
ボーカルが埋もれる
声に存在感が出ない
そんな悩み、ありませんか?
EQやコンプだけでは思うように仕上がらず、試行錯誤の末にミックスが迷子に…。
特にOTT系処理は万能だけど、ボーカルにはちょっと扱いづらいと感じる人も多いはずです。
AbletonのOTTをベースに、ボーカル専用に最適化された多帯域ダイナミクスプロセッサーです。
5つの帯域×4ステージ処理、そして12種類のプリセットで、どんな声も一瞬でプロ品質へ。
この記事ではVO-TTの特徴や使い方、他との違いまで、分かりやすく解説していきます。
VO-TTとは?OTTの概念をボーカル専用に最適化した革新的プラグイン

VO-TTは、Three-Body Technologyが開発した「OTTスタイル」のマルチバンド・ダイナミクスプロセッサーで、特にボーカルミックスに特化しています。
一般的なOTTプリセットはEDMやシンセ向けに作られているため、ボーカルに使うには調整が難しいという課題がありました。
VO-TTはその問題を解決し、声の帯域ごとに最適な処理を自動で行える構造になっています。
その結果として、誰でも短時間でプロ品質のボーカルサウンドを実現できます。
- AbletonのOTTをベースにしながらも、ボーカル専用に再設計
→ EDM向けの極端な設定ではなく、人の声のダイナミクスに合わせた柔らかく自然な処理が可能です。 - 5つの周波数帯(Air, Presence, Clear, Warm, Body)に分割
→ 声の息遣いから低域の土台まで、帯域ごとに独立して処理できるため、より細かい表現がしやすくなっています。 - 各帯域にExpander / Upward / Downwardコンプレッションを搭載
→ 音量バランスの悪い録音でも、強弱を自然に整えて聞きやすい仕上がりに導きます。 - 12種類のスタイルプリセットをワンクリックで選択可能
→ ロックやR&B、ナレーションなど用途に合わせて、最適な設定を即座に呼び出せます。 - ゼロレイテンシー処理でライブや配信でも安定動作
→ 重い処理や遅延が一切なく、リアルタイムの演奏環境にもそのまま使える点が魅力です。
Three-Body Technology「VO-TT」の価格

VO-TTの5つの周波数帯域とその役割を徹底解説

VO-TTは、ボーカルの特性に合わせて5つの周波数帯域に信号を分割し、それぞれ個別にダイナミクス処理を行います。
これにより、帯域ごとのニュアンスを保ったまま、音のバランスを整えることができます。
各帯域は、明瞭さや温かみ、存在感など、ボーカルにとって重要な要素を担っています。
このことから、より自然で深みのあるボーカルミックスが可能になります。
- Air(エアー):約8kHz以上の高域
→ 息遣いやささやき、空気感など、繊細なニュアンスを際立たせる帯域です。
サ行などの歯擦音もここで調整します。 - Presence(プレゼンス):約4〜8kHzの中高域
→ 声の明瞭さや抜けの良さに影響。
マイクとの距離感やクリアさを出したいときに調整すると効果的です。 - Clear(クリア):約1〜4kHzの中域
→ 声の芯や発音の明瞭さを支える帯域です。
聴き取りやすさに大きく関わるため、ボーカル処理の中心的な帯域と言えます。 - Warm(ウォーム):約300Hz〜1kHzの中低域
→ 声に温かみや滑らかさを加える部分です。
男性ボーカルの重厚感や、女性ボーカルのやさしさを演出できます。 - Body(ボディ):約50〜300Hzの低域
→ 声の太さ、重心、安定感を担う帯域です。
過剰になるとモコモコするため、ここで適切にコントロールすることが重要です。
Air帯域:息遣いや抜け感を演出する高音域
Air帯域は、おおよそ8kHz以上の高周波成分を指し、声に「空気感」や「ささやき」を加える役割を担います。
シンバルのような高域ではなく、あくまでボーカルの「エアー感」を演出するための帯域であり、ここをうまく調整することで、歌声が軽やかに浮き上がるような印象になります。
そのため、マイクに息が乗るような表現や、ハイトーンの繊細さを際立たせたい場合には非常に有効です。
