
VERTICESは、読み込んだ音を素材に、予測できない変化や動きを生み出せるオーディオツールです。
シーケンサーやマクロ、ランダマイズを組み合わせることで、音作りそのものを「演奏」のように楽しめます。
VERTICES:オーディオ・マニピュレーション・ツール

VERTICESは、音を大胆に変化させて楽しめるオーディオ・マニピュレーション・ツールです。
音楽クリエイターのAndrew Huangがコンセプトを考案し、Cycling ‘74との共同制作によって実現しました。
最大の特徴は、
読み込んだ音をマクロ操作やランダマイズ、独自のシーケンス構造によって、直感的かつ過激に変形できる点です。
さらに、
音に反応して動くビジュアライザーも搭載されており、見た目のスタイルも好みに合わせて調整できます。
VERTICESで作った音は、その場でオーディオファイルとして録音できます。
DAWでの楽曲制作はもちろん、サンプラー素材や動画制作などにもすぐ活用できます。
動作環境について
VERTICESを使用するには、以下の環境が必要です。
- Cycling ‘74のMax(バージョン8以上)
- Max for Liveでは動作しないため、スタンドアロン版のMaxが必要
Maxには体験版がありますが、
体験版ではパッチの編集内容を保存できない点に注意が必要です。
メインインターフェースの使い方
メインインターフェースの使い方は、以下の通りです。
音素材の読み込み
まず「Folder」ボタンをクリックし、音声ファイルが入ったフォルダを選択します。
- ドロップダウンメニューから音を選択可能
- 上下の矢印ボタンでサンプルを切り替え可能
波形表示部分をクリック&ドラッグすると、再生する音の範囲を手動で指定できます。
SEQトグルをオンにすると、この音の選択自体をシーケンサーで自動化できます。
再生スピード(RATE)
RATEは、音の再生スピードをコントロールします。
- RATE専用のシーケンサーを搭載
- MACROノブに接続することも可能
一定の速度変化だけでなく、リズミカルで予測不能な動きも簡単に作れます。
ピッチとキーボード操作
画面上のキーボードで、使用したいキーをオンにすると、ピッチシーケンサーで使われる音程の候補になります。
ここで重要なポイントがあります。
- ピッチシーケンサーは絶対的な音程を指定しない
- 選択したキーの中で
- 出力0が一番低い音
- 出力127が一番高い音
- 実際に聞こえる音程は
- サンプル内容
- RATE設定
によって変化
また、以下の条件を満たさないと音は鳴りません。
- キーが選択されていて、ピッチシーケンサーがオン
- もしくは、外部MIDI機器からMaxに信号が入っている
エンベロープとリバーブ
サンプル再生後の音は、ADSRエンベロープを通り、その後リバーブがかかります。
調整できる主な項目は以下の通りです。
- ATTACK
- DECAY
- SUSTAIN
- RELEASE
- リバーブのサイズや残響量
各パラメータには、
- Mボタン
- MACROノブに連動
- Xボタン
- 専用シーケンサーをオン
- ↗ボタン
- シーケンサー画面を開く
といった操作が用意されています。
プリセット機能
VERTICESには、13個のプリセット保存スロットがあります。
- Shift+クリックで現在の設定を保存
- 保存済みスロットは色が変化
- クリックするだけで即読み込み
音作りの試行錯誤を、気軽に行き来できる設計です。
シーケンサーの仕組み
VERTICESの中核とも言えるのが、ほぼすべてのパラメータに用意された強力なシーケンサーです。
基本構造
- SEQまたはXボタンでオン/オフ
- ↗またはOPENでシーケンサー画面を表示
すべてのシーケンサーは、共通したルールで動作します。
ステップ操作
- Xをクリック
- 黄色:ステップ有効
- グレー:無効
- 有効でも
- PROBABILITYが100未満だと発動しない場合あり
16本のスライダーで、各ステップの値を設定します。
スライダー下の丸印は、そのステップが発動したタイミングで点灯します。
PROBABILITYとRANGE
- PROBABILITY
- ステップが発動する確率を%で指定
