
Thenatan「DIAL」は、トラックやボーカル、メロディなどをラジオから流れているようなサウンドへ加工できるRadio Signal Designerプラグインです。
単純に帯域を狭くしてローファイ化するだけではありません。
ダイヤルを回して選局したり、電波が弱くなってノイズに埋もれたり、受信状態が不安定になったりと、ラジオを操作しているような感覚で音を変化させられます。
7つのステーションと4種類のラジオモデルを中心に、ノイズ、クラックル、モールス信号、ドリフト、ドロップアウト、スピーカーの揺れなどを組み合わせられるのが特徴です。
ローファイビートだけでなく、ボーカル加工、イントロ、トランジション、シネマティックやサウンドデザインにも活用できます。
DIALとは?

DIALは、音楽を「ラジオから放送されている音」のように加工するエフェクトプラグインです。
一般的なラジオ風エフェクトのようにEQやフィルターで帯域を狭くするだけでなく、選局や受信状態まで含めてデザインできます。
主な特徴は次のとおりです。
- 7つのステーションを備えたチューニングダイヤル
- AM / FMの切り替え
- 4種類のラジオモデル
- NOISE・CRACKLE・MORSEによる電波干渉
- DRIFT・DROPOUTによる受信状態の変化
- SATURATION・LOW CUT・HIGH CUTによる音質調整
- 古いスピーカーのような揺れを作るRATTLE
- 64種類のファクトリープリセット
- 各サウンドコントロールのオートメーションに対応
- ゼロレイテンシー
トラック全体をローファイ化するだけでなく、「遠くのラジオを聴いている」「ダイヤルを回して放送局を探している」といった場面まで作り込めます。
7つのステーションをダイヤルで選局できる
DIALの中心となるのが、実際のラジオを思わせるチューニングダイヤルです。
7つのステーションが用意されており、針をステーションに合わせると信号が明瞭になり、そこから外れるほど音が静電ノイズへ沈んでいきます。
- 7つのステーションをダイヤルで選択
- ステーションから離れると信号が弱くなる
- 静電ノイズへ音が埋もれていく変化を表現
- SEARCHを長押しするとランダムにバンド内を移動
- チューニングダイヤルのオートメーションにも対応
固定されたラジオ音を作るだけではなく、ダイヤルそのものを演奏する感覚で使えるのが特徴です。
例えばイントロでダイヤルを動かしながら目的のステーションへ合わせ、その瞬間に楽曲を明瞭にするといった演出も作れます。
AMとFMを切り替えてラジオの質感を変えられる
DIALでは、FMとAMを切り替えることで放送の質感を変えられます。
FMではワイドでクリアなステレオサウンド、AMでは帯域の狭い荒れたモノラルサウンドになります。
- FM:ワイドでクリアなステレオ
- AM:狭い帯域の荒れたモノラル
特にAMは、古いラジオ放送や電話のような質感を作りたい場面で使いやすいでしょう。
ボーカルの一部分だけAMに切り替えたり、楽曲のイントロから本編へ移るタイミングでFMへ変化させたりと、アレンジの演出にも利用できます。
4種類のラジオモデルを収録
DIALには、キャラクターの異なる4種類のラジオモデルが用意されています。
モデルを変更すると音のキャラクターだけでなく、プラグインのインターフェースも切り替わります。
- Warm Tube
- Transistor
- Shortwave
- Cheap Speaker
それぞれでボイシング、帯域、ドライブなどが変化するため、同じ素材でも異なるラジオサウンドを作れます。
温かみのあるラジオから短波放送、安価なスピーカーを思わせる音まで、楽曲の雰囲気に合わせて選択できます。
NOISE・CRACKLE・MORSEで電波干渉を加えられる
ラジオらしい雰囲気を作るうえで重要になるのが、放送の周囲に存在するノイズです。
DIALでは、NOISE・CRACKLE・MORSEを使って複数の電波干渉を加えられます。
- NOISE:ステーションから離れるほど強くなるヒスノイズ
- CRACKLE:一定周期では繰り返さないポップノイズ
- MORSE:別の放送から漏れてくるような信号音
単純に一定のノイズを重ねるのではなく、受信状態と組み合わせながら変化させられるのがポイントです。
メロディやアンビエント素材に加えれば、遠くから届く放送や古い通信機器のような雰囲気も作れます。
DRIFT・DROPOUTで不安定な受信状態を再現
ラジオの受信状態をさらに不安定にできるのが、DRIFTとDROPOUTです。