逆に、サ行やシ行が耳に刺さる場合はここを抑えることで聴きやすくなります。
- 息遣いやブレス音を目立たせたいときに有効
- ハイファイで抜けの良いサウンドに仕上がる
- 女性ボーカルの透明感を引き立てる効果あり
- 強すぎると耳に刺さる「サ行」の処理にも活躍
- マイクが拾う空気感を整えることで臨場感がアップ
Presence帯域:明瞭さと輪郭を決定づける帯域
Presence帯域は、およそ4kHz〜8kHzの中高域に位置し、ボーカルの「明瞭さ」や「立ち上がりの良さ」に直接関係しています。
この帯域をうまく処理すると、声がトラックの中で埋もれず、自然に前へ出てきます。
逆に処理を誤ると、耳障りになったり、声が硬く感じられることもあります。
その影響で、この帯域はEQやコンプレッションによる微調整が非常に重要とされる部分です。
VO-TTではこの帯域にも独立した処理が可能なため、声質やジャンルに合わせて的確な調整が行えます。
- 声の明るさや鮮明さを調整したいときに有効
- トラック内でボーカルの存在感を強められる
- 歌詞の発音がクリアに聞こえるようになる
- 女性ボーカルでは張りのある高音に寄与
- 抑えすぎるとこもった印象になるので注意が必要
Clear帯域:ボーカルの芯を支える中音域
Clear帯域は、1kHz〜4kHz程度の中域に該当し、ボーカルの「芯」や「言葉の明瞭さ」を支える非常に重要なゾーンです。
この帯域がしっかりしていると、どんなアレンジの中でもボーカルが埋もれにくくなります。
逆に、ここが弱いと声がぼやけて聞こえたり、輪郭のない印象になりやすくなります。
そのため、VO-TTでこの帯域を丁寧に調整することで、歌詞の一音一音がはっきり伝わる、聞き取りやすいボーカルを作ることができます。
- 声の輪郭や芯を明確にしたいときに有効
- 歌詞の明瞭度を向上させたい場面で活躍
- 特に早口のフレーズでも言葉が潰れず通る
- ミックス内でのボーカル定位を安定させやすい
- 声が細く感じるときはこの帯域の強化が効果的
Warm帯域:滑らかさと太さを出す中低域
Warm帯域は、約300Hz〜1kHzの中低域を担い、声に「温かみ」や「太さ」、「柔らかさ」を加える重要な帯域です。
この帯域がしっかり処理されていると、ボーカルに包み込むような豊かさが生まれ、聴き手に安心感を与えることができます。
一方で、ここを強調しすぎると音がこもった印象になりがちです。
VO-TTでは、帯域ごとのコンプレッションやエクスパンダーの設定を個別に行えるため、この中低域も細やかにコントロールできます。
- 声に温かみや丸みを持たせたいときに有効
- 高音が強めなボーカルに落ち着きを加えられる
- 男性ボーカルにおける深みや重厚感を強調できる
- ナレーションやバラードなど、落ち着いた表現に適している
- 処理が過剰になると「モコモコ」とした音になるため注意が必要
Body帯域:土台を作る低域、深みの鍵
Body帯域は、約50Hz〜300Hzの低域に位置し、ボーカル全体の「重心」や「安定感」、「存在感」を支える基礎となる部分です。
この帯域をうまく扱うことで、声に厚みや深みが加わり、再生環境によらずしっかりと響くボーカルを作ることができます。
一方で、過剰な処理は音の輪郭を曇らせる原因にもなるため、狙いを持った調整が求められます。
VO-TTでは、この低域もしっかり個別処理できるため、必要な成分だけを残す精密なミックスが可能です。
- ボーカルの音像に重みや安定感を加えたいときに有効
- スピーカーやサブウーファーでの再生時に存在感が出る
- 男性ボーカルの落ち着いたトーンを強調できる
- EDMやバラードなど、低域が求められるジャンルで効果的
- 過剰なブーストは他パートとの混濁を招くため注意が必要
4つのダイナミクス処理ステージで音を自在にコントロール

VO-TTのもう一つの大きな特徴が、各帯域に適用される4つのダイナミクス処理ステージです。
これは単なる圧縮や拡張ではなく、ボーカルの「出したい音」と「抑えたい音」を細かく分けてコントロールするための仕組みです。
