
ZL Spectrum Equalizerは、FFTを活用したスペクトラムダイナミックEQです。
一般的なダイナミックEQよりも細かな周波数単位で処理できるため、不要な共振を自然に抑えたり、音色を大きく変えずに補正したりできます。
この記事では、ZL Spectrum Equalizerの特徴や主な機能、基本的な使い方を分かりやすく解説します。
ZL Spectrum Equalizerの特徴

ZL Spectrum Equalizerには、多彩なイコライジングを実現する機能が数多く搭載されています。
主な特徴は次のとおりです。
- FFTベースのスペクトラムダイナミックEQ
- 最大24バンドのリニアフェーズ処理
- 9種類のフィルターを搭載
- 5種類のステレオモードを搭載
- 最大96dB/octまで選べるスロープ
- 周波数ごとのダイナミック処理に対応
- インタラクティブなスペクトラム画面で直感的に編集可能
- 外部サイドチェインに対応
一般的なダイナミックEQよりも、細かな共振や不要な周波数だけを狙って処理しやすいことが大きな魅力です。
対応しているフィルター
用途に合わせて9種類のフィルターを使用できます。
- Peak
- Low Shelf
- Low Pass
- High Shelf
- High Pass
- Notch
- Band Pass
- Tilt Shelf
- Flat Tilt
通常のEQに必要なフィルターは一通り揃っています。
Tilt ShelfやFlat Tiltも利用できるため、音全体のバランス調整も簡単です。
ステレオモード
各バンドごとにステレオ処理方法を変更できます。
選択できるモードは次の5種類です。
- Stereo
- Left
- Right
- Mid
- Side
Midだけを補正したり、Side成分だけを処理したりできるため、ステレオイメージを細かくコントロールできます。
スロープ
フィルターの傾きを7段階から選択できます。
- 6dB/oct
- 12dB/oct
- 24dB/oct
- 36dB/oct
- 48dB/oct
- 72dB/oct
- 96dB/oct
数値が大きいほど急激なカーブになります。
不要な帯域だけを鋭くカットしたい場合は、高いスロープが便利です。
なお、Peak・Notch・Band Passでは6dB/octを利用できません。
Flat Tiltではスロープ設定はありません。
Spectrum Dynamicとは
Spectrum Dynamicは、本製品最大の特徴です。
通常のダイナミックEQは広い帯域をまとめて検出して処理します。
一方、ZL Spectrum EqualizerはFFTで分割した非常に細かな周波数ごとにレベルを監視し、それぞれ個別にゲインを変化させます。
そのため、
- 狭い共振だけを抑えられる
- 音色を大きく変えにくい
- 自然なダイナミック処理ができる
- 必要な帯域だけ反応させられる
というメリットがあります。
ダイナミック処理のパラメータ
ダイナミック処理では、一般的なコンプレッサーに近いパラメータを設定できます。
Threshold
ダイナミック処理を開始するレベルです。
サイドチェインのレベルがThresholdを超えると、Base GainからTarget Gainへ変化します。
Attack
Thresholdを超えたあと、Target Gainへ移動する速さを決めます。
Release
Thresholdを下回ったあと、元のGainへ戻る速度です。
Knee
Threshold付近での変化を滑らかにします。
小さい値では急激に反応し、大きい値では自然な変化になります。
Dynamic Mode
Thresholdの基準を3種類から選択できます。
Absolute
固定のThresholdを使用します。
通常のダイナミックEQに近い動作です。
Band
対象バンドのラウドネスを基準にThresholdを変化させます。
Relative
信号全体のラウドネスを基準にThresholdを変化させます。
素材に応じて自然な動作をさせたい場合に便利です。
Spectrum Resolution
Spectrum Resolutionは、FFT解析の解像度を変更する設定です。
解像度が高いほど細かな周波数まで分析できます。
一方で、レイテンシーも増加します。
設定は次の7段階です。
- Extreme Low(約12ms)
- Very Low(約23ms)
- Low(約46ms)
- Medium(約93ms)
- High(約186ms)
- Very High(約372ms)
- Extreme High(約743ms)
低いResolutionの特徴
低いResolutionには次の特徴があります。
- レイテンシーが少ない
- CPU負荷を抑えられる
- 反応が速い
- ライブ用途にも向いている
高いResolutionの特徴
高いResolutionには次の特徴があります。