- RANGE
- 出力値の最小値と最大値を設定
面白いポイントとして、最小値を最大値より大きく設定すると、値が反転し、意外性のある動きになります。
LENGTHとDIVISION
- LENGTH
- シーケンスの最終ステップを指定
- シーケンサーごとに独立
- DIVISION
- 何拍ごとにステップが進むかを設定
- 1の場合はBPMと同期
ランダマイズ機能
RANDOMパネルでは、以下の要素を個別、または同時にランダム化できます。
- ステップのオン/オフ
- ステップの値
- 出力レンジ
- 確率設定
中でも「TR SEQ OUT」は、複数要素を一気にランダム化できるお気に入り機能として紹介されています。
シーケンサーのプリセット
各シーケンサーにも、独立したプリセットスロットがあります。
- タイトルバーでオン/オフ切替
- 下部スロットにShift+クリックで保存
細かな動きを記憶しておけるため、複雑な変化も管理しやすくなっています。
グローバルコントロール
グローバルコントロールは、以下の通りです。
基本操作
- On / Off
- オフにすると即座に音を停止
- Record
- クリックするとすぐ録音開始
- 保存名と場所を指定
DRY / WET
- DRY
- リバーブ前の音量
- WET
- リバーブ音量
リバーブ出力をシーケンサーやMACROで動かしていても、全体のバランスを取りやすい設計です。
BPMとMACRO
- BPM
- 数値をドラッグして変更
- MACROにリンク可能
MACROノブは、複数のパラメータを同時に操作できます。
- MまたはMACROボタンで接続
- シーケンサーと同時使用も可能
- MACRO操作が優先される
MACRO専用のシーケンサーも搭載されており、
- JUMP
- 値が即時変化
- GLIDE
- 徐々に変化
を切り替えられます。
グローバルシーケンス&ランダム
GLOBAL SEQ CONTROLでは、すべてのシーケンサーに一括変更を加えられます。
- 長さ
- 分割
- 確率
- 出力範囲
一気に音が変わるため、やり直しが効かない点には注意が必要です。
GLOBAL RANDOMでは、全シーケンサーを対象にランダム化が可能です。
- LEN
- DIV
- TRIG
- SEQ
- PROB
- OUT
- TR SEQ OUT
即興的な音作りに非常に向いています。
ビジュアライザー機能
VERTICESには、音に反応するビジュアライザーが搭載されています。
- 別ウィンドウで表示
- サイズ変更、フルスクリーン対応
動きは主に、
- 音量
- リバーブ量
- 低音と高音のバランス
に反応します。
表示設定
- ANTI-ALIASING
- 見た目を滑らかに
- FPS
- フレームレート調整
- ノブA・B・C
- 動きや形状の変化
- FG / BG
- 前景・背景カラー設定
音と視覚を同時に楽しめる点も、VERTICESならではの魅力です。
まとめ:Andrew Huang「VERTICES」サンプルを読み込むだけで音が予想外に変化する、シーケンサーとランダマイズを核にしたオーディオ・マニピュレーション・ツール|DTMプラグインセール
VERTICESは、サンプル再生・シーケンス・ランダマイズ・視覚表現を一体化させた、実験的なオーディオ操作ツールです。
細かな数値調整よりも、触りながら音が変わっていく感覚を重視した設計が特徴で、意図と偶然の間を行き来するような音作りができます。
DAW用の素材作りから、ライブ的な音遊びまで、使い方は自由です。
- 任意の音素材を読み込み、再生範囲や速度、ピッチを自在に変形できる
- 多くのパラメータに専用シーケンサーが用意されており、複雑な動きを簡単に作れる
- 確率やランダマイズによって、同じ設定でも毎回違う結果が得られる
- 複数の操作をまとめて動かせるマクロ機能により、直感的なコントロールが可能
- 音に反応して動くビジュアライザーを搭載し、視覚的な楽しさも備えている
- 作成した音をその場で録音し、他の制作環境へすぐ持ち出せる
決まった正解を目指すツールではなく、触るたびに新しい音の表情と出会える点こそが、VERTICESの一番の魅力です。