それぞれのステージが異なる音量領域に働きかけることで、ダイナミクスを滑らかかつ自然に整えられます。
その結果として、録音の粗さや小さすぎる声、耳に刺さるピークなどを個別に対処できるため、全体の音が整い、より聴きやすいミックスに仕上がります。
- Expander(エクスパンダー):
極めて小さな音をさらに下げてノイズを減らす
→ ブレス音や環境ノイズなど、不要な微小成分を抑えてクリーンな印象に。 - Upward Compression(アップワードコンプレッション):
小さな音を持ち上げる
→ フレーズの終わりや弱くなった発声を補い、聴き取りやすくします。 - Null(ヌル):
処理を加えない範囲
→ このゾーン内の音量は変化せず、自然な部分をそのまま残す役割を担います。 - Downward Compression(ダウンワードコンプレッション):
大きすぎる音を抑える
→ サビや張り上げた声が耳障りにならないよう、ピークを自然に整えます。
Expander:ノイズや不要な静音を抑える
Expanderは、入力信号の中でも特に音量の小さい部分をさらに下げる処理です。
VO-TTでは、このステージが各帯域に個別に用意されており、微細なノイズや不要なブレス音、マイクが拾った部屋の響きなどを効果的に抑えることができます。
そうすることで、全体的にスッキリとした、輪郭のはっきりしたボーカルを作ることが可能になります。
特に静かな曲やナレーション収録などで活躍します。
- ブレスや唇の動きなど、無意識に録音された雑音を軽減
- 空間ノイズやルームリバーブの不要な成分を削除
- バックグラウンドノイズを帯域ごとに抑制できるため自然な印象を保てる
- 音量が小さい=必要ないとは限らないため、設定は慎重に行うのがポイント
- サスティンや余韻を過剰にカットしないよう注意が必要
Upward Compression:埋もれた声を持ち上げる処理
Upward Compressionは、音量が小さい成分を持ち上げて全体のバランスを整える処理です。
通常のコンプレッションとは逆に、控えめな発声や語尾のフェードなど、埋もれがちな部分を引き上げてくれるのが特徴です。
VO-TTでは各帯域でこの処理が行えるため、必要なニュアンスだけを自然に補強することができます。
このおかげで、ボーカルが一貫して聞き取りやすくなり、ミックスの中でも埋もれにくくなります。
- 語尾が消えかかる部分や、ささやくような声を補強できる
- 録音時の距離感や発声ムラを自然に整えられる
- 声の粒立ちを保ったまま、全体の密度を上げられる
- 必要以上に持ち上げるとノイズも拾いやすくなるため調整は控えめに
- リードボーカルだけでなく、ハモリにも有効な処理
Nullステージ:処理しない帯域を作る意味
Nullステージは、VO-TT独自の考え方で、ダイナミクス処理を一切加えない範囲を意図的に設けるセクションです。
ここに設定された領域の信号は、エクスパンダーやコンプレッションの影響を受けず、そのままの音量で出力されます。
これは、「処理しないことで自然さを保つ」ための機能であり、特にニュアンス重視のボーカルでは重要な役割を果たします。
その結果として、過度な圧縮による不自然さを避け、原音の表情や抑揚を活かしたミックスが可能になります。
- あえて処理を加えない帯域を残すことで、原音の自然さを保てる
- フラットな音量帯を維持することで、過度な音圧感を防げる
- 演出ではなく「素材の良さ」を活かしたいときに便利
- 声の感情表現や空気感を損なわずに保つことができる
- 全帯域に均一な圧縮をかけないことで、より立体的な音像になる
Downward Compression:飛び出した音を整える処理
Downward Compressionは、一般的によく知られているコンプレッサーの動作で、一定以上の音量を超えた信号を圧縮し、抑える役割を持ちます。
VO-TTでは、この処理が各帯域に細かく適用できるため、特定の帯域だけが突出するのを防ぎながら、全体のバランスを整えることが可能です。
