
TMC FOBOSは、グループバスやミックスバス向けに設計されたサブミックス用プロセッサーです。
倍音付加、音楽的なEQ、Mid/Side処理を最小限の操作でまとめ、音を目立たせずに完成度を高めることを目的としています。
「少ない処理で、確かな変化」を重視するエンジニア向けのプラグインといえるでしょう。
価格:€50.00 → 無料配布
TMC FOBOS:グループバスやミックスバス専用に設計されたオーディオプロセッサー

TMC FOBOSは、グループバスやミックスバス専用に設計されたオーディオプロセッサープラグインです。
ミックスやマスタリング工程において、音を目立たせるためのエフェクトではなく、全体の完成度を静かに底上げすることを目的としています。
基本コンセプトは「透明性」と「少ない処理で最大の効果」。
不要なキャラクター付けや派手な変化を避け、音楽的な質感と明瞭さを保ったまま、密度と整理感を加える設計です。
使用を想定したポジション
TMC FOBOSは、単体トラック向けというよりも、まとめた音に対して使う前提で設計されています。
主な使用ポイント:
- ドラムバス
- 楽器グループ
- ボーカルバス
- ミックスバス
- 軽いマスタリング処理
音を作り込むというより、すでにできあがったバランスを崩さずに整える用途に向いています。
ハーモニクス処理の考え方
TMC FOBOSの中心となるのが、独自のハーモニクス(倍音)ジェネレーターです。
特徴は、第1次の偶数倍音または奇数倍音のみを生成するという点にあります。
偶数倍音(EVEN)
偶数倍音は、一般的に以下のような印象を与えます。
- 音に温かみや太さを加える
- 密度が増したように感じられる
- 音楽的で自然な歪みとして知覚されやすい
TMC FOBOSでは、非対称サチュレーションによって第2次倍音のみを生成します。
波形の片側だけが強く変形するため、あるポイントから歪みが一気に立ち上がる性質を持ちます。
注意点:
- かけすぎると歪みが急に目立つ
- ヘッドルームが早く消費される
そのため、微量使用が前提となります。
奇数倍音(ODD)
奇数倍音は、以下のような方向性を持ちます。
- 明瞭さや輪郭を強調
- キャラクターが前に出やすい
- 存在感を自然に押し出す
こちらは対称サチュレーションによって第3次倍音のみを生成します。
テープやソフトリミッターに近い挙動で、変化がなだらかです。
特徴として:
- 聴感上の違和感が出にくい
- 圧縮に近い感覚で使える
- 位相バランスが崩れにくい
結果として、偶数倍音よりもコントロールしやすい傾向があります。
「少ない倍音」設計の理由
TMC FOBOSでは、高次倍音(5次、7次、9次など)を意図的に生成しません。
- 高次倍音はデジタル特有の荒さにつながりやすい
- 倍音同士の干渉によるIMD(相互変調歪み)を防ぐため
- ミックス全体の濁りを回避するため
第2次・第3次倍音は、人が音色として認識するうえで最も重要な成分です。
必要最小限に絞ることで、音の芯だけを太く、または明確にする設計となっています。
ゲインステージとメーター設計
TMC FOBOSは、倍音処理を行う以上、ゲイン管理が極めて重要とされています。
内蔵されている仕様:
- 入力・出力ともにLEDメーターを搭載
- 3dBFS刻みで-15dBFSから0dBFSまで表示
- 内部ダイナミックレンジは140dB以上
設計上のポイント:
- ノイズ、ヒス、クロストークのエミュレーションなし
- 信号が小さすぎても問題にならない設計
推奨される使い方:
- 入出力ともに黄色LED以下で運用
- ロゴが点灯する程度がスイートスポット
- 赤ゾーンへの到達やクリップは非推奨
極端なドライブを前提としたプラグインではありません。
内蔵EQセクションの特徴
TMC FOBOSには、音楽的な補正を目的としたEQが組み込まれています。
Lowバンド
- 棚型EQ
- Pultec EQP-1A系の挙動をベース
- 周波数選択:60Hz / 80Hz
- 1クリックにつき1dB増加
低域を持ち上げつつ、量感だけでなくまとまりを重視した設計です。
Highバンド
- Baxandallタイプの棚型EQ
- 周波数選択:20kHz / 30kHz
- 1クリックにつき1dB増加
空気感や抜けを足す用途が中心で、派手な高域強調には向いていません。
Mid / Side コントロール
ミックスバス用途を前提として、MidとSideを個別に調整可能です。
できること:
- センター成分の密度調整
- サイド成分の広がり感コントロール
- EQや倍音処理後のバランス微調整
使用時の注意:
- 最終的な音量補正は必須
- 変化はごく小さく留めるのが前提
プリセットと運用面
TMC FOBOSには、制作者によるプリセットが用意されています。
- 実用的なスタート地点として有効
- そのまま使うより、調整前提
- 自分のミックスに合わせて追い込むためのガイド
また、中央ロゴからプラグイン全体のオン・オフ切り替えも可能です。
TMC FOBOSが向いている人
向いている使い方:
- ミックス後半の整理
- バス処理の最終調整
- マスタリング前の質感統一
向いていない使い方:
- 派手な歪み演出
- 強烈な音色変化
- トラック単体でのキャラクター付け
まとめ:The Mars Citizen Studios「TMC FOBOS」音を派手に変えず、ミックス全体の完成度だけを確実に引き上げる、グループバス専用に設計されたバスプロセッサー|DTMプラグインセール
TMC FOBOSは、音を派手に変えるためのツールではありません。
ミックス全体のバランスや質感を壊さず、静かに整えるための設計が一貫しています。
特にバス処理や最終段での微調整において、本領を発揮します。
- 倍音は第1次の偶数または奇数のみを生成
不要な高次倍音を排除し、濁りやデジタル感を抑えた処理が可能 - 偶数・奇数で性質の異なるサチュレーション
密度を足す方向と、明瞭さを出す方向を明確に使い分けられる - 音楽性を重視した棚型EQ
低域と高域のみを扱い、全体のトーンを自然に補正 - Mid / Side調整を搭載
センターと広がりを個別に整え、ミックスの立体感を微調整できる - 透明性を前提とした設計
処理していることが前に出ず、完成度だけが上がる方向性
TMC FOBOSは「最後に触るプラグイン」として信頼できる存在です。
音を足しすぎず、削りすぎず、ミックスを一段階引き締めたい場面で力を発揮します。
価格:€50.00 → 無料配布
