
音楽制作で「音の位置」や「奥行き感」をリアルに再現したい。
そんなときに活躍するのが、Parallax AudioのVirtual Sound Stageです。
従来のパンやリバーブでは表現しきれなかった“空気感”を、自然な操作で作り出せるのが最大の魅力です。
Virtual Sound Stage:音場をリアルに再現するプラグイン

Virtual Sound Stage(VSS)は、Parallax Audioが開発した革新的な音響空間シミュレーション・プラグインです。
DAW(Digital Audio Workstation)上でミキシングを行う際、仮想的に“演奏者がステージのどこに立っているか”を正確に配置し、リアルな立体感と奥行きを生み出します。
VSSは単なるリバーブではなく、音の定位・距離感・空間特性を自然に再現することを目的としています。
Virtual Sound Stageの特徴

Virtual Sound Stageの特徴は、以下の通りです。
実際のホールを再現した音響空間

VSSは、現実のコンサートホールや録音スタジオの音響特性をベースに設計されています。
開発チームは、複数の実際のホールで収録したインパルスレスポンス(IR)データを解析し、ステレオ環境で自然に響く音場を再現しています。
- リアルな反射音シミュレーション
初期反射(early reflections)や残響(reverb tail)を詳細にモデリングし、音源の位置による響き方の違いを忠実に再現。 - 正確な空間定位
音を「左・右」だけでなく「前後」「奥行き」方向に配置でき、リスナーが“ステージの前にいる”ような感覚を作り出します。
ドラッグ&ドロップで音源を配置
VSSの操作は非常に直感的です。
マウスで音源をドラッグし、ステージ上の任意の位置に配置するだけで、音の定位と距離感が自動的に設定されます。
- 2Dステージビュー
視覚的なステージマップ上で、音源を動かすだけでリアルタイムに音の変化を確認可能。 - 即座に反映されるパラメータ
距離や角度を変えると、反射音やEQバランスも自動調整されるため、ミキシング中に迷うことがありません。
リアルなマイク・ポジション設定
VSSは単に音源の位置を変えるだけでなく、「どこで録音されているか」を再現するためのマイク設定も備えています。
- メインマイク・スポットマイク対応
実際のクラシック録音現場のように、メインマイクを中心に据え、必要に応じてスポットマイクを追加可能。 - バイノーラル再生に最適化
ヘッドホン環境でも空間の立体感を自然に感じられるよう、バイノーラル処理を考慮した設計。
他のリバーブやパンナーとの併用が可能
VSSは、既存のリバーブやステレオイメージャーと干渉しにくいように設計されています。
- ドライ音を残したまま空間感を追加
リバーブの上に「音源位置のリアリズム」を重ねるイメージで使用可能。
これにより、既存のプロジェクトに簡単に統合できます。 - DAW内での柔軟なルーティング
各トラックにVSSを個別に適用するほか、バスやグループ単位での処理にも対応。
CPUに優しい軽量設計
複雑な音響計算を行いながらも、VSSは非常に軽量に動作します。
- 効率的なDSP処理により、複数トラック同時使用も可能。
- ライブ演奏やリアルタイムミキシングでもストレスなく動作。
- メモリ使用量も最適化されており、大規模プロジェクトでも安定。
Virtual Sound Stageの使い方
- トラックにVSSをインサート
- 各音源トラックにVSSを挿入。
- 音源の種類に応じてプリセットを選択。
- ステージ上に音源を配置
- 2Dビューで楽器をドラッグして、希望の位置に配置。
- 視覚的にステージのレイアウトを確認。
- マイク設定を調整
- メインマイクとスポットマイクのバランスを設定。
- ステレオ幅や奥行きの調整が可能。
- ミックス全体の空間バランスを確認
- 複数の音源を配置した後、全体の定位バランスをチェック。
- 必要に応じて他のリバーブやEQを追加。
実際の使用シーン
VSSは、以下のようなシーンで特に効果を発揮します。
- オーケストラ音源の定位再現
弦楽器・管楽器・打楽器などをステージ上に自然に配置。
まるでホール録音のような空間感を実現。 - 映画やゲームのサウンドデザイン
シーンの奥行きや距離感を演出し、リスナーを包み込むようなサウンドを作成。 - ポップスやロックのミックス
ボーカルを中央に、ギターやドラムを立体的に配置し、クリアで迫力あるステレオイメージを作る。
バージョンと互換性
- 対応プラットフォーム:Windows / macOS
- 対応フォーマット:VST / AU / AAX
- 対応サンプリングレート:44.1kHz~192kHz
- 動作環境:主要なDAW(Cubase、Logic、Pro Tools、Studio Oneなど)で使用可能
VSSはオーディオエンジニアや作曲家だけでなく、ゲームサウンドデザイナーや映像音響クリエイターにも幅広く利用されています。
まとめ:Virtual Sound Stageは“音の奥行き”を自在に操るツール|DTMプラグインセール
Virtual Sound Stageは、「音源をどこに置くか」をリアルにコントロールできる数少ないプラグインです。
従来のパンニングやEQでは表現しきれなかった、“前後方向の深さ”や“空気感”を自在に再現します。
- 実際のホールを基にした空間シミュレーション
- ドラッグ&ドロップの直感的操作
- リアルなマイク設定と柔軟なルーティング
- CPU負荷の少ない軽量設計
これらの特徴により、Virtual Sound Stageは、ナチュラルなミックスを追求するすべての制作者にとって、非常に強力なツールといえるでしょう。