
Mauro Moreno「Quesynth」は、Synth1のサウンドとパラメーターモデルを計測ベースで再現する、オープンソースのバーチャルアナログシンセです。
Synth1の「.sy1」パッチを読み込めるほか、2基のメインオシレーター+サブオシレーター、フィルター、LFO、アルペジエーター、エフェクトなどを搭載。
ブラウザ版も用意されているため、インストールせずにQuesynthを試すこともできます。
Quesynthとは

Quesynthは、Synth1のサウンドとパラメーターモデルを再現することを目指して開発されているバーチャルアナログシンセです。
単にSynth1をイメージしたシンセではなく、実際のSynth1を計測しながらサウンドや挙動の互換性を検証しているのが大きな特徴。
Synth1本体とは別の独立したプロジェクトです。
- Synth1のサウンドとパラメーターモデルを計測ベースで再現
- Synth1の「.sy1」パッチに対応
- ポリフォニックのバーチャルアナログシンセ
- オープンソースで開発
- MIT Licenseで公開
- Synth1開発者による公式プロジェクトではない
2基のメインオシレーター+サブオシレーターを搭載
シンセ部分には、2基のメインオシレーターとサブオシレーターを搭載しています。
基本的なバーチャルアナログサウンドから、モジュレーションを使った音作りまで対応できる構成です。
- 2基のメインオシレーター
- サブオシレーター
- パルス幅コントロール
- FM
- リングモジュレーション
- ハードシンク
フィルターやLFO、アルペジエーターも搭載
オシレーターだけでなく、フィルターやエンベロープ、LFOなどのシンセサイザー機能も備えています。
ユニゾンやポルタメント、アルペジエーターも利用できるため、Synth1のパラメーターモデルを使った幅広い音作りが可能です。
- ステートバリアブルフィルター
- 4ポール・ラダーフィルター
- フィルターのレゾナンス/キートラッキング
- アンプ/フィルター/モジュレーション用エンベロープ
- テンポ同期可能な2基のLFO
- ポリフォニック/モノフォニックモード
- ポルタメント
- ユニゾン
- アルペジエーター
EQやエフェクトまで内蔵
Quesynthは、シンセ部分だけで音を作って終わりではありません。
出力段にはEQやエフェクト、ディレイ、コーラスも用意されています。
- パラメトリックEQ
- 10種類のエフェクトアルゴリズム
- ディレイ
- コーラス
外部エフェクトを追加する前に、Quesynth内部でサウンドを整えられる構成です。
Synth1の「.sy1」パッチを読み込める
Quesynthで特に注目したいのが、Synth1の「.sy1」パッチをインポートできることです。
Synth1のパッチやバンクを読み込めるほか、Quesynth独自のJSON形式によるパッチとバンクにも対応しています。
- Synth1「.sy1」パッチをインポート可能
- Synth1のバンクをインポート可能
- Quesynth独自のJSONパッチ形式に対応
- Quesynth独自のJSONバンク形式に対応
ただし、すべてのSynth1パッチが完全に同じサウンドになるわけではありません。
現在も互換性やサウンドマッチングの改善が続けられています。
ブラウザ版ならインストールせずに試せる
QuesynthにはWebAssemblyによるブラウザ版も用意されています。
インストールせずに起動できるので、「まずどんなシンセなのか触ってみたい」という場合にも試しやすいでしょう。
ブラウザ版では、次の方法で演奏できます。
- MIDIコントローラー
- PCキーボード
- 画面上のキーボード
さらに、16セルのシンセラックとして使える「Quesynth Pad」も搭載しています。
Windows・macOS・Linuxに対応
Quesynthは、ブラウザだけでなくDAWで利用するためのプラグインも開発されています。
ただし、利用できるプラグイン形式はOSによって異なります。
- Windows: VST3/CLAP
- Linux: VST3/CLAP
- macOS: Audio Unit
- ブラウザ: WebAssembly
- スタンドアロン: Windows/Linux
macOSではAudio Unitに対応しているため、AU対応DAWで利用できます。
現在は実験的なソフトウェア
Quesynthを導入する前に確認しておきたいのが、現在は実験的なソフトウェアという位置づけであることです。
ホストとの統合やセッション互換性、Synth1とのサウンドマッチングは現在も改善が続けられています。
- 一部のSynth1パッチではサウンドに違いが残っている
- ホストとの統合は現在も開発中
- セッション互換性も改善が続いている
- 制作で本格的に使う前に現在のビルドを確認したい
重要なプロジェクトへいきなり導入するより、まずブラウザ版やテスト用のDAWプロジェクトで動作を確認してから使うのがよいでしょう。
Quesynthがおすすめな人
Quesynthは、特にSynth1を使ってきた人や、バーチャルアナログシンセが好きな人にとって興味深いプロジェクトです。
- Synth1が好きな人
- 手持ちの「.sy1」パッチを活用したい人
- Synth1互換シンセに興味がある人
- オープンソースのソフトシンセを試してみたい人
- ブラウザですぐにシンセを鳴らしてみたい人
完成されたSynth1の完全な代替として考えるより、Synth1との互換性を計測しながら追求している新しいシンセとして試してみたい人に向いています。
Quesynthまとめ
Quesynthは、Synth1のサウンドとパラメーターモデルを計測ベースで再現し、「.sy1」パッチの読み込みにも対応したバーチャルアナログシンセです。
- Synth1のサウンドとパラメーターモデルを再現
- Synth1の「.sy1」パッチを読み込み可能
- 2基のメインオシレーター+サブオシレーターを搭載
- フィルター、LFO、ユニゾン、アルペジエーターを搭載
- EQ、エフェクト、ディレイ、コーラスを内蔵
- VST3/CLAP/Audio Unit/WebAssemblyに対応
- ブラウザからインストール不要で試せる
まだ実験的な段階ではありますが、Synth1のサウンドやパッチ資産を現代の環境で活用するための、興味深いオープンソースプロジェクトです。