この処理により、耳に刺さる高音や、突発的なピークによる違和感を抑え、安定した聴き心地に仕上げることができます。
- 張り上げた声や力強い発声時のピークを自然に抑えられる
- サビなどで急に音圧が上がる場面でも安定感を保てる
- 「暴れる帯域」を制御することで、EQ処理を最小限にできる
- 特定の帯域だけを狙って処理できるため、声の個性は損なわない
- 押しつけがましくないナチュラルな仕上がりが実現しやすい
12種類のスタイルで即戦力!VO-TTのプリセットの実力
VO-TTには、ボーカルのジャンルや声質に合わせた12種類のスタイルプリセットがあらかじめ用意されています。
これらは単なるEQやコンプレッサーの設定ではなく、内部の複数パラメータを複雑に組み合わせたチューニングが施されており、ワンクリックで最適な処理が適用されるのが魅力です。
そのため、初心者でも悩まずに使えるだけでなく、プロでも時短ツールとして即戦力になります。
好みに応じて細かい調整も可能なので、プリセットを起点に自分の理想の音作りができる点もポイントです。
- 音楽ジャンルごとに最適化されたスタイルを簡単に選べる
- 「透明感」「太さ」「明瞭さ」などの方向性に応じた設定が選べる
- 細かな知識がなくても高品質な処理結果を得られる
- スタイルを切り替えるだけで声のキャラクターが一変することもある
- プリセット後に個別の帯域処理で微調整も可能
各プリセットスタイルの特徴と選び方
VO-TTに搭載されている12種類のスタイルプリセットは、それぞれ異なる音響処理が施されており、声の質感や表現の方向性を瞬時に変えることができます。
各プリセットはジャンルや使用目的に応じてチューニングされているため、どれを選べばよいか分からない方は「どう聴かせたいか?」を基準に選ぶのがおすすめです。
このように、目的や声質に合ったスタイルを選ぶことで、無駄な調整をせずに理想のサウンドに近づけます。
- Smooth:
滑らかでナチュラルな仕上がり。
ポップスやナレーション向き - Crisp:
明瞭でシャープな音質に。
歯切れのよいボーカルにおすすめ - Thick:
中低域が強化され、太く存在感のある声に。
ロックや男性ボーカル向き - Airy:
高域をふわっと持ち上げて、透明感と抜け感を演出 - Warm:
柔らかく包み込むようなトーン。
落ち着いた曲やバラードに最適 - Aggressive:
力強く前に出る印象。
ラップやエネルギッシュな楽曲に - Clean:
不要なノイズを除去しつつ、自然なニュアンスをキープ - Bright:
明るく抜けの良いトーンに調整。
中高域を中心に強調 - Balanced:
全帯域が均一に処理され、ジャンルを問わず使いやすい - Retro:
中域にクセを持たせたビンテージライクな質感 - Hi-Fi:
高解像度かつ広がりのあるサウンド。
上品な印象に - Dry Boost:
原音重視ながら少しだけ持ち上げる、微調整用のスタイル
VO-TTの使い方:効果的な設定と活用方法
VO-TTは、シンプルな操作性ながら、慣れてくるとかなり細かな調整もできる奥深いプラグインです。
初めて使う方でも、スタイルプリセットを選んだ後に数カ所のパラメータを動かすだけで、十分実用的なボーカルサウンドに仕上げることができます。
このおかげで、プリセット頼りにならずに自分の意図した音作りが可能になり、細部までこだわったボーカル処理がスムーズに進みます。
- スタイルを選ぶ:
まずは12種類のプリセットから、楽曲に合うものを選択 - Amount(処理量)を調整:
圧縮や拡張の強さを全体的にコントロール可能。初期値から±20%程度で微調整がおすすめ - Time(タイミング)を調整:
アタックとリリースの速さを調整して、自然な反応に仕上げる - Mix(原音とのブレンド)を調整:
効果をかけすぎず、原音の良さも残したバランスに調整可能 - バンド単位の調整:
各帯域の出力や処理の強さを微調整して、より細かくニュアンスを調整
パラメータ調整の基本とおすすめ設定例
VO-TTは、直感的なUIながらも細かい調整が可能で、プリセットに頼らず自分好みの音を作ることができます。
