voice:各ノートに対する処理
- Post:サウンド全体に対する処理
- 2つをひとつのグラフ内で構築可能
たとえばフィルターをVoice側に配置すれば、ノートごとの音色変化に利用できます。
同じような処理をPost側に置けば、全体をまとめて処理するエフェクトとして使用できます。
Synthetic Macrosで複雑なパッチを素早く調整できる
ノードやモジュレーションを増やしていくと、調整するパラメーターも多くなります。
そこでthicketには、現在のグラフをもとに自動的にマクロを構築する「Synthetic Macros」が用意されています。
- Character
- Tone
- Modulation
- Stereo
- Space
- Drive
対象となるパラメーターをグラフ全体からまとめて動かせるため、個別にルーティングを作る必要がありません。
さらに4つのカスタムユーザーマクロも使用できます。
細かな設定を作り込んだあとに、「もう少し明るくしたい」「空間を広げたい」「歪みを増やしたい」といった調整を素早く行える仕組みです。
自分のサンプルやウェーブテーブルも使用可能
thicketは内蔵Engineだけで完結するシンセではありません。
自分で用意したサンプルやウェーブテーブルを読み込み、音作りの素材として利用できます。
- ファイルをノードへドラッグ&ドロップ
- 最大5つのウェーブテーブルを読み込み可能
- ウェーブテーブル間をモーフィング可能
- サンプル読み込み対応
- サンプルを鍵盤で演奏可能
- クリックノイズを抑えたループに対応
- ピッチシフト対応
普段使っているサンプルをそのまま鳴らすのではなく、thicketのフィルターやエフェクト、モジュレーションと組み合わせて新しい音へ変化させられます。
64グレインのGranularでテクスチャを作れる
Spaceカテゴリーには「Granular」ノードも搭載されています。
64グレインを扱えるグラニュラー処理によって、通常のシンセサウンドとは異なる複雑な質感を加えられます。
- 64グレイン対応
- パターン化されたグレイン生成
- 20パラメーターを搭載
- ほかのノードやモジュレーションと組み合わせ可能
サンプルやシンセEngineと組み合わせれば、パッドやアンビエンス、時間とともに形を変えるテクスチャなどにも活用できます。
MPE対応で「作った音を演奏する」表現まで考えられている
thicketは、パッチを細かくプログラムするだけでなく、演奏時の表現にも重点を置いています。
MPEに対応し、ノートごとのPressure、Slide、Pitchをモジュレーションソースとして利用できます。
- MPE Pressure
- MPE Slide
- MPE Pitch
- Velocity
- Mod Wheel
- 4つのPerformance Macro
- Amp Envelope
- 専用EQ
鍵盤を押した強さや演奏中の操作を音色変化につなげられるため、作ったパッチを固定された音として鳴らすだけではありません。
演奏そのものをサウンドデザインの一部として利用できます。
モジュラーシンセ初心者でも触りやすい設計
thicketは自由度の高いモジュラー構造を持っていますが、細かなモジュールを大量に接続しなければ音にならない設計ではありません。
各ノードに複数の関連機能をまとめることで、少ないノードから音作りを始められます。
- 1つのノードに複数の機能を集約
- Synthetic Macrosで複数パラメーターをまとめて操作
- Engine単体から音作りをスタートできる
- Voice/Postをひとつのエディターで管理
- グラフを見ながらモジュレーションをルーティングできる
「モジュラーシンセには興味があるけれど、最初から大量のモジュールを組み立てるのは難しそう」という人でも、比較的入りやすい構成です。
一方で、モジュレーションを何層にも重ねられるため、慣れてきたら複雑なパッチへ発展させることもできます。
thicketはこんな人におすすめ
thicketは、シンセのプリセットを選ぶだけではなく、自分で音の構造を組み立てたい人と相性のよいシンセです。
特に次のような人はチェックしてみてください。
- モジュラーシンセの自由な音作りに興味がある
- 複雑すぎるモジュラー環境は避けたい
- モジュレーションを深く組みたい
- MPEを活用したい
- 自分のサンプルをシンセのように加工したい
- ウェーブテーブルを使った音作りがしたい
- グラニュラーサウンドを取り入れたい
- 演奏によって変化するパッチを作りたい
- ベース、リード、パッド、テクスチャなど幅広く作りたい
特に、**「自由度はほしいけれど、モジュールを大量につなぐこと自体が目的ではない」**という人には注目しやすい設計です。
現在はベータ版を公開中
thicketは現時点で正式リリース前となっており、v0.8.3-betaが公開されています。
ベータ版への参加は、メールアドレスを登録してアクセスを取得する形式です。
- 現在のバージョン:v0.8.3-beta
- ベータ期間:11月8日まで
- 正式版:Coming Soon
- Windows/macOS/Linux向けインストーラーを用意
正式リリース前の段階なので、今後仕様が変更される可能性がある点には注意してください。
対応OS・プラグイン形式
thicketはWindows、macOS、Linuxに対応しています。
Windows
- Windows 10以降
- x64
- VST3
- CLAP
macOS
- macOS 13 Ventura以降
- Intel/Apple Silicon対応
- VST3
- AU
- CLAP
Linux
- x64
- Modern glibc distro
- VST3
- CLAP
まとめ:Zero Cool Devices「thicket」50種類のノードを自由に組み合わせ!MPE対応で演奏表現まで作り込めるグラフベースのモジュラーシンセ|DTMプラグインセール
Zero Cool Devices「thicket」は、グラフ上にノードを配置しながら、シンセエンジンからエフェクト、モジュレーションまで自由に構築できるポリフォニック・モジュラーシンセです。
特徴をまとめると、
- 50種類のノードを搭載
- 9種類のEngineから音作りをスタート
- フィルター、空間系、歪み、ダイナミクスなどを組み合わせ可能
- モジュレーター自体へのモジュレーションにも対応
- VoiceとPostをひとつのグラフで構築
- Synthetic Macrosで複雑なパッチをまとめて調整
- サンプル/ウェーブテーブルを読み込み可能
- 64グレインのGranularを搭載
- MPEのPressure/Slide/Pitchに対応
- Windows/macOS/Linux対応
といった内容です。
モジュラーシンセならではの自由度を残しながら、1つのノードに複数の機能をまとめることで、音作りそのものに集中しやすくしています。
シンプルなベースやリードから、モジュレーションを何層にも重ねた複雑なテクスチャまで、ひとつの環境で作り込んでみたい人はチェックしてみてください。
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