
録音後にマイクの指向性を自由に変更できるとしたら、どれほど便利でしょうか?
最大5つの周波数帯域ごとに個別の指向性を設定できるため、レコーディング後でも音作りの自由度が大幅に向上します。
特にOC818などのデュアル出力マイクとの相性が抜群ですが、他のマイクとも使用可能。
今回は、PolarDesignerの主な機能や利点を詳しく解説します。
PolarDesigner: オーストリアンオーディオの革新的プラグイン

PolarDesignerは、Austrian Audioが提供するオープンソースのプラグインで、ポストプロダクションの可能性を大幅に拡張するツールです。
特に、OC818やOC-S10などのデュアル出力対応のラージダイヤフラム・コンデンサーマイクと組み合わせて使用することで、これまでにない自由度とクリエイティブなコントロールを実現します。
このプラグインを使用すると、レコーディング後でもポーラーパターン(指向性)を変更したり、複数の周波数帯域で独立して調整したりできます。
つまり、ミュージシャンがスタジオを去った後でも、マイクの音響特性を自在に再構成できるんです。
最新のバージョン(PolarDesigner3 ベータ版)の主なアップデート
PolarDesignerの最新バージョン(V3ベータ)では、以下のような改善が施されています。
- Apple Silicon(M1、M2、M3、M4)への最適化
- Rosettaモードにも対応し、より幅広い環境での動作が可能に。
- 対応プラットフォームとフォーマット
- Windows/Mac(Apple Silicon、Intel、Rosetta)
- AAX、VST3、AUに対応し、さまざまなDAWで利用可能。
- ユーザーインターフェースの改善
- 視認性が向上し、より直感的に操作可能。
- グラフィックをシンプルかつモダンなデザインへ刷新。
- リサイズ可能なUIで作業環境に適応。
- パフォーマンスの向上
- JUCE Frameworkのアップデートにより処理能力を向上。
- クロスプラットフォームFFTによる高効率な動作。
PolarDesignerの主な機能
PolarDesignerは、録音済みの音声を細かく調整し、レコーディング時に設定した指向性を自由に再設計できるプラグインです。
主な機能は以下のとおりです。
指向性(ポーラーパターン)の調整
- オムニ(全指向性)、カーディオイド(単一指向性)、ハイパーカーディオイド、フィギュア8(双指向性)などを自在に組み合わせ可能。
- 最大5つの周波数帯域ごとに個別調整できるため、低音域はオムニ、中音域はカーディオイド、高音域は双指向性など、細かな音響設計が可能。
Terminatorコントロール
- 特定の周波数や楽器の除去・強調が可能。
- 最新バージョンではより直感的に操作できる設計へ変更。
EQコントロール
- フリーフィールド(自由音場)やディフューズフィールド(拡散音場)の理想的な音響応答をエミュレートできる。
ソロ・ミュート機能
- 各帯域ごとにソロ/ミュートが可能で、特定の周波数を詳細に調整。
フルオートメーション
- DAW上で全パラメータをオートメーション対応。
- フェーズリニア処理で、位相のズレを最小限に抑える。
プリセット機能
- ユーザー設定を保存・呼び出し・共有できる。
OC818との最適化
- OC818マイクのデュアル出力モードと完全統合し、最大限の効果を発揮。
- もちろん、他のデュアル出力対応マイクとも使用可能。
PolarDesignerのメリット
このプラグインを活用することで、以下のような恩恵を受けることができます。
- レコーディング後でもマイクの指向性を変更可能
- 例えば、「ボーカルの明瞭度を上げるためにカーディオイドにしたい」「ドラムのアンビエンスを強調したい」といった要望に後から対応できる。
- 複雑なマイクアレンジの手間を削減
- 録音時に最適なマイク配置を決めるのが難しい場合でも、後で微調整できるため、録音環境の制約を大幅に軽減。
- プロダクションの柔軟性が向上
- ミックス段階で楽器ごとの音の拾い方を調整できるため、作業効率が向上。
- オープンソース&無料
- すべての機能を無料で使用可能。
高品質な音響調整を低コストで実現できる。
- すべての機能を無料で使用可能。
システム要件
対応OS
- Mac: macOS 10.7以降(Apple SiliconおよびIntel両対応)
- Windows: Windows 7以降(32bit & 64bit対応)
対応フォーマット
- VST3 / AAX / AU(OSX & Windows)
まとめ:【終了日未定 無料配布】Austrian Audio「PolarDesigner 3」録音後にマイクの指向性を自由に変更可能!ミックス中に指向性を変えられるだけでなく、特定の楽器や周波数帯域を強調・除去することができる次世代マイクコントロール プラグイン|DTMプラグインセール
今回の記事では、Austrian Audioの「PolarDesigner」について解説しました。
主なポイントは以下の通りです。
- 録音後でもマイクの指向性を自由に調整可能
- 最大5つの周波数帯域で個別の指向性設定が可能
- TerminatorsやEQ機能を活用して、特定の音を強調・除去できる
- ソロ/ミュート機能やフルオートメーション対応で柔軟な操作が可能
- OC818との組み合わせで最大限の効果を発揮(他のデュアル出力マイクでも使用可能)
- 無料のオープンソースプラグインとして提供
PolarDesignerを活用すれば、レコーディング後でも音響調整の幅が広がり、より自由で創造的なミックスが可能になります。
まだ試していない方は、ぜひダウンロードして、その可能性を体感してみてください。