特に「Amount」「Time」「Mix」は全体のキャラクターを決める重要なパラメータであり、それぞれの意味と活かし方を知っておくことで、調整の幅が一気に広がります。
このことから、最初は控えめな調整で変化を確認しながら進めると、効果が自然に馴染みやすくなります。
- Amount(処理の強さ)
→ 全体のダイナミクス処理量をまとめて調整するノブ。
初期値は50%、強調したいときは60〜80%、自然さを重視したいときは30〜40%程度が目安です。 - Time(アタック&リリース速度)
→ 各処理の応答速度を一括で変更。
テンポの速い曲やラップはやや速め(40〜70%)、バラード系はゆったり目(80〜100%)に設定すると馴染みやすくなります。 - Mix(原音と処理音のブレンド)
→ 効果をどれだけ聴かせるかのバランス。
60〜80%にすると「かかりすぎず自然」、10〜30%は「ほぼ原音を活かす」方向になります。 - バンドごとの出力ゲイン
→ 特定の帯域が強すぎたり弱すぎたりする場合に、個別に音量を補正するのがポイント。
耳で聴いて気になる箇所を重点的に調整しましょう。 - Solo/Mute機能
→ 各帯域の処理を一時的に個別確認したいときに便利。
ミックスの中で影響が大きい帯域を見極めやすくなります。
ライブ・配信時のレイテンシーや安定性について
VO-TTは、ライブ演奏や配信といったリアルタイム処理の現場でも安心して使えるように、ゼロレイテンシー設計が採用されています。
一般的なダイナミクス系プラグインでは、レイテンシー(遅延)が発生することがありますが、VO-TTはその影響が一切ありません。
このおかげで、ボーカルパフォーマンスをリアルタイムで処理しても違和感がなく、ストレスのない環境を実現できます。
- ゼロレイテンシー設計
→ 演奏中や配信中に使用しても、音の遅れが一切発生しません。
シームレスなパフォーマンスが可能です。 - CPU最適化済み
→ 処理が軽く設計されており、他のプラグインと併用しても安定動作します。
ノートパソコンでも十分に運用可能です。 - L/R・M/Sステレオ処理対応
→ 配信などで広がりのあるステレオ音像を作る場合にも柔軟に対応。
ボーカルのセンター感を保ちながら空間処理が行えます。 - Undo/Redo・A/B切替機能付き
→ パラメータの変更履歴が残るため、現場でも安心して試行錯誤できます。
他のOTT系プラグインとの違いを比較
VO-TTは「OTT系」というカテゴリに属するプラグインですが、一般的なOTTと比べてボーカル特化型という大きな違いがあります。
多くのOTTプラグインはシンセサウンドやドラムなど、広域な音素材を対象にしており、ボーカル処理においては「かかりすぎる」「不自然になる」といった課題がありました。
この点で、VO-TTは構造そのものがボーカルに最適化されており、直感的にナチュラルな処理を行える点が他製品との差別化ポイントです。
- 目的の違い
→ 通常のOTT:EDMやシンセ向けに設計。
→ VO-TT:ボーカルの持つ周波数特性とダイナミクスに最適化。 - 帯域の分け方
→ 通常のOTT:高・中・低の3帯域。
→ VO-TT:Air・Presence・Clear・Warm・Bodyの5帯域でより細かい調整が可能。 - 処理の自然さ
→ 通常のOTT:極端な効果が出やすい(特に高音が強調されがち)。
→ VO-TT:12スタイル+手動調整で自然かつ柔軟な音作りができる。 - 用途の汎用性
→ 通常のOTT:用途が狭く、設定次第で破綻することもある。
→ VO-TT:プリセットと調整機能により、ナレーション〜ライブ用途まで幅広く対応。 - リアルタイム処理への対応
→ 通常のOTT:レイテンシーが発生しがち。
→ VO-TT:ゼロレイテンシー設計で配信・ライブにも安心。
VO-TT vs OTT(Ableton)
Ableton Liveに標準搭載されている「OTT」プリセットは、多くの音楽制作者にとっておなじみのマルチバンドコンプレッサーです。