音を常にきれいに受信させるのではなく、チューニングがずれたり、信号が途切れたりする動きを加えられます。
- DRIFT:チューニングを徐々に変動
- DROPOUT:信号をランダムにフェード
- BLEND:受信変化の感じ方を調整
特にBroken Signal系のサウンドや、シネマティックな場面で通信状態が悪くなっていくような演出と相性のよい機能です。
一定のラジオ加工ではなく、時間とともに状態が変化するサウンドを作りたいときに役立ちます。
SATURATION・LOW CUT・HIGH CUTでラジオの音質を調整
DIALには、ラジオサウンドの質感を整えるためのTONEセクションも用意されています。
- SATURATION:温かみや荒さを追加
- LOW CUT:低域をカット
- HIGH CUT:高域をカット
SATURATIONはレベルマッチされており、単純に音量を上げるのではなく、サウンドへ温かみやグリット感を加えるために使用できます。
LOW CUTとHIGH CUTを組み合わせれば、それぞれのラジオモデルの帯域をさらに調整できます。
RATTLEで古いスピーカーのガタつきまで表現
DIALでは電波だけでなく、音を鳴らしているスピーカーの状態まで加工できます。
RATTLEは、古いスピーカーやキャビネットのパネルが振動しているような揺れを加える機能です。
- 2つのデチューンされた揺れを使用
- RATEで揺れの速度を調整
- DEPTHで揺れの深さを調整
- 画面上のスピーカーグリルも動きに合わせて変化
きれいなラジオ信号だけではなく、使い込まれたスピーカーから音が鳴っているようなキャラクターまで加えられます。
64種類のファクトリープリセットを収録
DIALには、8カテゴリーに分けられた64種類のファクトリープリセットが収録されています。
- Clean Broadcast
- Warm Lofi
- Late Night AM
- Shortwave
- Broken Signal
- Kitchen Radio
- Textures
- FX & Transitions
クリアな放送から大きく崩れた信号まで用意されているため、最初から細かくパラメーターを調整する必要はありません。
まずプリセットからイメージに近いサウンドを選び、そこからダイヤルやノイズ、DRIFTなどを調整していく使い方もできます。
DIALの使い方・楽曲制作でどう使う?
DIALはローファイ加工だけに限定せず、さまざまな制作シーンで利用できます。
特にダイヤルや受信状態を動かせるため、時間的に変化する演出との相性がよいプラグインです。
ボーカルを古いラジオから流れているような音にする
ボーカルへDIALを使えば、ラジオや古いスピーカー越しに声が聞こえてくるような加工ができます。
AM、Cheap Speaker、NOISEなどを組み合わせることで、通常のボーカルとは大きく異なる質感を作れます。
曲全体に使うだけでなく、イントロや間奏など一部分だけに使う方法も考えられます。
ダイヤル操作をイントロやトランジションに使う
DIALの特徴を活かしやすいのが、楽曲の場面転換です。
ダイヤルを動かすと信号がノイズへ沈んだり、別のステーションへ移動したりするため、その変化自体をエフェクトとして使えます。
- イントロから楽曲本編へ移行
- セクション間のトランジション
- ドロップ直前のプリドロップFX
- 楽曲のアウトロ
ダイヤルをオートメーションさせれば、毎回手動で操作する必要もありません。
ローファイビートやサンプルに古い機材の質感を加える
ビートやメロディ、サンプルへ使用して、古いラジオやスピーカーを通したようなサウンドへ変化させることもできます。
Warm TubeやTransistor、SATURATION、CRACKLEなどを組み合わせれば、単純なフィルター処理とは違った質感を作れます。
LoFi Hip-Hop、Boom Bap、R&Bなどで、素材を少し汚したいときにも使いやすいでしょう。
シネマティックやアンビエントのサウンドデザインに使う
Shortwave、MORSE、DRIFT、DROPOUTなどを組み合わせると、通信機器や遠距離放送を思わせるサウンドを作れます。
- 遠くから聞こえるラジオ
- 不安定な通信
- 古い短波放送
- 信号が徐々に消えていく演出
- ノイズを含んだアンビエントテクスチャ
映画やゲームの場面演出、アンビエント系のサウンドデザインにも活用できます。
各ブロックを個別にバイパス可能
DIALは、複数のプロセッサーを一つのシグナルパスにまとめています。
