
Six Walls「The FortyTwo」は、1990年代初頭の2チャンネル・ラック型エンハンサーを再現した無料プラグインです。
実機を測定して音響特性をモデリングしており、低域の厚みや高域の明瞭さを調整できます。
高域の強さに応じて自動調整するAuto機能も搭載。
ドラムやベース、ギター、ボーカルからミックス全体まで、さまざまな音作りに活用できます。
The FortyTwoとは?90年代のラック型エンハンサーを再現した無料プラグイン

The FortyTwoは、1990年代初頭の2チャンネル・ラック型エンハンサーをモデルにしたエフェクトプラグインです。
実機の各ノブ位置における周波数特性や位相特性、Auto機能の反応速度などを測定し、当時の機材が持つ音響特性を再現しています。
一般的なEQのように特定の周波数を増減するだけでなく、独自の低域処理や位相処理によって音の質感を変えられる点が特徴です。
実機の音響特性をモデリング
周波数特性や位相特性に加え、左右チャンネルの個体差まで再現しています。
低域と高域を個別に調整
Lo-ContourとDefinitionを使い、低音の厚みや高音の存在感をコントロールできます。
Auto機能による高域の自動調整
高域成分が多い場面では、自動的に高域の強調を抑えます。
ステレオリンクに対応
左右チャンネルを連動させ、ステレオイメージの変動を抑えながら処理できます。
実機との比較音源を公開
ドラム、ベース、ミックス全体などの素材で、未処理・実機・プラグインの音を比較できます。
The FortyTwoの主な機能と特徴
The FortyTwoの主な機能と特徴は、以下の通りです。
Lo-Contour|低域に厚みを加える独自の処理
Lo-Contourは、低域の量感を調整する機能です。
一般的なローシェルフEQとは異なり、ローパスフィルターを通した信号を元の音にミックスする仕組みを採用しています。
50Hz付近で約−12dBから+10dBまで調整でき、低域を抑えたり、厚みを加えたりすることが可能です。
ベースやキックの低音を補強したい場面などで活用できます。
Definition|高域の明瞭さと存在感を調整
Definitionは、高域の存在感を調整する機能です。
高域を持ち上げるだけでなく、実機特有の位相処理によって高域成分の時間的な位置にも変化を加えます。
5kHz付近で最大約+9dBの強調が可能です。
ドラムのアタック感やギターの輪郭、ボーカルの明瞭さを調整したいときに役立ちます。
Auto|高域の強さに応じて自動調整
Auto機能は、出力信号を監視し、高域成分が多い場面で強調量を自動的に抑える仕組みです。
異なる2つの反応速度を組み合わせることで、ドラムのように音量や音色が細かく変化する素材にも追従します。
高域を強調しながら、必要以上に強くなりすぎることを抑えたい場面に適しています。
Stereo Link|左右の音を連動させて処理
The FortyTwoは、実機と同様に2つのチャンネルを個別にモデリングしています。
さらに、プラグイン独自のStereo Link機能を搭載。
有効にするとチャンネルBがAの設定に追従し、Auto使用時も左右で同じ量の高域調整を行います。
ステレオ素材を処理するときに、左右のバランスが変動することを抑えられます。
なお、Stereo Linkは初期状態ではオフです。
The FortyTwoの活用法|ドラム・ベース・ミックスでの使い方
The FortyTwoは、楽器単体の音作りからミックス全体の調整まで活用できるエンハンサーです。
低域と高域を個別に調整できるため、素材に合わせて使い分けられます。
ドラムのアタック感を調整
Definitionを使って、タムやオーバーヘッドの高域成分を調整できます。
Auto機能を組み合わせれば、高域の強調量を音の変化に応じてコントロールできます。
ベースの低域を補強
Lo-Contourで低音に厚みを加えられます。
Definitionも組み合わせることで、低域の量感と高域の存在感を個別に調整できます。
ギターの輪郭を調整
Definitionによる高域の強調を利用して、ギターの存在感を調整する使い方が考えられます。
強調しすぎると音が硬くなる可能性があるため、控えめな設定から試すとよいでしょう。
ボーカルの明瞭さを調整
高域の存在感を調整し、ボーカルの輪郭を引き出したい場面にも活用できます。
Auto機能を使いながら、楽曲に合うバランスを探せます。
ミックス全体の音質調整
Lo-ContourとDefinitionを組み合わせ、低域の厚みと高域の明瞭さを調整できます。
ステレオ素材ではStereo Linkを活用することで、左右の高域処理を連動させられます。
The FortyTwoは初心者でも扱いやすい?
The FortyTwoは、Lo-ContourとDefinitionの2つの主要ノブを中心に音作りができるため、基本的な操作は比較的シンプルです。
Auto機能を使えば、高域の強調量を信号に応じて自動調整することもできます。
一方で、一般的なEQとは処理方法が異なるため、ノブの数値だけで音の変化を判断するのは難しい場合があります。
最初は控えめな設定から始め、エフェクトのオン・オフを切り替えながら確認すると扱いやすいでしょう。
プリセットを収録
ファクトリープリセットを使って、基本的な設定から音作りを始められます。
A/B比較に対応
異なる設定を比較しながら、楽曲に合う音を探せます。
Undo機能を搭載
操作を取り消せるため、設定を試しながら調整できます。
The FortyTwoがおすすめな人・向いていない人
The FortyTwoは、一般的なEQとは異なる方法で低域や高域を調整したい人に適したプラグインです。
特に、実機をモデルにしたエンハンサーの音作りに興味がある人に向いています。
おすすめな人
- 90年代のラック型エンハンサーの音響特性を試したい人
- ベースやドラムの低域に厚みを加えたい人
- 高域の明瞭さや存在感を調整したい人
- Auto機能による高域の自動調整を活用したい人
- 実機とプラグインの音を比較してみたい人
向いていない人
- 特定の周波数を細かく指定して補正したい人
- マルチバンドEQのような詳細な周波数調整を求める人
- 低域と高域以外も個別に調整できる多機能なEQを探している人
細かな周波数補正には通常のEQを使い、音の質感や存在感を調整したい場面でThe FortyTwoを活用する使い分けが考えられます。
The FortyTwoのシステム要件・対応環境
The FortyTwoは、WindowsとmacOSに対応しています。
対応OS
Windows、macOS(Intel・Apple Silicon対応)
プラグイン形式
VST3、AU、AAX
バージョン
1.0.0
インストール方法
Six Walls Installer、または個別インストーラーから導入できます。
macOS版はAppleによる公証済みです。
Windows版もコード署名されていますが、署名証明書の認知状況によってはSmartScreenの警告が表示される場合があります。
まとめ|The FortyTwoで低域の厚みと高域の明瞭さを調整
The FortyTwoは、1990年代初頭のラック型エンハンサーを実機測定によって再現した無料プラグインです。
一般的なEQとは異なる低域処理や位相処理を採用し、楽器単体からミックス全体まで音の質感を調整できます。
実機を測定したモデリング
周波数特性や位相特性、左右チャンネルの違いまで再現。
Lo-Contourによる低域調整
独自の信号処理で低域の厚みをコントロール。
Definitionによる高域調整
高域の強調と位相処理によって音の存在感を調整。
Auto機能による自動制御
高域成分の強さに応じて強調量を調整。
Stereo Linkによる左右の連動
ステレオ素材の高域処理を左右でそろえることが可能。
通常のEQとは異なる音作りを試したい人や、ドラム・ベース・ミックスの質感を調整したい人は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
