
Ardour 9.7がリリースされました。
今回のアップデートでは、MIDI編集機能の強化やコントロールサーフェス管理の改善に加え、新しい縦方向サマリービューも追加されています。
日々の音楽制作をより快適にする、多数の機能改善と不具合修正をチェックしていきましょう。
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Ardour 9.7リリース|MIDI編集の強化やコントロールサーフェス管理の改善など多数のアップデートを実施

Ardour 9.7が2026年6月5日にリリースされました。
今回のバージョンは不具合修正を中心としたアップデートですが、MIDI編集機能の強化、コントロールサーフェス管理の改善、新しい縦方向サマリービューの追加など、日常的な制作作業を快適にする機能も数多く含まれています。
この記事では、Ardour 9.7で追加・改善された主な機能を詳しく紹介します。
MIDIツールがエディターでも利用可能に
Ardour 9.5では、ピアノロール画面向けにMIDI Toolsサイドバーが追加されました。
この機能がArdour 9.7ではエディター画面でも利用できるようになりました。
Editor Listを有効化し、「MIDI Tools」を選択することで利用できます。
主な用途は以下の通りです。
- コード編集
- クオンタイズ設定
- MIDIデータの調整
- MIDI編集作業の効率化
これにより、ピアノロールとエディターで同じ編集環境を利用できるようになりました。
クオンタイズダイアログを廃止
MIDI Toolsの統合に伴い、従来のQuantizeダイアログは廃止されました。
今後はMIDI Toolsサイドバー内のQuantize設定がそのまま利用されます。
主なメリットは以下の通りです。
- 設定場所が一元化される
- 操作手順が減る
- 編集作業が分かりやすくなる
- ワークフローがシンプルになる
クロスカーソル編集をインラインエディターでも利用可能
MIDI編集やオートメーション編集で利用できるクロスカーソル機能が、インラインエディターでも使えるようになりました。
初期状態では有効になっています。
不要な場合はPreferences内のAppearance/Editor設定から無効化できます。
コントロールサーフェス管理を大幅改善
これまでのコントロールサーフェス一覧は、通信プロトコルと機器名が混在していました。
そのため、利用したい機器に対応するプロトコルを事前に把握する必要がありました。
Ardour 9.7では管理画面が刷新されています。
改善点は以下の通りです。
- ベンダー別に機器を分類
- 対応機器を探しやすくなった
- プロトコルを意識せず設定可能
- 設定作業の手間を削減
より直感的にコントロールサーフェスを管理できるようになっています。
Generic MIDIコントローラーへの対応を強化
新しいMIDI機器への対応も改善されています。
追加された内容は以下の通りです。
- Generic MIDIコントローラー向けの空バインディングマップ
- Mackie向け汎用デバイスファイル
Ardourが未認識の機器でも設定しやすくなりました。
ただし、Generic MIDIデバイスは同時に1台のみ有効化できます。
別のMIDIキーボードを選択すると、先に登録されていたデバイスは自動的に無効になります。
コントロールサーフェス設定へのアクセスを簡素化
アクティブなコントロールサーフェスごとに専用のSettingsボタンが追加されました。
これにより、
- プロトコル選択が不要
- 設定画面へ直接アクセス可能
- 操作回数を削減
- セットアップ作業を効率化
といった改善が行われています。
ホットプラグ対応を修正
今回のアップデートでは重要な回帰不具合も修正されました。
対応機器をPCへ接続した際、自動認識して有効化する「ホットプラグ」が再び正常に動作します。
改善点は以下の通りです。
- デバイス接続時の自動認識
- 自動アクティベート
- 再接続時の動作安定化
今後さらに多くの機器への対応拡大が予定されています。
縦方向サマリービューを追加
Ardourに新しいVertical Summary(縦方向サマリー)が追加されました。
初期設定では無効になっています。
この機能ではトラック全体を縦方向から俯瞰できます。
特徴は以下の通りです。
- トラックカラーを利用した表示
- セッション全体を見渡せる
- ドラッグ操作で縦方向へ移動
- 素早いナビゲーションが可能
横方向サマリーを補完する機能として設計されています。
なお、表示範囲の拡大縮小は行いません。
UIの並び順を自然な順序へ改善
ユーザーインターフェースの各所で自然順ソートが導入されました。
例えばLSP Parametric Equalizerでは、
- 8 Band
- 16 Band
- 32 Band
のように自然な順序で表示されます。
これまでより目的のプラグインを探しやすくなりました。
オーディオバックエンドごとの接続情報を保存
Ardourはバックエンド切り替え時にオーディオ・MIDI接続を復元できます。
Ardour 9.7では対象範囲がさらに拡張されました。
保存対象は以下の通りです。
- Auditioner
- メトロノーム出力
- LTC Generator出力
- その他の補助ポート
その結果、LTC Generator専用の接続先設定項目は不要となり削除されています。
LTC同期機能を改善
LTC同期関連の動作も強化されました。
同期が失われても録音は継続されます。
改善内容は以下の通りです。
- LTCロスト時も録音継続
- FPS変更時も録音継続
- 長時間収録の安定性向上
映像制作や放送用途でも扱いやすくなっています。
ピアノロールの表示品質を向上
HiDPI環境での表示品質も改善されました。
主な変更点は以下の通りです。
- オートメーションレーンの表示改善
- 高解像度環境への最適化
- ノート表示範囲の検出精度向上
- 表示スケーリングの改善
4Kモニターや高解像度ディスプレイ利用時の視認性が向上しています。
MIDI Chase処理をさらに改善
MIDI Chase関連の不具合修正も行われました。
改善点は以下の通りです。
- ドローンノートの発生を抑制
- ノート開始位置と再生ヘッド位置が一致した際の問題を解消
- MIDI CC値の追従改善
- ピッチベンダーなどのパラメーター追従改善
MIDI再生時の安定性が向上しています。
主な不具合修正
Ardour 9.7では多数の不具合修正も実施されています。
主な内容は以下の通りです。
- 空のピアノロールでMIDI Tools展開時のクラッシュを修正
- MP3書き出し関連の修正
- セッション終了時のMIDI参照エラー修正
- Windows環境での再エクスポート問題を修正
- clang/macOS環境でのビルド修正
- PipeWire関連の改善
- ダウンロードログ出力の改善
- ルート追加時の選択動作改善
- 翻訳機能の修正
- 各種内部コードの整理とテスト追加
安定性と保守性の向上にも力が入れられています。
まとめ:Ardour「Ardour」MIDI Toolsのエディター対応や縦方向サマリービューの追加など、音楽制作を快適にするオープンソースDAW|DTMプラグインセール
Ardour 9.7は大規模な機能追加よりも、日常的な制作作業を快適にする改善が中心のアップデートです。
特に注目したいポイントは以下の通りです。
- MIDI Toolsのエディター対応
- クオンタイズ機能の統合
- コントロールサーフェス管理の刷新
- ホットプラグ対応の修正
- 縦方向サマリービューの追加
- HiDPI環境の改善
- MIDI Chase処理の強化
録音、編集、MIDI制作など幅広い作業で使いやすさが向上しており、Ardourを日常的に利用するユーザーにとって価値のあるアップデートとなっています。
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