各ブロックには個別のバイパスが用意されており、不要な処理を停止できます。
バイパスしたブロックは処理自体が停止する設計になっているため、必要な機能だけを組み合わせて使えます。
マスター部分にはDry/WetのMixとOutputも用意されています。
ゼロレイテンシーでリアルタイム操作にも対応
DIALはゼロレイテンシーで動作します。
トラックへ後からエフェクトをかけるだけでなく、演奏やレコーディング時にDIALを通しながらリアルタイムで加工することも可能です。
また、Modelやチューニングダイヤルを含むサウンドコントロールはオートメーションに対応しています。
- ゼロレイテンシー
- Modelのオートメーションに対応
- チューニングダイヤルのオートメーションに対応
- サウンドコントロールをオートメーション可能
- Dry/Wet Mixを搭載
- Outputを搭載
- インターフェースのリサイズに対応
単なる「挿して音を変えるエフェクト」だけでなく、DAW上で時間的な変化を作る用途にも使えます。
DIALがおすすめな人
DIALは、一般的なローファイ加工よりもラジオらしい演出を細かく作りたい人に向いています。
特に次のような用途と相性のよいプラグインです。
- ボーカルをラジオ放送風に加工したい人
- LoFi Hip-HopやBoom Bapを制作している人
- 古いラジオやスピーカーの質感を取り入れたい人
- イントロやトランジション用のエフェクトがほしい人
- AMラジオや短波放送のような音を作りたい人
- シネマティックやアンビエントのサウンドデザインに使いたい人
- ダイヤル操作をオートメーションして動きのある演出を作りたい人
特に「ラジオっぽいEQ」にとどまらず、受信状態そのものを演出したい場合に特徴を活かしやすいでしょう。
DIALが向いていない可能性がある人
DIALはラジオ信号の再現に特化しているため、目的によっては機能を持て余す可能性があります。
- 単純にLOW CUT / HIGH CUTだけでラジオ風に加工できれば十分な人
- ラジオやローファイ系のサウンドを制作でほとんど使わない人
- ノイズや受信不良などの演出を必要としない人
- AAX形式が必要な人
特にEQで帯域を狭めるだけのシンプルなラジオ加工を求めている場合は、DIALの選局や受信状態を再現する機能まで必要かを確認しておくとよいでしょう。
DIALのシステム要件
DIALはWindowsとMacに対応しています。
Windows
- Windows 7以降
- 64-bit
- VST / VST3
Mac
- macOS Native M1以降
- 64-bit
- AU / VST / VST3
その他
- Mono / Stereo対応
- シリアルナンバーによるアクティベーション
- iLok・ドングル不要
- FL Studio / Logic / Ableton Live / Cubase / Reaper / Studio One対応
- ゼロレイテンシー
- AAX非対応
Pro Tools用のAAX形式には対応していないため、Pro Toolsユーザーは注意が必要です。
まとめ:Thenatan「DIAL」ラジオの選局・ノイズ・受信不良まで再現!7ステーション×4種類のラジオモデルで音を放送信号のように加工できるプラグイン|DTMプラグインセール
DIALは、ラジオ風のEQやフィルター処理だけでなく、選局から受信不良、電波干渉、古いスピーカーの振動まで一つのプラグインでデザインできるRadio Signal Designerです。
主な特徴をまとめると次のとおりです。
- 7つのステーションをダイヤルで選局
- AM / FMの切り替えに対応
- Warm Tube・Transistor・Shortwave・Cheap Speakerの4モデル
- NOISE・CRACKLE・MORSEで電波干渉を追加
- DRIFT・DROPOUTで不安定な受信状態を表現
- SATURATION・LOW CUT・HIGH CUTで音質を調整
- RATTLEで古いスピーカーの揺れを追加
- 8カテゴリー、64種類のファクトリープリセット
- ダイヤルやModelなどのオートメーションに対応
- ゼロレイテンシー
ボーカルを古いラジオから流れているような音にしたり、ダイヤルを回してイントロから本編へつないだり、短波放送のような音をシネマティック作品へ加えたりと、使い方はさまざまです。
単に「音をローファイにする」のではなく、ラジオを選局して電波を受信する過程そのものを楽曲の演出として使いたい人に注目してほしいプラグインです。