特にEDM系では人気のエフェクトですが、ボーカル処理にそのまま使うと「音がキツすぎる」「不自然に聞こえる」といった問題が起こりやすいのも事実です。
一方、VO-TTはこのOTTの原理をベースにしつつ、ボーカル専用に調整・再設計されています。
そのため、使い勝手や音の仕上がりの面で大きな差が生まれます。
- ターゲット用途
→ OTT(Ableton):シンセ、ドラム、全体のマスタリング向け。
→ VO-TT:ボーカルのために設計された専用プロセッサー。 - 調整の柔軟性
→ OTT(Ableton):パラメータが少なく、内部の挙動が見えにくい。
→ VO-TT:5バンド×4ステージ構成で、視覚的にも直感的にも調整しやすい。 - プリセットの存在
→ OTT(Ableton):1つの固定プリセット。
→ VO-TT:12スタイルプリセット+手動での微調整が可能。 - 音質の方向性
→ OTT(Ableton):アグレッシブで派手な音に仕上がる傾向。
→ VO-TT:ナチュラルかつ存在感のあるボーカルに整う。 - リアルタイム性能
→ OTT(Ableton):使用環境によってはレイテンシーが発生。
→ VO-TT:ゼロレイテンシー対応でライブ・配信にも即応。
VO-TT vs その他のOTT系プラグイン
VO-TTと他社製のOTT系プラグインを比較すると、その差は「汎用性」ではなく「専門性」にあります。
多くのOTT系プラグインは、AbletonのOTTを再現または拡張した設計で、用途もジャンルも幅広く対応しますが、ボーカルに特化した機能は備わっていないことがほとんどです。
VO-TTは、そのアプローチとは真逆で、「ボーカルのためだけに作られた」設計思想が徹底されており、音楽制作におけるボーカル処理の質をワンランク引き上げてくれる存在です。
- 汎用型 vs 専門特化型
→ 他社OTT系:シンセやドラム、ループ処理など多用途に対応。
→ VO-TT:ボーカル専用に最適化。迷いなく使える。 - 操作性の違い
→ 他社OTT系:ノブが多く、パラメータの意味が複雑になりがち。
→ VO-TT:スタイル+視覚的UIで、初心者でも扱いやすい設計。 - 音のキャラクター
→ 他社OTT系:設定次第で強烈なエフェクトにも。上級者向け。
→ VO-TT:自然な補正を中心に、ナチュラルな仕上がりを重視。 - 帯域処理の自由度
→ 他社OTT系:3バンド固定が主流。
→ VO-TT:5バンド個別処理+ソロ/ミュート機能で細やかな制御が可能。 - 価格と導入のしやすさ
→ 他社OTT系:高機能な分、価格帯が高めのものも。
→ VO-TT:導入しやすい価格と軽快な動作で、環境を問わず使える。
VO-TTのレビューとビフォーアフター
VO-TTを実際の制作環境で使用してみると、まず感じるのは「仕上がりまでが早い」という点です。
プリセットを選び、わずかな調整をするだけで、ボーカルの存在感がしっかり前に出て、ミックス全体のまとまりが一気に良くなります。
特にボーカル処理が苦手な方にとっては、時間短縮だけでなく精神的な負担も軽減されるはずです。
このように、VO-TTは「迷いにくさ」「仕上がりの良さ」「作業効率」の3拍子が揃った実用的なツールだと実感しました。
- プリセットを選んだだけで、ボーカルの芯がハッキリして明瞭度がアップ
- 軽くAmountを調整するだけで、声の厚みと空気感が自然にまとまった
- ハモリにも使ってみたが、透明感が増して主旋律を邪魔しない仕上がりに
- 特にエアー帯域の扱いが繊細で、刺さらず自然に抜ける高域が作れた
- 他のOTT系では出せなかった、ナチュラルで立体的な声が簡単に実現できた
実際の音変化:処理前と処理後の比較
VO-TTは、見た目のシンプルさとは裏腹に、処理結果は非常に明確で実用的です。
特に処理前と処理後を聴き比べると、その違いは一聴してわかるほど。過剰なエフェクト感はなく、それでいて「ボーカルが前に出てくる感覚」や「輪郭の明瞭さ」がしっかり得られます。
そのため、原音の良さを活かしたい場面でも使いやすく、調整次第でナチュラルにもアグレッシブにも対応できます。
