
Wave Emulationは、Waldorf Waveのウェーブテーブル音源と信号経路をソフトウェア上で再現するオープンソース・プロジェクトです。
単にWaldorf Wave風のサウンドを目指すのではなく、250kHz・8bitのウェーブテーブルボイスやデジタルHPF、CEM3387によるフィルターなど、実機の構造まで踏み込んでモデル化しています。
スタンドアロンだけでなく、AU・VST3・AAXにも対応しています。
Wave Emulationとは
Wave Emulationは、JUCE/C++で開発されたWaldorf Waveのエミュレーションです。
ウェーブテーブル方式のオシレーターだけを再現するのではなく、その後段にあるフィルターやVCA、パンニングまで含めた信号経路をモデル化しています。
主な特徴は以下の通りです。
- 250kHz・8bitのウェーブテーブルボイスを再現
- ES2 ASICのミキサー動作をモデル化
- 12dBデジタル・ハイパスフィルターを搭載
- CEM3387をもとにしたフィルター経路を再現
- 12bitのコントロール電圧ステッピングをモデル化
- VCA・パンニングを再現
- 480×64ドットのモノクロLCDを再現
- 61鍵のオンスクリーンキーボードを搭載
Waldorf Waveの音色だけでなく、「どのような仕組みで音が作られていたのか」にまで踏み込んでいる点が大きな特徴です。
PPGのウェーブテーブルを収録
Wave Emulationの公開ビルドには、デコードされたPPG V6ウェーブテーブルのサンプルバンクが含まれています。
残りのテーブルについては、プロシージャル方式のフォールバックデータを利用します。
- PPG V6ウェーブテーブルのサンプルバンクを収録
- 独自のウェーブテーブルイメージも読み込み可能
- Wave SETからユーザーWavetableを利用可能
- 対応するPPG Wave 2.2/2.3 EPROMイメージも読み込み可能
ウェーブテーブルを使った音作りを楽しみながら、PPGからWaldorf Waveへつながるシンセの仕組みに触れられるのも面白いところです。
Waldorf Wave OS 1.700を読み込める
Wave Emulationは、ユーザーが用意したWaldorf Wave OS 1.700のファームウェアを読み込めます。
利用する場合は、w2sys.binとwdv.sysの2つのファイルが必要です。
- Wave OS 1.700のファームウェアに対応
w2sys.binとwdv.sysを読み込み可能- ファームウェアのハッシュをチェック
- 読み込んだファームウェアのフォルダを記憶
- Waveのサウンド/セットアップ用ディスクイメージもマウント可能
ただし、Wave Emulation自体にはWaveのシステムROM、ボイスファームウェア、ファクトリーサウンドなどは含まれていません。
これらを利用する場合は、ユーザー自身で用意する必要があります。
ファームウェアなしでも使用できる
オリジナルのファームウェアがなくても、Wave Emulation自体を起動して音を出すことはできます。
この場合は独自のビヘイビア・シンセシスによるフォールバック機能で動作します。
- ファームウェアなしでも起動可能
- 音を出してシンセとして使用可能
- オリジナルWave OSを動かす場合は別途ファームウェアが必要
そのため、まずWave Emulationを試してから、必要に応じてWave OSを導入するという使い方もできます。
完全なWaldorf Wave再現をうたったものではない
Wave Emulationで注意したいのは、実機を完全に再現したと主張するプロジェクトではないことです。
オシレーターASICには未解明の部分があり、実機との比較や測定が必要な箇所も残されています。
- 実機の信号経路を細かくモデル化
- MIDIやエンベロープなどは現在のモデル内でサンプル単位に処理
- 未解明のASIC内部処理にはビヘイビアモデルを使用
- 実機測定が必要な部分も残されている
- ビットパーフェクト/回路レベルの完全再現はうたっていない
「Waldorf Waveを完全にソフトウェア化した製品」というより、実機の構造を検証しながら再現を進めている研究型のエミュレーションとして捉えると分かりやすいでしょう。
Wave Emulationの対応環境
macOS版は、Apple SiliconとIntel Macの両方に対応しています。
プラグインとしてDAWに読み込むほか、スタンドアロンでも起動できます。
- macOS Ventura 13.0以降
- Apple Silicon/Intel Mac対応
- AU
- VST3
- AAX
- スタンドアロン
CPUとRAMの最低要件については、現時点ではテストによる明確な基準が設定されていません。
Wave Emulationがおすすめな人
Wave Emulationは、一般的なウェーブテーブルシンセとは少し違った楽しみ方ができるソフトウェアです。
特に次のような人はチェックしてみてください。
- Waldorf Waveに興味がある人
- PPG/Waldorf系のウェーブテーブル音源が好きな人
- ヴィンテージ・デジタルシンセの構造に興味がある人
- 実機の信号経路まで再現するエミュレーションに興味がある人
- オープンソースのシンセプロジェクトを試してみたい人
Wave Emulationは、単にWaldorf Wave風のサウンドを鳴らすだけではなく、その内部構造までソフトウェア上で再現しようとしているプロジェクトです。
ウェーブテーブル、デジタル処理、アナログフィルター、VCAなどが組み合わさったWaldorf Wave独自の構造に興味があるなら、試してみる価値のあるオープンソース・シンセです。
まとめ:mo0kid「Wave Emulation」Waldorf Waveのウェーブテーブル音源と信号経路を再現するオープンソース・シンセ|DTMプラグインセール
ヴィンテージ・ウェーブテーブルシンセのサウンドだけでなく、その内部構造まで再現しようとしている研究型のエミュレーションです。
- 250kHz・8bitのウェーブテーブルボイスを再現
- PPG V6ウェーブテーブルのサンプルバンクを収録
- デジタルHPFやCEM3387をもとにしたフィルター経路をモデル化
- Waldorf Wave OS 1.700のファームウェアを読み込み可能
- ファームウェアなしでもシンセとして使用可能
- AU・VST3・AAX・スタンドアロンに対応
- Apple Silicon/Intel Macの両方に対応
単なる「Waldorf Wave風シンセ」ではなく、実機の仕組みそのものに迫っているのが大きな特徴です。
Waldorf WaveやPPG系ウェーブテーブルシンセが好きな人はもちろん、ヴィンテージシンセのエミュレーション技術に興味がある人もチェックしてみてください。
