
13年越しに生まれ変わった、Zebraの最新版。
「Zebra 2の進化版」だと思って触ると、その違いに驚くかもしれません。
完全再設計されたZebra 3 Public Betaが、ついに公開されました。
この記事では、その進化の中身と、使い始める前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
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Zebra 3 パブリックベータ版がついに登場!最新版の進化ポイント

Urs Heckmann氏率いるu-heから、待望のZebra 3 パブリックベータ(Revision 20399)が公開されました。
これは単なるアップデートではなく、Zebra 2から完全に再構築された新しいソフトシンセです。
Zebra 2ユーザーには馴染みあるワークフローを維持しながらも、音質や機能面では一線を画す進化を遂げています。
Zebra 3とは?基本情報と背景
- 完全な再設計
Zebra 3はZebra 2の改良版ではなく、全てのアルゴリズム・パラメーター・UI設計をゼロから作り直した新製品です。 - 長年の開発を経てのリリース
開発には十数年かかっており、今回のベータ版は「音源エンジン」としては完成。今後はUIの最終調整やプリセットの拡充、CPU負荷の最適化などが予定されています。
Zebra 3の主な特徴と進化点
Zebra 3の主な特徴は、以下の通りです。
新しいアルゴリズムと機能
- すべてのサウンドエンジンが刷新
Zebra 2とは全く別物のサウンド設計。音質の向上は明らかで、特にフィルター周りの進化はDivaに匹敵するレベル。 - フィルターは強力だが注意が必要
特定のフィルターは非常にリッチな音を出すが、CPU負荷が高いため、パッドや複雑なサウンドでは使いすぎに注意。 - Zebra 2の2倍近いCPU使用率
機能強化の代償として、CPU使用量は大きく増加。今後の最適化に期待。
300個のデモプリセットが同梱
- 初期リリースには300種類のデモプリセットが含まれています。
- 工場プリセットバンク(Factory Bank)はベータ期間中に順次拡充予定。
GUIとワークフローの改良
- GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)も再設計中。
- 従来より直感的な操作が可能になる設計を目指して調整が続いています。
使用上の注意点(ベータ版としての制限)
ベータ版ということで、現時点ではいくつかの制限やバグが確認されています。
使用する際は以下に注意してください。
安全に使うための推奨事項
- マスターにリミッターを挿すことを推奨
予期せぬ音のピークやノイズに備えるためです。 - こまめな保存が必須
現時点でランダムなクラッシュが報告されており、特に制作中のプリセットや曲はこまめに保存を。 - 大きな音質の変更は予定されていないが微調整はあり得る
ベータ中にバグ修正などで微小な音質の変化は起こる可能性あり。
現時点での既知の不具合
Zebra 3 Betaにはいくつかの既知のバグや制限があります。
代表的なものを以下にまとめます。
主なバグ・制限点一覧
- Zebralette 3 プリセットの互換性は未実装
- サンプルインポート機能は試験中で安定性に難あり
- Filter FM(フィルター周波数変調)でフィルターが壊れる可能性
- Undo/Redo機能が不完全
- Cubase/Nuendoで稀にプラグイン読み込みエラー発生
- WindowsでGUIアニメーションが重い → 設定でオフに可能
- Linux上でのUI問題が複数存在
- Pro Tools(Windows)でマウスカーソルの挙動が不安定
- MSEG(マルチステージエンベロープ)の保存が一部のみ対応
- マルチコア対応・MPE(MIDI Polyphonic Expression)非対応
まとめ:u-he「Zebra 3.0 Public Beta」ベータ版がついに登場!Zebra 2のユーザーも驚く音質の飛躍、Diva並みのフィルター、直感的なUI設計の新生ソフトシンセ|DTMプラグインセール
Zebra 3は、Zebra 2の進化というよりも、まったく新しいシンセサイザーとして登場しました。
そのサウンドは洗練され、機能は大幅に強化されており、今後の完成形に大きな期待が持てます。
もちろん、現時点ではベータ版としての不安定さもありますが、これからの改良を見据えて、今のうちにそのポテンシャルを体感しておくのも大きな価値があります。
