
音楽制作において、コンプレッションは音のまとまりを作る重要な工程です。
しかし、強く圧縮しすぎると歪みやノイズが発生し、音質が損なわれてしまいます。
この記事では、Richterの機能や使い方を詳しく解説し、どのように活用できるのかを紹介します。
CONTENTS
Richter – 高品質なコンプレッションを実現するプラグイン

Richter(リヒター)は、Klevgrandが開発したコンプレッサー・プラグインで、強力な圧縮を実現しながらも、音質の劣化を最小限に抑えることができます。
一般的に、音を強く圧縮すると歪みやジッパーノイズ(デジタルノイズ)が発生しがちですが、Richterは独自のアルゴリズムを採用し、スムーズかつパワフルな圧縮を提供します。
特に以下のような用途に適しています。
- ミックス全体のダイナミクスを整える
- ドラムのパンチを強調する
- ボーカルをクリアで自然なサウンドにする
- 低域や高域を強調し、より立体的な音像を作る
Richterの3つの特徴

Richterの3つの特徴を解説します。
1. 直感的な操作が可能
- 「Amount(圧縮量)」と「Transients(トランジェント)」の2つの主要パラメータで簡単に調整可能
- 「Amount」:圧縮の強さを決定(0% 〜 100%)
- 「Transients」:トランジェント(音の立ち上がり)の量を調整
- 「Boost」スイッチで、よりアグレッシブなコンプレッションを適用可能
- 視覚的に理解しやすいインターフェースで、初心者でも簡単に扱える
2. 高品質なコンプレッション
- 独自のアルゴリズムにより、音の歪みやジッパーノイズを防ぐ
- 強い圧縮をかけても、原音の質感を保ちつつ自然なサウンドを維持
- パンチのあるドラムやスムーズなボーカル処理が可能
3. 柔軟なサウンド調整が可能
- Makeup Gain(音量補正)、Dry/Wetミックス、EQ(低音・高音調整)を搭載
- プリセット機能を活用し、瞬時に設定を切り替え可能
- 入力音量、出力音量の細かな調整が可能で、ミックス全体のバランスを取りやすい
Richterの使い方:各機能の詳細解説

