
AMXOS「AMX DynamEQ」は、8つの帯域を個別にコントロールできる無料のダイナミックEQプラグインです。
音の変化に応じて必要な帯域だけをカットできるため、ミックスやマスタリングで気になる周波数を細かく調整できます。
Mid/Side処理や外部サイドチェイン、補正量の上限設定にも対応しており、音質を柔軟にコントロールしたい人に役立つツールです。
AMX DynamEQとは?8バンドで音の変化に対応するダイナミックEQ

AMX DynamEQは、ミックスバスやマスタリングでの使用を想定した、8バンド構成のダイナミックEQです。
通常のEQは設定した周波数を常にブーストまたはカットしますが、ダイナミックEQは入力信号の変化に応じて補正量が変わります。
AMX DynamEQはカット方向の処理に特化しており、特定の帯域が強くなったときだけ音量を抑えられるのが特徴です。
例えば、低域が膨らむ瞬間や、高域が耳につく部分だけを調整したい場合に活用できます。
8つの独立したEQバンド
20Hz〜20kHzの範囲で、各バンドの周波数を設定できます。
Q(帯域幅)、スレッショルド(処理が始まる基準)、最大カット量も個別に調整可能です。
必要なときだけ周波数をカット
音声信号の変化に応じて各バンドが動作するため、問題のない部分まで常に削る必要がありません。
ミックスバスやマスタリングに対応
複数の楽器が重なった音源でも、特定の帯域に注目した細かな補正ができます。
8バンドの独立処理とMid/Side対応で柔軟に音質を調整
AMX DynamEQの大きな特徴は、8つのバンドそれぞれに異なる設定を割り当てられることです。
周波数やカット量だけでなく、処理するチャンネルや信号の検出方式も選択できます。
さらに、Stereo・Left・Right・Mid・Sideを1つのプラグイン内で組み合わせられるため、ステレオ全体を処理しながら、中央や左右の成分だけを個別に調整することも可能です。
5種類の処理対象
Stereo、Left、Right、Mid、Sideから選択できます。
例えば、Midで中央の低域を調整しながら、Sideで左右に広がる高域を補正するといった使い方が考えられます。
3種類の検出方式
Peak、RMS、True Peakに対応しています。
瞬間的なピークや信号の平均的なレベルなど、目的に応じて検出方式を切り替えられます。
4種類のフィルター形状
Peak、Notch、HPF、LPFを選択できます。
調整したい周波数帯域や目的に合わせて、フィルターの形状を変更可能です。
Stereo・Dual Monoリンク
ステレオチャンネルの連動方式を切り替えられます。
左右の信号をどのように検出するかを調整したい場面で役立ちます。
Correction Budgetで複数バンドのカット量をまとめて管理
複数のダイナミックEQバンドを使用すると、それぞれの帯域が同時に動作することがあります。
AMX DynamEQには「Correction Budget」という機能があり、8バンド全体のゲインリダクション量に上限を設定できます。
各バンドの補正を個別に設定するだけでなく、全体としてどこまで音を抑えるかを管理できるのが特徴です。
グローバルな補正量の上限設定
複数バンドによる合計ゲインリダクション量を制限できます。
2種類の割り当て方式
Proportional(比例配分)とSequential(順次配分)を選択できます。
設定した補正量の上限を、各バンドへどのように割り当てるかを変更する機能です。
過剰なカットを抑えたい場面に活躍
低域・中域・高域を同時に補正するときも、全体のカット量を管理できます。
特に、複数の帯域を細かく調整するミックスバスやマスタリングで活用しやすい機能です。
外部サイドチェインと豊富な視覚表示で音の動きを確認
AMX DynamEQは、各バンドに外部サイドチェイン信号を入力できます。
別のトラックの音をきっかけに特定の帯域をカットするなど、通常の入力信号だけでは難しいコントロールにも対応しています。
また、スペクトルや検出信号、補正量などを確認できる複数の表示画面も搭載しています。
耳で音の変化を確認するだけでなく、視覚的な情報を参考にしながら調整できるのも便利なポイントです。
バンドごとの外部サイドチェイン
モノラルまたはステレオの外部信号を、各バンドの検出に利用できます。
Spectral Current / Spectral Iris
8バンドの動作や帯域ごとの応答を視覚的に確認できます。
Spectral Observatory
入力と出力の信号を確認でき、MELSPEC表示にも対応しています。
Detector Scope
検出信号やトランジェントの動きを確認できます。
Correction Budget / Advanced Metrics
補正量の動作状況や信号の詳細情報を表示できます。
AMX DynamEQを実際の音楽制作でどう活用できる?
