
Ultiverbは、Room・Hall・Plate・Spring・Digitalという5種類のリバーブを収録した、無料のアルゴリズミックリバーブプラグインです。
単純に残響を加えるだけではなく、マルチバンドDecay、Ducking、EQ、サチュレーション、ステレオの揺らぎなどを組み合わせ、ミックスの中で使いやすい空間へ細かく整えられます。
「広がりはほしいけれど、原音を埋もれさせたくない」「リバーブの低域だけ整理したい」といった場面にも対応しやすい設計です。
Libélula Audio「Ultiverb」5種類のリバーブとマルチバンドDecay・Ducking・サチュレーションを組み合わせて空間を作り込める無料リバーブプラグイン

Ultiverbは、ミックスでの使いやすさを重視して設計されたアルゴリズミックリバーブです。
SizeやDecayだけを調整するシンプルなリバーブとは異なり、残響の帯域バランスや動き、質感まで一つのプラグイン内で作り込めます。
主な特徴は以下の通りです。
- Room・Hall・Plate・Spring・Digitalの5種類を収録
- Size・Decay・Pre-delay・Densityなどを調整可能
- 3つの周波数帯域に分けてDecayを調整
- リバーブ成分をコントロールするDuckingを搭載
- DryとWetを個別にサチュレーション可能
- リバーブ前後を整えられる2基の4バンドEQ
- ステレオに変化を加えるFluctuateを搭載
- 4種類のFlavorを収録
- 最大16倍のオーバーサンプリングに対応
空間の大きさを決めて終わるのではなく、ミックスの中でリバーブがどのように振る舞うかまで調整できる点が大きな特徴です。
Room・Hall・Plate・Spring・Digitalの5種類のリバーブを収録
Ultiverbには、キャラクターの異なる5種類のリバーブが用意されています。
楽曲や音源に合わせて基本となる空間を選び、そこから細かな調整を加えていくことができます。
- Room:部屋のような空間を作るリバーブ
- Hall:ホール系の広い空間を作るリバーブ
- Plate:プレートリバーブをベースにしたタイプ
- Spring:スプリングリバーブをベースにしたタイプ
- Digital:デジタル系のリバーブ
ボーカルやドラムに自然な奥行きを加えたい場合から、シンセやサウンドデザインで積極的に残響を聴かせたい場合まで、用途に合わせて出発点を選べます。
Size・Decay・Pre-delay・Densityなどで空間を細かく調整
5種類のリバーブを選択したあと、空間の広さや残響時間などを調整できます。
リバーブの基本的なパラメーターが揃っているため、プリセット的に使うだけでなく、音源や楽曲に合わせて追い込めます。
- Size:空間の大きさを調整
- Decay:残響が減衰する時間を調整
- Pre-delay:原音からリバーブが始まるまでの時間を調整
- Density:残響の密度を調整
- Reflection関連のパラメーター:反射音の振る舞いを調整
たとえばボーカルを前に残しながら奥行きを加えたい場合、Pre-delayを利用して原音とリバーブの時間差を作るといった調整ができます。
3バンドのマルチバンドDecayで残響時間を帯域別に調整
Ultiverbの特徴のひとつが、マルチバンドDecayです。
リバーブの減衰を一括で変更するのではなく、3つの周波数ゾーンに分けて調整できます。
- 低域のDecayを個別に調整
- 中域のDecayを個別に調整
- 高域のDecayを個別に調整
- 帯域ごとに異なる残響の振る舞いを作れる
たとえば低域の残響が長すぎてミックスが濁る場合、リバーブ全体を短くするのではなく、低域側のDecayを抑えるという調整が可能です。
反対に高域だけを早めに減衰させれば、明るすぎる残響を抑える方向にも使えます。
単純なEQとは違い、「どの周波数を残すか」だけではなく、「どの周波数をどのくらい長く響かせるか」を調整できるのがポイントです。
Duckingで原音とリバーブの重なりをコントロール
リバーブを深くすると、ボーカルやリードシンセなどの原音が後ろへ引っ込んでしまうことがあります。
UltiverbにはDuckingが搭載されており、入力音に合わせてリバーブの動きをコントロールできます。
- Attack
- Release
- Ratio
- Detector Gain
- HP / LPによるディテクターフィルタリング
- 内部サイドチェイン
- 外部サイドチェイン
入力音が鳴っている間はリバーブを抑え、音が途切れたところで残響を前に出す、といった処理に利用できます。