ここでは、Richterの各機能についてより詳しく解説していきます。
各セクションの役割や調整方法、使用時のポイントなどを細かく説明するので、Richterを最大限に活用するための参考にしてください。
A. Signal In(入力セクション)
1. Trim(トリム)
概要
- 入力信号の音量を調整する機能で、-18dB から +18dB の範囲で設定可能。
- コンプレッションの前段階で適切なレベルに調整するためのパラメータ。
使用方法
- 入力音が小さすぎる場合 → Trimを上げて適切なレベルに調整。
- 入力音が大きすぎてクリッピングしそうな場合 → Trimを下げて歪みを防ぐ。
- インジケーターの確認
- 緑色に点灯 → 最適な入力レベル
- 赤色に点灯 → 過大入力(クリッピングの可能性)
ポイント
- 適切な入力レベルを設定することで、コンプレッサーの動作が安定する。
- クリッピングを防ぐために、できるだけインジケーターが緑色の範囲に収まるように調整する。
B. Compression(コンプレッションセクション)
1. Transients(トランジェント)
概要
- 音の**アタック(立ち上がり)**をどの程度維持するかを決定するパラメータ。
- 高く設定するとトランジェントが強調され、低く設定するとより滑らかな音になる。
使用方法
- トランジェントを強くしたい場合 → 値を高く設定(例:ドラムのアタック感を強調)
- トランジェントを抑えて滑らかな音にしたい場合 → 値を低く設定(例:ボーカルの滑らかさを強調)
ポイント
- ドラムやパーカッションに対して高めに設定すると、リズムのアタックが際立つ。
- ボーカルやストリングスなどに対して低めに設定すると、なめらかで心地よい音になる。
2. Amount(圧縮量)
概要
- コンプレッションの強さを決めるパラメータ。
- 0%(圧縮なし)から100%(最大圧縮)まで設定可能。
- 値を高くするほど音のダイナミクスが抑えられ、均一な音になる。
使用方法
- ダイナミクスを抑えたい場合 → 高めに設定(例:ボーカルをミックスに馴染ませる)
- 自然なダイナミクスを残したい場合 → 低めに設定(例:ジャズやアコースティック音源)
ポイント
- ダブルクリックでデフォルト値にリセット可能。
- 圧縮をかけすぎると音がつぶれてしまうので、用途に応じて適切に調整する。
3. Boost(ブースト)
概要
- 圧縮の適用範囲を広げるためのスイッチ。
- 「Less」モード → 最大圧縮量を制限し、よりナチュラルな圧縮を実現。
- 「More」モード → 最大圧縮量を拡張し、より強いコンプレッションを実現。
使用方法
- ナチュラルな圧縮を求める場合 → 「Less」を選択
- アグレッシブな圧縮をかけたい場合 → 「More」を選択
ポイント
- ドラムやEDMのベースラインなど、より強い圧縮を求める場合は「More」モードが適している。
- ボーカルやアコースティック楽器には「Less」モードのほうが自然な仕上がりになる。
4. Graph(グラフ)
概要
- コンプレッションの状態を視覚的に確認できるグラフ。
- 白い線 → 圧縮量(dB単位で表示)。
- 灰色のエリア → 内部サイドチェイン信号。
ポイント
- リアルタイムでコンプレッションの動作を確認できるため、設定の参考にしやすい。
- 視覚的に圧縮の度合いを把握することで、より的確な音作りが可能。
C. Makeup & Mix(メイクアップゲイン&ミックスセクション)
1. Makeup(メイクアップゲイン)
概要
- 圧縮後に減少した音量を補正するためのゲイン調整(-12dB 〜 +12dB)。
使用方法
- コンプレッションをかけた後に音量が小さくなった場合に使用。
- 圧縮によって失われた音量を持ち上げ、適切なレベルにする。
ポイント
- 過度に上げるとクリッピングの原因になるので注意。
- コンプレッションとメイクアップゲインのバランスを取ることで、自然な音圧感を維持できる。
2. Dry/Wet(ドライ/ウェットミックス)
概要
- 圧縮前の音(ドライ)と圧縮後の音(ウェット)のバランスを調整するパラメータ。
- パラレルコンプレッション(圧縮音と原音をミックスする手法)に有効。
使用方法
- ドライ音を多めに残したい場合 → 値を低めに設定。
- ウェット音を強調したい場合 → 値を高めに設定。
ポイント
- ドラムやパーカッションに対して使用すると、アタック感を維持しつつ圧縮をかけられる。
- ボーカルに使用すると、自然な響きを残しながら圧縮できる。
D. EQ(イコライザーセクション)
1. Bass(低音調整)
概要
- 圧縮後の低音を強調または削減(-12dB 〜 +12dB)。
- 低域のバランスを調整し、ミックス全体の厚みを調整可能。
2. Treble(高音調整)
概要
- 圧縮後の高音を強調または削減(-12dB 〜 +12dB)。
- 高域を持ち上げることで、よりクリアなサウンドを実現。
E. Output(出力セクション)
- Output(出力音量)
- -∞ dB 〜 +6dB で調整可能
- 圧縮後の最終的な音量を微調整
F. Presets(プリセット機能)
- 工場出荷時のプリセットとユーザー作成プリセットを管理
- 保存・読み込み・エクスポートが可能
- 「Save as…」機能で新規プリセットを作成
- 外部ファイルからプリセットを読み込み可能
G. その他の機能
- G1. Plug-in Bypass(バイパス)
- プラグイン全体を無効化して、A/Bテスト(エフェクト適用前後の比較)が可能
- G2. Window Size(ウィンドウサイズ変更)
- ウィンドウサイズを調整可能(デスクトップ版のみ)
動作環境とライセンス情報
対応OS・プラグインフォーマット
スクロールできます
プラットフォーム | 対応OS | フォーマット |
---|---|---|
Mac | macOS 10.10以上 | AU/VST/AAX(64bit) |
Windows | Windows 7以上(SP1) | VST/AAX(64bit) |
iOS | iOS 13.0以上 | AUv3/Standalone |
まとめ:【終了日未定 無料配布】Klevgrand「Richter」高音質をキープしながらダイナミクスをコントロール!音圧を最大限に引き出し、パンチのあるドラムやクリアなボーカルを実現する初心者からプロまで満足できる高性能コンプレッサー|DTMプラグインセール
この記事では、Klevgrandのコンプレッサー・プラグインRichterについて詳しく解説しました。
以下にポイントをまとめます。
- 強力なコンプレッションを実現しながら、音の劣化を最小限に抑える
- 「Amount」と「Transients」の2つの主要パラメータで直感的に操作可能
- Boostスイッチでさらに強い圧縮を適用できる
- Dry/WetミックスやEQ機能を搭載し、柔軟な音作りが可能
- Mac、Windows、iOSに対応し、幅広い環境で使用できる
Richterは、パンチのあるドラムや透明感のあるボーカルを作るのに最適なコンプレッサーです。
初心者でも扱いやすく、プロのエンジニアにも満足のいく性能を提供します。ぜひ試してみてください。
