
アナログらしい音の「厚み」や「味付け」が欲しいとき、EQでできることは想像以上です。
この記事では、無料で使えるPultecスタイルのチューブEQ「Pult EQ」の特徴や使い方を、なるべく詳しく・わかりやすくご紹介します。
音に色を加えたいあなたにぴったりの内容です。
無料配布
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Pult EQ – Pultecスタイルの無料チューブEQプラグイン

Pult EQは、LinuxおよびWindows環境向けに開発された無料かつオープンソースのPultecスタイルのチューブEQプラグイン(VST3・64bit)です。
細かな調整を目的としたものではなく、音に「味付け(mojo)」や「色づけ(coloration)」を加えることに特化したツールです。
Pult EQの特徴
Pult EQは、アナログ感あふれる音作りを求める人にとって非常に魅力的なプラグインです。
以下のような特徴があります。
- Pultec風のトーンコントロール
- 低域・高域・中域をブースト・カット可能
- 「Pultecトリック」が再現可能(低域の同時ブースト&カット)
- チューブ風サチュレーション機能
- Airwindowsの「Tube2」サチュレーション技術を採用
- 自動ゲイン補償付き
- 最大16倍のオーバーサンプリングに対応
- ステレオ/Mid-Sideモード
- ステレオ処理に加え、Mid/Side処理も選択可能
- オープンソース
- FAUSTのWave Digital Filterライブラリをベースに構築
- GitHubでコード公開中(ビルド方法も丁寧に記載)
操作方法と各ノブの機能解説
操作方法と各ノブの機能は、以下の通りです。
共通操作
- ノブはドラッグで調整
- CtrlまたはAltを押しながらドラッグで微調整
- Shift+クリックで数値入力も可能
プラグイン全体の制御
- Bypass:EQ全体をバイパス
- In:入力ゲインを調整
- Out:出力ゲインを調整
- EQモード:
- Stereo(ステレオ全体)
- Mid(中央信号のみ)
- Side(側面信号のみ)
サチュレーション関連
- Drive:0でサチュレーションオフ、数値を上げると増加
- Oversampling(OS):最大16倍まで設定可能
EQ部の詳細解説
EQ部は、主に低域と高域に分かれており、それぞれ個別の制御が可能です。
低域(Low Band)
- Low Frequency:調整範囲の中心周波数を設定
- Boost:低域を持ち上げる
- Atten:低域を減衰させる
- ※同時にBoostとAttenを使うことで、Pultec特有のEQカーブが実現可能(Pultec Trick)
高域(High Band)
- High Frequency:高域ブーストの中心周波数を設定
- Atten Frequency:高域減衰の中心周波数を設定
- Adjust:ブースト帯域の幅を調整
設定メニュー(Settings)
- Zoom Factor:UIサイズの調整
- Oversampling Filter:
- Polyphase:低レイテンシー、高域で位相歪みあり
- FIR:高レイテンシーだが、位相はリニアで高品質
インストール方法
簡単な手順で導入できます。
VST3対応のDAW環境が必要です。
- GitHubのリリースページから最新バージョンをダウンロード
- ダウンロードしたファイルを解凍
- 以下のいずれかのフォルダに「Pult EQ.vst3」または「Pult EQ」フォルダを配置
- Windows:
C:\Program Files\Common Files\VST3
- Linux:
~/.vst3
- Windows:
まとめ:cosint「Pult EQ – Pultec style tube EQ」誰でも簡単にアナログ感とサチュレーションをプラス!音の厚み・温かみ・抜け感を一気に引き上げるPultecスタイルのヴィンテージEQサウンド|DTMプラグインセール
Pult EQは、無料ながらも高品質なアナログ風EQ処理を可能にする、極めてユニークなプラグインです。
・Pult EQは無料&オープンソースのチューブEQプラグイン
・PultecスタイルのEQで「ブースト+カット」が可能
・サチュレーションやオーバーサンプリングで音の厚みを追加
・Mid/Side処理やUI調整など細かい設定も可能
・Linux/Windows両対応、導入も簡単
Pult EQは、細かい音の修正ではなく「音を魅力的に変化させる」ことに特化したEQです。
ミックスで埋もれてしまう音に「存在感」や「温かみ」を加えたいときに力を発揮します。
Pultec風のアプローチを気軽に取り入れたい方におすすめです。
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