
ペダルスティールギター特有の滑らかなピッチ変化を、一般的なMIDIキーボードで再現できるのが「Multibend Like a Pedal Steel Guitar」です。
Logic ProのScripterを活用することで、レガートグライドやポリフォニックピッチベンド、自然なビブラートなど、表現力豊かな演奏が可能になります。
この記事では、主な特徴や対応音源、導入方法まで詳しく紹介します。
Multibend Like a Pedal Steel Guitar:Logic Proでペダルスティールギターのような演奏を実現するMIDIスクリプト
通常のMIDIキーボードでは難しい、ペダルスティールギターらしい滑らかな音の変化を実現します。
主な特徴は次のとおりです。
- レガート演奏時に音程が自然につながるグライド機能
- 和音でも各音が独立してピッチベンドできる
- ピッチホイールで全体の音程をまとめて操作可能
- アフタータッチによる自然なビブラート
- サステインペダルやCC7(ボリューム)にも対応
- Logic Pro標準音源だけで動作
- MPE対応音源でも利用可能
レガート演奏で自然に音がつながる
このスクリプト最大の特徴は、レガート演奏時の音のつながりです。
すでに押さえている鍵盤を保持したまま、半音または全音離れた次の鍵盤を押すと、新しい音が鳴るのではなく、現在の音がそのまま新しい音程へ滑らかに変化します。
一方で、スタッカート演奏や大きく離れた音程へ移動した場合は、通常どおり新しいノートとして発音します。
そのため、サンプルを鳴らし直すような印象ではなく、実際に弦を移動して演奏しているような自然な表現になります。
ベロシティでグライド速度を調整
グライドの速さは、鍵盤を押す強さ(ベロシティ)によって変化します。
- 強く弾くと素早く音程が移動
- 弱く弾くとゆっくり滑らかに変化
演奏中のニュアンスをそのまま表現へ反映できるため、細かなフレーズも演奏しやすくなっています。
和音でも各音が独立して動く
ポリフォニック演奏にも対応しています。
一般的なピッチベンドでは和音全体が一緒に動きますが、このスクリプトでは各ノートが独立してピッチベンドします。
例えば、
- コードの一部だけを滑らかに動かす
- 各音を異なるタイミングでベンドさせる
- ペダルスティールギター特有のコードワークを再現する
といった演奏が可能です。
ピッチホイールも同時に使える
個別のグライドだけではなく、通常のピッチホイールも利用できます。
現在鳴っているすべての音に対して一括でピッチベンドをかけられるため、
- コード全体をベンドする
- 個別グライドと組み合わせる
- より表現力の高い演奏を行う
といった使い方ができます。
アフタータッチで自然なビブラート
アフタータッチにも対応しています。
鍵盤を押し込む強さに応じてビブラートが加わります。
特徴は、各ノートのビブラートが完全に同じ動きをしないことです。
- 音ごとにわずかなタイミング差がある
- ランダム性が加えられている
- 和音でも機械的な印象になりにくい
そのため、より自然な演奏表現になります。
サステインペダルやボリューム操作にも対応
通常のMIDI操作にも対応しています。
利用できるコントロールは次のとおりです。
- サステインペダル
- CC7(ボリューム)
CC7については、必要に応じて無効化することもできます。
Logic Pro標準音源だけで使用できる
サードパーティ製プラグインは必要ありません。
Logic Proに搭載されているMIDI Mono Modeを利用して動作します。
これはMPE機器でも使われている仕組みです。
対応しているLogic Pro標準音源は次のとおりです。
- Sampler
- Quick Sampler
- Alchemy
- ES2
- EFM1
- Retro Synth
- Sculpture
- Vintage Clav
MPE対応音源でも利用可能
Logic Pro標準音源だけではなく、MPE対応のソフトウェアやハードウェアでも使用できます。
対応例として次のような音源が挙げられています。
- Omnisphere
- Dave Smith Synths
- GeoShred
- Hydrasynth
- その他MPE対応音源
MPEに対応している機器であれば、幅広く活用できます。
含まれている内容
ダウンロードには以下のデータが含まれています。
- Logic Pro用Scripterスクリプト
- Logic Sampler用のマルチサンプル・ペダルスティールギター音源
- iOS Audiolayer用音源
- セットアップガイド
- 各種パラメーターの説明
スクリプト内では設定項目が分かりやすく整理されており、必要な部分だけ簡単に変更できます。
調整できる主な項目は次のとおりです。
- グライド速度
- ピッチベンド範囲
- ビブラートの深さ
- その他の演奏設定
ペダルスティールギター音源のインストール方法
付属する音源はLogic ProのSamplerへ追加します。
手順は次のとおりです。
- ダウンロードしたZIPファイルを展開する
.exsファイルを「Sampler Instruments」フォルダーへコピーする- サンプルフォルダーを「Samples」フォルダーへコピーする
- Logic Proを再起動する
- Software InstrumentトラックでSamplerを読み込む
- 「Multibend Like A Pedal Steel Guitar」を選択する
- Samplerの設定で「MIDI Mono Mode」が「On (with common base channel 1)」、「Pitch Bend Up」が「12」になっていることを確認する
これらの設定が正しく行われていることで、スクリプト本来の動作になります。
Logic Proへのスクリプト導入方法
スクリプトの導入も比較的簡単です。
手順は次のとおりです。
- Samplerの上にMIDI FXを追加する
- MIDI FXからScripterを選択する
pedal-steel-glide.jsの内容をすべて貼り付ける- Logic Pro内でスクリプトを保存する
これで演奏できるようになります。
iOS版Mozaicへの導入方法
iOS版Mozaicでは、スクリプトをコピー&ペーストするだけで利用できます。
複雑な設定は必要ありません。
今後の対応予定
今後は、さらに多くのDAWへ対応する予定です。
開発予定として挙げられている環境は次のとおりです。
- Ableton Live
- Cubase
- Pro Tools
これらのDAW向けMIDIスクリプトへの移植も進められています。
まとめ:Peter Kohlmetz Møller「Multibend Like a Pedal Steel Guitar」レガートグライドや独立したポリフォニックピッチベンドで表現力豊かな演奏ができるLogic Pro向けツール|DTMプラグインセール
Multibend Like a Pedal Steel Guitarは、一般的なMIDIキーボードだけでペダルスティールギターらしい演奏表現を実現できるLogic Pro用スクリプトです。
レガートグライド、独立したポリフォニックピッチベンド、アフタータッチによる自然なビブラートなど、通常のMIDI演奏では難しい表現を実現できます。
Logic Pro標準音源だけで利用できるほか、MPE対応音源でも活用できるため、幅広い環境で演奏表現を大きく広げられるツールです。