ボーカルの言葉を聴き取りやすく保ちながら長いリバーブを使いたい場合や、リード音の存在感と大きな空間を両立させたい場合に便利な機能です。
2基の4バンドEQでリバーブの前後を整えられる
Ultiverbには、4バンドEQが2基用意されています。
リバーブ処理の前後で周波数バランスを調整できるため、別のEQプラグインを追加しなくても空間の音色を整えられます。
- リバーブへ入る音の周波数バランスを調整
- リバーブ処理後のWet信号を調整
- 4バンド構成で細かな補正が可能
- Dry信号に影響を与えず残響側を整えられる
たとえば低域をリバーブへ入れすぎたくない場合や、処理後の残響から耳につく帯域を抑えたい場合などに活用できます。
マルチバンドDecayと組み合わせることで、残響時間と周波数バランスの両方から空間を整理できます。
DryとWetを別々にサチュレーションできる
Ultiverbはリバーブだけでなく、サチュレーションも搭載しています。
さらにDryとWetを独立して処理できるため、原音と残響に異なる質感を与えられます。
サチュレーションには以下の5種類があります。
- Clean
- Soft
- Tape
- Tube
- Clip
たとえば原音はクリーンに保ち、リバーブ成分だけにTapeやTubeの質感を加えるといった使い方ができます。
反対にDry側にもキャラクターを加え、原音と残響をまとめて音作りすることも可能です。
最大16倍のオーバーサンプリングにも対応しています。
Fluctuateでステレオ空間に変化を加える
Fluctuateは、Ultiverbの個性的な機能です。
左右のチャンネルを完全に固定した状態で処理するのではなく、コントロールされたランダムな変化を加えます。
変化する要素には、レベルやダイナミクス、非線形処理などの内部特性が含まれます。
- 左右チャンネルに変化を加える
- 時間とともに変化するステレオ感を作れる
- Fluctuateの量を調整可能
- Speedで変化の速さを調整
- Inertiaで変化の振る舞いを調整
わずかに適用して静的なリバーブに動きを加えることも、大きく設定してクリエイティブな空間表現に使うこともできます。
特にシンセ、パッド、アンビエンスなど、ステレオ空間そのものを音作りの一部として扱いたい場合に試しやすい機能です。
4種類のFlavorでリバーブの振る舞いを変えられる
Ultiverbには4種類のFlavorが用意されています。
単純にEQカーブを変更するものではなく、リバーブ自体の反応や振る舞いを変化させるための機能です。
- Clean
- Odonata
- Anisoptera
- Meganeura
基本となるリバーブタイプを選択したあと、Flavorを切り替えることで異なるキャラクターを探せます。
RoomやHallといった空間タイプだけで決めるのではなく、さらにリバーブの質感や反応を変えられるため、音源との相性を探しやすくなっています。
MemoryとBloomでリバーブテールをさらに調整
Ultiverbには、残響の振る舞いを調整するMemoryとBloomも搭載されています。
基本的なDecayだけでなく、リバーブテールのキャラクターをさらに作り込むための要素として利用できます。
- Memory:残響の振る舞いを調整するパラメーター
- Bloom:リバーブテールの広がり方を調整するパラメーター
SizeやDecay、Densityなどと組み合わせることで、単純な「短い・長い」だけではない残響を作れます。
Wet信号のステレオ幅も調整可能
Ultiverbでは、Wet信号のステレオ幅も調整できます。
リバーブを広げるだけではなく、ミックスの中で必要な幅に合わせてコントロールできるのがポイントです。
- Wet信号のステレオ幅を調整
- 原音とリバーブの広がりを分けて考えられる
- Fluctuateと組み合わせて動きのあるステレオ空間を作れる
センターに置いたボーカルの周囲だけを広げたり、シンセの残響を大きく左右へ展開したりと、空間配置を考えながら調整できます。
Ultiverbを実際の制作でどう使うか
Ultiverbは機能が多いため、すべてのパラメーターを最初から動かす必要はありません。
まずリバーブタイプと基本的な空間を決め、その後でミックス上の問題に合わせて機能を追加していくと扱いやすくなります。
ボーカルに奥行きを加えながら存在感を残す
ボーカルでは、リバーブを深くすると歌声がミックスの後ろへ移動しすぎることがあります。
その場合は、Pre-delayとDuckingを組み合わせる方法が考えられます。
- HallやPlateから空間を選ぶ
