
ミックスやマスタリングでは、耳だけでなく数値による確認も重要です。
Spectrum Analyzerは、周波数バランスやラウドネス、True Peak、ステレオの位相状態まで可視化できるオーディオ解析プラグインです。
音を加工せず、現在のサウンドを正確に把握したい場面で活躍します。
Dusk Audio Spectrum Analyzer:無料で使える高機能スペクトラムアナライザー

音作りやミックス、マスタリングでは「耳で聴くこと」が大切です。
しかし、耳だけでは判断しにくい周波数バランスやラウドネス、位相の問題もあります。
そんなときに役立つのが、Dusk Audioの「Spectrum Analyzer」です。
Spectrum Analyzerは、リアルタイムFFT解析、LUFSラウドネスメーター、True Peakメーター、ステレオ相関メーターなどを搭載した本格的な解析プラグインです。
音を加工するためのプラグインではなく、現在のオーディオ信号を正確に可視化するための分析ツールとして設計されています。
Spectrum Analyzerの特徴
Spectrum Analyzerには、ミックスやマスタリングに役立つ分析機能が数多く搭載されています。
- リアルタイムFFTスペクトラム表示
- LUFSラウドネスメーター
- True Peak検出
- ステレオ相関メーター
- K-Systemメーター
- Mid/Side解析
- チャンネルルーティング機能
- ピークホールド機能
- サイズ変更可能なUI
単なるスペクトラム表示ツールではなく、音量管理やステレオイメージの確認まで行える総合的なメータリングプラグインです。
FFTスペクトラム表示
Spectrum Analyzerの中心機能です。
リアルタイムで周波数分布を確認できます。
主な機能は以下の通りです。
- FFT解像度を2048 / 4096 / 8192から選択可能
- スムージング調整
- スロープ補正
- 表示レンジ変更
- ピークホールド表示
- ピークホールド減衰時間の設定
FFT解像度を高くすると低域の解析精度が向上します。
一方で画面更新速度はやや低下します。
通常は4096がバランスの良い設定です。
8192では約30Hz付近の倍音構造まで細かく確認できます。
LUFSラウドネスメーター
配信サービス向けのラウドネス管理に欠かせない機能です。
EBU R128規格に準拠しています。
表示できる項目は次の4種類です。
- Momentary(400ms)
- Short-term(3秒)
- Integrated
- LRA(Loudness Range)
特にIntegrated LUFSは楽曲全体のラウドネスを確認する際に重要です。
再生開始から停止せずに最後まで流すことで、正確な値を取得できます。
True Peak検出
True PeakメーターはITU-R BS.1770-4規格に準拠しています。
通常のピークメーターでは見つけにくいインターサンプルピークも検出できます。
主な特徴はこちらです。
- 4倍オーバーサンプリング
- 0dBTP超過時にクリップ表示
- マスタリング時の安全確認に便利
特に配信サービス向けのマスター作成では重要な機能です。
True Peakが高すぎる場合、エンコード時に歪みが発生する可能性があります。
ステレオ相関メーター
ステレオの位相状態を確認できます。
相関値は以下の範囲で表示されます。
- +1:完全モノラル
- 0:相関なし
- -1:逆相
カラー表示も用意されています。
- 緑:正常
- 黄:低相関
- 赤:位相問題の可能性あり
モノラル再生時の音痩せや位相トラブルを事前に発見しやすくなります。
Mid/Side解析に対応
ヘッダー部分から解析対象を切り替えられます。
選択可能なモードは以下の通りです。
- Stereo
- Mono
- Mid
- Side
Midでは中央成分のみを確認できます。
Sideでは左右差分のみを確認できます。
例えば以下のような分析が可能です。
- ボーカルやキックが中央に配置されているか
- ステレオの広がりが適切か
- 低域がサイドに広がりすぎていないか
ミックスのステレオ設計を確認する際に非常に便利です。
ミックスでの活用方法
ミックス全体の周波数バランスを確認する用途に適しています。
推奨設定は次の通りです。
- FFT Resolution:4096
- Slope:4.5 dB/oct
- Smoothing:0.7
- Peak Hold:ON
- Peak Hold Time:5秒
4.5dB/octのスロープを使用すると、ピンクノイズ基準で見やすい表示になります。
低域ばかりが目立たなくなり、中高域とのバランスを把握しやすくなります。
確認ポイントは以下の通りです。
- 60Hz〜10kHzが比較的均一に見えるか
- 50〜100Hz付近に適度なキックの山があるか
- 12kHz以上が自然に減衰しているか
- 特定周波数だけ突出していないか
6dB以上飛び出したピークは不要な共振である可能性があります。
マスタリングでの活用方法
マスタリングではラウドネスとピーク管理が重要です。
推奨設定はこちらです。
- FFT Resolution:8192
- Slope:0
- K-System:K-14
- Display Min:-100dB
- Display Max:0dB
FFTを8192にすると低域の解像度が向上します。
以下のような問題を発見しやすくなります。
- 50Hz・60Hzのハムノイズ
- 不要な超低域
- サブベースの偏り
True PeakとLUFSを同時に確認しながら最終調整を進められます。
便利な設定項目
Spectrum Analyzerでは表示を細かくカスタマイズできます。
FFT Resolution
周波数解析の解像度です。
- 2048:反応速度重視
- 4096:標準設定
- 8192:高精度解析
Smoothing
スペクトラムの揺れを平滑化します。
- 0:変化をそのまま表示
- 1:大幅に平滑化
Slope
表示を傾ける機能です。
音は変化しません。
表示のみ調整します。
Decay Rate
ピークが下がる速度です。
数値が小さいほどピークを長く保持します。
Peak Hold
各周波数帯の最大値を保持します。
ピークの確認に便利です。
注意点
正しく使うために知っておきたいポイントがあります。
- プラグインは音を変化させない
- 表示専用の解析ツール
- Mid/Sideモードはモニタリング用
- Slopeは表示のみ変更
- LUFS Integratedは連続再生が必要
- 相関メーターは小音量時に不安定になる場合がある
特にLUFS測定では再生停止を繰り返さないことが重要です。
対応フォーマット
対応フォーマットは、以下の通りです。
Windows
- VST3
macOS
- VST3
- AU
Linux
- VST3
- LV2
主要なDAW環境で利用できます。
動作環境
動作環境は、以下の通りです。
Windows
- Windows 10以降
macOS
- macOS 10.13 High Sierra以降
Linux
- Debian 12以降
- Ubuntu 22.04以降
- Fedora 36以降
また、64bit対応DAWが必要です。
まとめ:Dusk Audio「Spectrum Analyzer」FFTスペクトラム解析・LUFSメーター・True Peak検出を搭載した高機能オーディオ分析プラグイン|DTMプラグインセール
Spectrum Analyzerは、周波数解析だけでなくラウドネス管理や位相チェックまで行える高機能なオーディオ解析プラグインです。
特に次のような用途で活躍します。
- ミックスの周波数バランス確認
- マスタリング時のLUFS測定
- True Peak管理
- ステレオイメージ分析
- Mid/Side解析
- 位相トラブルの発見
音を加工するプラグインではありません。
その代わり、現在の音がどうなっているのかを正確に把握できます。
耳による判断を数値と視覚情報で補強したい方にとって、非常に実用的な分析ツールです。
