
音にアナログらしい深みや温かみを加えたい
でも、実機を揃えるのはコストも手間もかかる
そんな悩みを解決するのがプリアンプエミュレーション「Pyrite」です。
ドラムトラックを中心に幅広く使えるこのプラグインは、ただの再現にとどまらず、独自のEQやコンプレッション機能で音作りの可能性を広げてくれます。
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アナログな質感を加えるプリアンプエミュレーション「Pyrite」

Pyriteは、アナログ・プリアンプをエミュレーションしたVST/AUプラグインで、EQとコンプレッション機能も備えたソフトウェアです。
特にドラムサウンドに対しての相性が抜群ですが、他のトラックにも柔軟に活用できます。
Pyrite開発の背景
開発者は、Golden Age Pre-73 DLX Mk IIという実機を参考に、モデリングを試みました。
結果的にその実機が非常にリニア(直線的)で、飽和特性が限定的だったため、単なる再現では面白みに欠けると感じたようです。
そこで、以下のような追加機能を盛り込むことで、よりクリエイティブなサウンドデザインが可能なプラグインとして完成させました。
Pyriteの特徴的な信号処理構成
Pyrite内部では、以下の順番でオーディオ信号が処理されます。
- トランスフォーマー(変圧器)
- サチュレーション(歪み)
- コンプレッション
- EQ処理(ローカット、エアー、ローブースト)
- 出力トリミング
この構成は、UIから直感的に想像するものとは異なる場合があるので、正確な理解が重要です。
Pyriteの主な機能
Pyriteの主な機能は、以下の通りです。
チューニング可能なトランスフォーマー
- ローエンドをサチュレート(軽く歪ませる)する用途で活用。
- 入力段階でのハイパスフィルターとしても利用可能。
アナログ風サチュレーション
- ソフトニーとハードニーの2種類を選択可能。
- オリジナル機材のモデリング精度を調整する2つの「スクリュー」が用意されている。
- ブレンドコントロールにより、原音(ドライ)とのミックスが可能。
ユニークなコンプレッサー
- ソフトニー寄りのダイナミクス処理で、ピークを抑えるよりも静かな部分を引き上げる方向に設計。
- 結果的に並列コンプレッションのような音質を得られる。
- Amountノブで圧縮の強さをコントロール。
拡張されたEQ機能
- オリジナルのローカットとエアフィルターを忠実に再現。
- さらに広い可変範囲に拡張されており、微調整が可能。
- ローブーストフィルターはEMI REDDコンソールの低域持ち上げ機能をモデルにしている(リニア特性)。
仕様と技術的な特徴
- 内部オーバーサンプリング:192kHz / 64bit に対応しており、高品位なサウンドを実現。
- トランスフォーマーやEQ、コンプレッサーなどすべてがアナログ風に設計されている。
- Mac / Windows 両対応(一部macOS 10.13環境では不具合報告あり)。
プリセットファイルの取り扱いについて
プリセットを正しく読み込ませるには、以下のように配置してください:
- ユーザーのドキュメントフォルダ直下に、
/Signal Perspective/PluginName
というフォルダを作成。 - 配布されたプリセットファイルのフォルダ構成をそのまま保つ。
まとめ:Signal Perspective「Pyrite」実機以上に柔軟なサウンドメイクが可能なプリアンプVST!アナログ感・サチュレーション・EQ・コンプレッサーを一つにまとめた高機能プラグイン|DTMプラグインセール
今回の記事では、アナログプリアンプを再現したプラグイン「Pyrite」の機能と使いどころについて詳しく解説しました。
以下に要点をまとめます。
- アナログ回路を模したトランスフォーマーとサチュレーション
- 静かな音を持ち上げる独自のコンプレッション
- 実機由来のEQに加え、低域のリフト機能を追加
- UIの裏にある信号処理順序が音作りに影響
- ドラムだけでなくあらゆるトラックに応用可能
- Mac/Windows対応、シンプルながら深い音作りが可能
Pyriteは、プリセットを試すだけでもサウンドに新しい発見があるプラグインです。まずはドラムトラックにかけて、その効果を体感してみてください。
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