
複数のマイクで録音した音を重ねると、わずかなタイミングや位相のズレによって、低音が弱くなったり、音のまとまりが失われたりすることがあります。
tehguitarist「Phase Align」は、こうしたズレを調整できる無料の位相補正プラグインです。
自動解析機能や視覚的なメーターを搭載しており、ドラムの複数マイク録音やギターのDI・アンプ録音などに活用できます。
Phase Alignとは?位相とタイミングを補正する無料プラグイン

Phase Alignは、同じ音源を異なるマイクや録音経路で収録した際に発生する、位相とタイミングのズレを調整するプラグインです。
片方のトラックにPhase Alignを挿入し、もう片方をサイドチェインに入力することで、2つの音声の関係を確認しながら補正できます。
主な特徴
- タイミング補正:±4msの範囲で音声のタイミングを調整
- 位相回転:LOW・HIGH・CONSTANTの3モードを搭載
- 極性反転:180°の極性反転に対応
- 自動解析機能:ANALYSEが位相やタイミングの補正設定を提案
- 3種類のメーター:周波数帯域別の相関や波形のズレを視覚的に確認
- 細かな調整:0.1サンプル単位のタイミング調整に対応
音を聴くだけでは判断しにくい位相のズレを、視覚的に確認できる点が特徴です。
Phase Alignの主な機能
Phase Alignの主な機能は、以下の通りです。
位相とタイミングを細かく調整
Phase Alignでは、音声のタイミング調整と位相回転を個別に操作できます。
録音距離による時間差だけでなく、マイクや録音経路によって生じる位相の違いにも対応可能です。
主な調整機能
- DELAY:±4msの範囲でタイミングを調整
- LOW:低域を中心とした位相回転
- HIGH:より高い周波数帯域を中心とした位相回転
- CONSTANT:可聴帯域の各周波数を同じ角度で位相回転
- RANGE:位相回転の調整範囲を切り替え
- POLARITY(Ø):音声の極性を反転
例えば、キックの複数マイク録音で低音が打ち消し合っている場合、タイミングや位相を調整することで改善を図れます。
ANALYSEによる自動解析
ANALYSEは、2つのトラックを解析して、位相やタイミングの補正設定を提案する機能です。
手動で細かく調整する前に、補正の方向性を確認できます。
ANALYSEの特徴
- 2つのトラックを同時に解析
- タイミング・位相・極性の補正候補を提案
- 最大2つの補正候補を比較可能
- ORIGINALで元の設定に戻せる
- 提案された設定を適用した後も手動調整が可能
解析には最低10秒間の音声が必要で、30秒程度の再生が推奨されています。
自動解析の結果が必ずしも最良の音になるとは限らないため、最終的には耳で確認しながら選ぶことが大切です。
3種類のメーターで位相のズレを確認
Phase Alignには、補正前後の状態を確認できる3種類の表示モードが用意されています。
BANDS
6つの周波数帯域に分けて、2つのトラックの相関を表示します。
低域や中域など、どの帯域で位相の問題が発生しているのかを確認する際に便利です。
VECTORSCOPE
2つの音声の位相関係を図形で表示します。
位相の一致や極性反転の状態を視覚的に確認できます。
ALIGNMENT
2つのトラックの波形を重ねて表示します。
音の立ち上がりを比較しながら、タイミングのズレを調整できます。
Phase Alignの活用法
Phase Alignは、特に同じ音を複数のマイクや録音経路で収録する場面で役立ちます。
ドラムの複数マイク録音
スネアの上下マイクやキックのイン・アウトマイクなど、複数のマイクを組み合わせる際の位相調整に活用できます。
極性反転やタイミング調整によって、音の打ち消しを抑えることが可能です。
ギターのDI・アンプ録音
DI信号とマイクで録音したアンプサウンドを重ねる際、位相の違いを調整できます。
2つの音を組み合わせたときの低音や音のまとまりを確認しながら補正できます。
近接マイクとルームマイクの調整
楽器の近くに設置したマイクと、離れた位置に設置したルームマイクの時間差を調整できます。
音の距離感を確認しながら、両方のマイクを組み合わせたい場面に便利です。
Phase Alignの基本的な使い方
Phase Alignは、比較したい2つのトラックを使って調整します。
基本的な操作の流れは次のとおりです。
- プラグインを挿入:補正したいトラックにPhase Alignを挿入します。
- サイドチェインを設定:比較対象のトラックをサイドチェインに入力します。
- タイミングを調整:ALIGNMENT表示を確認しながらDELAYを調整します。
- 位相を調整:LOW・HIGH・CONSTANTを切り替え、位相の関係を確認します。
- 音を確認:補正前後を聴き比べ、自然にまとまる設定を選びます。
手動調整が難しい場合は、ANALYSEによる自動解析から始める方法もあります。
なお、±4msを超えるタイミングのズレは、DAW側でオーディオクリップの位置を調整する必要があります。
Phase Alignがおすすめな人
Phase Alignは、複数トラック間の位相やタイミングを細かく調整したい方に向いています。
特におすすめなのは次のような方です。
- ドラムを複数のマイクで録音している方
- ギターのDIとアンプ録音を組み合わせる方
- 近接マイクとルームマイクの位相を調整したい方
- 波形やメーターを見ながら位相補正を行いたい方
- 自動解析機能を使って補正設定を探したい方
- 無料で使える位相補正プラグインを探している方
一方、単一トラックの音色調整や一般的なEQ処理を目的とする場合には、用途が異なります。
同じ音源を複数の経路で録音した際のズレを整えるためのプラグインです。
Phase Alignの動作環境
Phase Alignは、macOS・Windows・Linuxに対応しています。
対応OS・プラグイン形式
- macOS:Apple Silicon/Intel、AU・VST3
- Windows:VST3
- Linux:VST3
- 対応トラック:モノラル・ステレオ
ステレオトラックでは、左右のチャンネルに同じ補正処理を適用します。
また、位相回転のCONSTANTモードでは約43msのレイテンシーが発生します。
レイテンシーはDAW側に通知され、ホストの遅延補正機能によって補正される仕組みです。
まとめ:tehguitarist「Phase Align」複数マイク録音やDI・アンプ録音の位相とタイミングを補正!自動解析機能を搭載した無料プラグイン|DTMプラグインセール
Phase Alignは、複数マイク録音やDI・アンプ録音で発生する位相とタイミングのズレを調整できる無料プラグインです。
自動解析と視覚的なメーターを組み合わせることで、補正前後の状態を確認しながら作業できます。
主なポイント
- ±4msのタイミング調整:録音距離などによる時間差を補正
- 3種類の位相回転モード:周波数帯域に応じた位相調整が可能
- 自動解析機能:補正設定の候補を提案
- 3種類のメーター:位相や波形の関係を視覚的に確認
- 幅広い録音用途:ドラム、ギター、複数マイク録音に活用可能
特に、複数のマイクで録音した音を重ねたときに低音が弱くなるなど、位相の問題を感じている方は試してみる価値があります。
手動調整と自動解析の両方に対応しているため、位相補正の作業を始めたい方にも取り入れやすいプラグインです。
