
Alioso「Jerrican」は、4つのボイスが自動的に演奏を生成するグラニュラー音源です。
自分ですべてのノートを打ち込むのではなく、変化する範囲を設定してPlayすると、その条件の中で演奏が動き始めます。
同じ設定からでも毎回異なる結果が生まれるため、アンビエントやテクスチャの作成はもちろん、思いがけないフレーズから曲のアイデアを見つけたいときにも面白い音源です。
Jerricanとは?

Jerricanは、小さな音の断片「グレイン」を重ねながらサウンドを作るグラニュラー音源です。
一般的なシンセのようにノートを入力して演奏することを中心とするのではなく、設定した範囲の中で4つのボイスが自動的に変化しながら演奏します。
- 4つのボイスによる自動演奏
- グラニュラー方式によるサウンド生成
- 設定した範囲内で演奏が変化
- 同じ設定でも毎回異なる結果を生成
- Standalone/AU/VST3対応
決められたパターンを繰り返すシーケンサーとも異なり、**「音楽が生まれる条件を作り、その中で自由に動かす」**という感覚に近い音源です。
Bass・Ambient・Haze・Keysの4ボイスを搭載
Jerricanには、それぞれ役割の異なる4つのボイスがあります。
4つを組み合わせることで、低域からコード、背景のテクスチャまでをひとつのシステム内で動かせます。
- Bass
拍に沿って動くベースボイス。 - Ambient
ゆっくりと変化するパッド系のボイス。 - Haze
ザラつきのあるテクスチャを加えるボイス。 - Keys
他のボイスとハーモニーを保ちながらコードを演奏するボイス。
単独の音色を作るというより、複数の役割を持った音が同時に動いてひとつの演奏を作るところがJerricanの特徴です。
Evolutionでサウンドが時間とともに変化する
Jerricanには「Evolution」機能が搭載されています。
各ノブを時間とともに自動的に変化させられるため、再生しているだけでもサウンドが少しずつ動いていきます。
- 各ノブを自動的に変化させられる
- 手動操作を続けなくても音が動く
- 長時間変化するサウンドを作りやすい
- 毎回同じ展開になりにくい
固定されたループでは物足りないときや、背景でゆっくり変化する音を作りたいときに活用できます。
21種類のスケールで4ボイスの調和を保てる
自動生成では「音程がバラバラにならないのか」が気になるところですが、Jerricanには21種類のスケールとグローバルModeコントロールがあります。
4つのボイスを同じスケール内で動かせるため、それぞれが独立して変化しながらも調和を保てます。
- Pentatonic
- 西洋音楽のチャーチモード
- Hungarian系
- Middle Eastern系
- Japanese-derived scale
自動生成の偶発性を残しながら、音楽的な方向性をスケールで決められる仕組みです。
4つのボイスをDAWへ個別出力できる
AU/VST3版では、それぞれのボイスをDAWの別トラックへ出力できます。
Jerrican内部では共通のクロックを維持しながら、DAW側では個別に処理できるのがポイントです。
- Bassだけコンプレッサーをかける
- Ambientにリバーブを追加する
- HazeをEQで整える
- Keysだけ音量や空間を調整する
自動生成された演奏をひとまとまりの音として扱うだけでなく、通常のマルチトラック制作へ組み込みやすくなっています。
MIDI LearnとHost Syncにも対応
JerricanはMIDI LearnとHost Syncに対応しています。
DAWセッションへ同期させたり、ハードウェアのMIDIコントローラーから操作したりできます。
- MIDI Learn対応
- Host Sync対応
- ハードウェアコントローラーとの連携
- DAWセッションとの同期
自動生成を走らせながら、必要な部分をリアルタイムで操作する使い方もできます。
Jerricanを実際の制作でどう使う?
Jerricanは、完成したフレーズを再生する音源ではありません。
まずスケールや各ボイスの動く範囲を決め、Playして生まれる演奏を聴きながら方向性を探していきます。
たとえばAmbientとHazeで背景を作り、Bassで低域の動きを加え、Keysでハーモニーを補うといった組み合わせが考えられます。
- アンビエントの背景作り
- 時間とともに変化するテクスチャ
- 楽曲のアイデア探し
- 偶発的なフレーズの生成
- 自動演奏をベースにしたサウンドデザイン
「最初からフレーズを決める」のではなく、音楽が生まれる条件を作って、そこから使いたいアイデアを見つけるという制作方法と相性のよい音源です。
プリセットの保存・呼び出しにも対応
Jerricanにはファクトリープリセットが用意されており、すぐに演奏を試せます。
自分で作った設定も保存できるため、気に入った状態を制作のスタート地点として残しておけます。
- ファクトリープリセットを収録
- ユーザープリセットを保存可能
- 保存した設定を呼び出し可能
毎回ゼロから設定する必要はなく、自分なりの生成環境を少しずつ増やしていけます。
Jerricanのシステム要件
JerricanはMacとWindowsに対応しています。
- 対応OS: Mac/Windows
- 形式: Standalone/AU/VST3
- 個別出力: AU/VST3対応
- その他: MIDI Learn/Host Sync対応
ソフトウェアは現時点でコード署名されていないため、初回起動時にOSから警告が表示される場合があります。
Macでは必要に応じて「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」から「このまま開く」を選択します。
Ableton Liveでは「Install Packs」を使用せず、VST3ファイルをプラグインフォルダへ配置してからプラグインを再スキャンします。
Jerricanまとめ
Jerricanは、自分ですべてのノートを決めるのではなく、演奏が生まれる条件を設定して変化を楽しむグラニュラー音源です。
- 4つのボイスが自動的に演奏を生成
- Bass/Ambient/Haze/Keysを搭載
- 同じ設定でも毎回異なる演奏に変化
- Evolutionで各パラメーターを自動的に動かせる
- 21種類のスケールに対応
- AU/VST3では4ボイスを個別出力可能
- MIDI Learn/Host Sync対応
打ち込みでは思いつかなかったフレーズを探したり、ゆっくり変化するアンビエントやテクスチャを作ったりと、偶発性を音楽制作へ取り入れたいときに試しやすい音源です。