- Pre-delayで原音と残響を分離
- Duckingで歌っている間のリバーブをコントロール
- Wet EQで不要な低域を整理
- Decayで楽曲に合った残響時間へ調整
歌声そのものは前に置きながら、その後ろに空間を作りたいときに活用しやすい組み合わせです。
ドラムに空間を加えながら低域の濁りを抑える
ドラムでは、キックなどの低域まで長く残響させると、ローエンドが膨らむ場合があります。
マルチバンドDecayを使えば、低域と中高域の残響時間を分けて考えられます。
- Roomなどを使って空間を作る
- 低域側のDecayを調整
- 中高域には必要な残響を残す
- EQでリバーブの周波数バランスを整理
- 必要に応じてサチュレーションで質感を加える
ドラム全体に空間を与えながら、低域まで必要以上に響かせない処理を一つのプラグイン内で組み立てられます。
シンセやパッドに動きのある広い空間を作る
シンセやパッドでは、Fluctuateを活用すると、固定されたステレオリバーブとは異なる動きを加えられます。
- HallやDigitalからベースとなる空間を選ぶ
- Decayを長めに設定
- Fluctuateで左右に変化を加える
- SpeedとInertiaで動きを調整
- Wet Widthで広がりを調整
- Wet側のサチュレーションで質感を追加
アンビエントやシネマティック系のサウンドだけでなく、電子音楽で空間そのものを音作りに使いたい場合にも試せます。
Ultiverbがおすすめな人
Ultiverbは、シンプルなリバーブよりも一歩踏み込んで残響をコントロールしたい人と相性のよいプラグインです。
特に以下のような人はチェックしてみる価値があります。
- 無料で使える多機能なリバーブを探している人
- Room・Hall・Plate・Springなど複数のタイプを使い分けたい人
- リバーブの低域が濁ることに悩んでいる人
- ボーカルを埋もれさせずに深いリバーブを使いたい人
- 残響だけにサチュレーションを加えたい人
- リバーブ内でEQまで完結させたい人
- ステレオ空間に時間的な変化を加えたい人
- リバーブを単なる空間系エフェクトではなく、音作りにも使いたい人
Ultiverbが向いていない可能性がある人
機能が豊富な一方、用途によってはUltiverbが合わない場合もあります。
特に対応環境については、導入前に確認しておきたいポイントです。
- 数個のノブだけで操作できるシンプルなリバーブを探している人
- 細かな空間調整を必要としていない人
- コンボリューションリバーブを探している人
- 現在の対応環境外で使用したい人
Ultiverbは「リバーブを選んでMixを調整するだけ」というタイプではなく、残響を細かく作り込むための機能を多く備えています。
手早さを最優先する場合は機能が多く感じられる可能性がありますが、ミックスに合わせて空間を追い込みたい場合には、その細かさが強みになります。
対応環境
Ultiverbは64bit環境向けのVST3プラグインです。
対応状況は更新される可能性があるため、導入前に配布ページで最新情報を確認してください。
- プラグイン形式:VST3
- 64bit VST3対応DAWで使用
- オンラインアクティベーション方式
まとめ:Libelula Audio「Ultiverb」5種類のリバーブとマルチバンドDecay・Ducking・サチュレーションを組み合わせて空間を作り込める無料リバーブプラグイン|DTMプラグインセール
Ultiverbは、5種類のリバーブをベースに、残響時間、周波数、ダイナミクス、ステレオ、質感まで細かく作り込めるアルゴリズミックリバーブです。
特にマルチバンドDecayとDuckingを備えているため、「リバーブを深くしたいけれどミックスは濁らせたくない」という場面で調整の選択肢を増やせます。
- Room・Hall・Plate・Spring・Digitalの5種類を収録
- 3つの周波数帯域でDecayをコントロール
- Duckingで原音と残響の重なりを調整
- 2基の4バンドEQでリバーブ前後を補正
- Dry / Wetを独立してサチュレーション可能
- 5種類のサチュレーションキャラクターを搭載
- Fluctuateでステレオ空間に変化を追加
- 4種類のFlavorでリバーブの振る舞いを変更
- Memory・Bloomによるリバーブテールの調整
- Wet信号のステレオ幅をコントロール
- 最大16倍のオーバーサンプリングに対応
無料リバーブという枠に収まらず、ミックスの中で残響を積極的に設計したい人にとって、さまざまなアプローチを試せるプラグインです。