- 処理前:音量のばらつきが目立ち、語尾が埋もれやすい
→ 処理後:語尾までしっかり聴こえ、フレーズ全体のバランスが安定 - 処理前:高域がやや刺さる、抜けはあるが耳疲れする
→ 処理後:Air帯域が整えられ、透明感は残しつつも滑らかな高域に - 処理前:ボーカルが他の楽器とぶつかり、埋もれがち
→ 処理後:声の芯が浮き出て、トラックの中でしっかり前に出る - 処理前:ハモリが濁って聞こえ、主旋律と干渉する
→ 処理後:ハモリに空間ができ、主旋律との分離感が良くなる - 処理前:全体にまとまりがなく、素人っぽい印象
→ 処理後:プロっぽい「まとまった声」に変化し、完成度が一段階アップ
こんな人におすすめ!VO-TTが特に役立つ場面とは
VO-TTは、「プロっぽいボーカルミックスがしたいけど、難しい処理は避けたい」という方にこそ最適なプラグインです。
プリセットとシンプルなパラメータで瞬時に理想の音を作れるため、初心者はもちろん、時短したいプロにも頼れる存在です。
このように、VO-TTは用途やスキルレベルを問わず、幅広い制作環境で役立つ設計になっています。
- 歌ってみた・ボーカルミックス初心者の方
→ 難しい設定をせずに、自然で聞きやすい歌声に仕上げたい人にピッタリ - 配信・ナレーション・収録環境での即戦力が欲しい人
→ リアルタイム処理が必要な現場でも、ゼロレイテンシーで快適に使用可能 - 歌声の表現力をもっと引き出したい中級者
→ 各帯域ごとに細かく調整できるので、ニュアンスを活かしたミックスが可能 - 作業効率を重視するプロの現場でも
→ プリセットをベースにすぐ使える音が作れるため、時間短縮にも有効 - 他のOTT系で失敗経験がある人
→ 過剰になりがちな一般的なOTTとは違い、自然さと安定感を両立できる設計
システム要件
VO-TTは、最新のDAW環境はもちろん、比較的スペックが控えめなPCでも快適に動作するように設計されています。
インストールも簡単で、主要なプラグイン形式に対応しているため、ほとんどの制作環境にそのまま導入可能です。
対応OSと必要スペック
- 対応OS:
→ macOS 11 以降(Intel または Apple Silicon 対応)
→ Windows 8 以降(64bit) - CPU:
→ Intel / AMD(SSE 4.1対応)または Apple Silicon(M1 / M2 / M3) - メモリ:
→ 最低 4GB RAM(推奨は8GB以上) - ディスク容量:
→ プラグイン1つあたり約100〜300MBの空き容量が必要 - プラグイン形式:
→ VST2 / VST3 / AU / AAX(すべて64bit対応) - その他:
→ 高DPIディスプレイ(macOS Retina / Windows 高解像度)に対応
→ ネット接続:アクティベーション時のみ必要(オフライン認証も可)
まとめ:【3/31まで 35%OFF】Three-Body Technology「VO-TT」たった数クリックで完璧なボーカルサウンドへ!OTTの概念を完全に書き換える、ボーカル専用に最適化された多帯域ダイナミクスプロセッサー|DTMプラグインセール
今回の記事では、Three-Body Technologyが提供するボーカル専用プラグイン「VO-TT」について詳しくご紹介しました。
以下に要点をまとめます。
- VO-TTはOTTの概念をベースに、
ボーカル専用に再設計されたダイナミクスプロセッサー - 5つの周波数帯と4つの処理ステージで、
細かく声の質感をコントロール可能 - 12種類のスタイルプリセットで、
ジャンルに応じた即戦力の設定が選べる - ゼロレイテンシー対応で、
ライブ・配信にもストレスなく使用可能 - 導入・設定も簡単で、
初心者〜プロまで幅広く使える設計
VO-TTは、単なるエフェクトではなく「誰でもプロのようなボーカルミックスができるようにする」ための実践的なツールです。
難しい調整に悩む前に、まずは一度試してみてください。
たった数クリックで、あなたの歌声が見違えるように変化します。