- 低域を高精度に分析できる
- 狭い共振を正確に処理できる
- レイテンシーが増える
- CPU負荷も高くなる
通常のミックスではMedium以下でも十分な場面が多く、低域を細かく補正したい場合に高いResolutionが役立ちます。
Spectrum Processing設定
Spectrum Dynamic全体の動作を調整できます。
主な項目は次のとおりです。
- Smooth Type
- Smooth Value
- Tilt
- Attack Skew
- Release Skew
- Gate
Smooth Type
周波数方向の平滑化方法を選択します。
- OCT
- ERB
ERBは低域がより滑らかになります。
Smooth Value
スペクトラムの平滑化量を調整します。
値を大きくすると、ダイナミック処理も滑らかになります。
Tilt
サイドチェイン解析時の周波数バランスを調整します。
Attack Skew
高域と低域でAttack速度を変えられます。
値を大きくすると、高域は速く、低域は遅く反応します。
Release Skew
Releaseも周波数によって変化させられます。
高域は速く、低域はゆっくり戻す設定が可能です。
Gate
一定レベル以下ではダイナミック処理を行わない設定です。
不要な反応を抑えられます。
スペクトラムアナライザー
画面中央には高機能なスペクトラムアナライザーを搭載しています。
表示できる内容は次のとおりです。
- 入力信号
- 出力信号
- サイドチェイン
- フィルターカーブ
- 衝突検出(Collision Detection)
視覚的に周波数の変化を確認しながら作業できます。
バンドの追加方法
フィルターの追加は非常に簡単です。
- スペクトラムをダブルクリック
- 任意の位置へバンドを追加
- フィルターボタンをドラッグして編集
選択中のバンドにはフローティングウィンドウが表示され、主要なパラメータをすぐ変更できます。
コンテキストメニュー
右クリックメニューから便利な編集機能を利用できます。
- Gain反転
- Left/Rightへ分割
- Mid/Sideへ分割
- コピー
- ペースト
左右対称のEQを素早く作成したい場合にも便利です。
Output設定
Outputパネルでは全体の出力を調整します。
設定できる項目は次のとおりです。
- Output Gain
- Gain Scale
- Static Gain Compensation
- ラウドネス測定
Static Gain Compensationではフィルターによる音量変化を推定し、補正量を自動計算できます。
完全な補正ではありませんが、音量差による聴感上の比較をしやすくなります。
アナライザー設定
アナライザー表示も細かくカスタマイズできます。
設定できる内容は次のとおりです。
- Pre/Post表示
- Side表示
- Decay Speed
- FFT Smoothing
- FFT Freeze
- Stereo表示
- Collision Detection
解析画面を用途に合わせて見やすく調整できます。
UI設定
UIはかなり細かくカスタマイズできます。
変更できる項目には次のようなものがあります。
- カラー
- 背景色
- テキスト色
- グリッド色
- カーブ色
- マウス感度
- スライダー操作方法
- ツールチップ言語
- UIスケール
- ウィンドウサイズ
- 更新レート
自分の作業環境に合わせて快適な操作性を作れます。
基本的な使い方
初めて使う場合は、次の流れで作業すると扱いやすくなります。
- Spectrum Resolutionを選ぶ
- フィルターを追加する
- フィルタータイプを選択する
- Frequency・Gain・Qを調整する
- Dynamicを有効にする
- Threshold・Attack・Release・Kneeを設定する
- 必要に応じてSpectrum Processingを調整する
- Output Gainを合わせる
まずは通常のEQとして音を整え、そのあと必要なバンドだけDynamicを有効にすると扱いやすくなります。
まとめ:ZL Audio「ZL Spectrum Equalizer」FFTベースのスペクトラムダイナミック処理で細かな共振を自然に抑えられる高機能イコライザー|DTMプラグインセール
ZL Spectrum Equalizerは、FFTベースのスペクトラム解析を利用した高機能なダイナミックイコライザーです。
一般的なダイナミックEQよりも細かな周波数制御ができるため、不要な共振だけを自然に抑えられます。
また、多彩なフィルターやステレオモード、高精度なスペクトラム解析、豊富なカスタマイズ機能も搭載しており、ミックスからマスタリングまで幅広い用途に対応します。
通常のEQでは調整しきれない細かな帯域をコントロールしたい人や、より自然なダイナミック処理を行いたい人にとって、非常に柔軟性の高いイコライザープラグインです。