AMX DynamEQは、特定の周波数が一時的に強くなる場面で活用しやすいプラグインです。
常に同じ量をカットするのではなく、音の変化に応じて補正できるため、楽曲の展開によって帯域バランスが変わる場合にも対応できます。
特に、複数の楽器が重なるミックスバスや、楽曲全体の周波数バランスを整えるマスタリングで使い道が考えられます。
キックとベースが重なる低域の調整
低域が強くなる瞬間に反応するよう設定すれば、必要なタイミングだけ膨らみを抑えられます。
ボーカルやシンセの耳につく帯域を補正
特定の音程やフレーズで中高域が突出する場合に、その帯域を動的にカットする使い方ができます。
Mid/Sideを使ったステレオバランスの調整
中央に集まる成分と左右に広がる成分を分けて処理できます。
ステレオ全体に同じ補正をかけず、必要な部分だけ調整したい場合に便利です。
外部サイドチェインによる帯域のコントロール
キックをトリガーにしてベースの低域を抑えるなど、別の音を基準に特定の帯域を動かす使い方が考えられます。
マスタリングでの細かな周波数補正
楽曲全体のバランスを確認しながら、複数の帯域を個別に調整できます。
Correction Budgetを組み合わせれば、合計カット量の上限も管理可能です。
AMX DynamEQがおすすめな人
AMX DynamEQは、通常のEQよりも細かく周波数をコントロールしたい人に向いています。
8バンドの独立処理やMid/Side対応、外部サイドチェインなどを備えているため、特にミックスやマスタリングで複数の帯域を調整したい場合に役立ちます。
ミックスやマスタリングで音質を細かく整えたい人
楽曲の中で一時的に強くなる帯域を、必要なタイミングだけ補正できます。
Mid/Side処理を活用したい人
中央と左右の成分を分けて調整できるため、ステレオ音源の帯域バランスを細かくコントロールしたい人に適しています。
複数バンドの補正量を管理したい人
Correction Budgetによって、全体のゲインリダクション量に上限を設けられます。
音の変化を視覚的に確認したい人
スペクトル表示や検出信号の表示などを参考にしながら作業できます。
無料で多機能なダイナミックEQを導入したいWindowsユーザー
8バンドの独立制御や外部サイドチェインなど、さまざまな機能を試したい人に向いています。
一方、シンプルなEQ操作だけを求める人には、設定項目が多く感じられるかもしれません。
また、カット方向のダイナミック処理に特化しているため、周波数を積極的にブーストする用途には適していません。
AMX DynamEQのシステム要件
AMX DynamEQは、Windows x64向けに提供されています。
VST3プラグインとスタンドアロンアプリケーションが含まれており、DAW内でも単体アプリとしても利用できます。
対応OS
Windows x64(64bit)
プラグイン形式
VST3
スタンドアロン
対応
DAWの要件
64bit VST3プラグインに対応したホストが必要です。
バージョン
1.0.1
ライセンス
ユーザーが管理する最大2台のデバイスで利用できます。
バージョン1.xのアップデートも含まれます。
なお、Mac版は提供されていません。
まとめ|8バンドの独立処理で細かな音質調整ができる無料ダイナミックEQ
AMX DynamEQは、8つの帯域を個別にコントロールし、音の変化に応じて必要な周波数だけをカットできる無料のダイナミックEQです。
Mid/Side処理や外部サイドチェインに加え、複数バンドの合計カット量を制限できるCorrection Budgetも搭載しています。
- 8つの独立したバンドで周波数・Q・スレッショルド・最大カット量を設定可能
- 音声信号の変化に応じて必要な帯域だけを動的にカット
- Stereo・Left・Right・Mid・Sideをバンドごとに指定可能
- Peak・RMS・True Peakの3種類の検出方式に対応
- 外部サイドチェインによる帯域ごとのコントロールが可能
- Correction Budgetで複数バンドの合計カット量を制限
- スペクトルや補正量などを確認できる豊富な視覚表示
- Windows x64向けのVST3・スタンドアロンに対応
ミックスやマスタリングで気になる帯域を細かく補正したい人や、Mid/Side処理を活用したい人にとって、導入を検討する価値のあるプラグインです。
Windows環境でダイナミックEQを探している人は、ぜひチェックしてみてください。
