
N-CURVE COMPは、カーブを描いてダイナミクスを直接コントロールできる新発想のコンプレッサーです。
従来の「しきい値+レシオ」型とは違い、音の動きを視覚的に設計できるのが大きな特徴。
SAFE/RAWの2モードや高解像度GUI対応など、実用性も大きく進化しています。
N-CURVE COMP v1.5:カーブで音を操る次世代コンプレッサー

N-CURVE COMPは、PLUGDATA-FX上で動作するカーブ型コンプレッサーです。
一般的なコンプレッサーとは考え方が大きく異なり、「しきい値とレシオ」で制御するのではなく、自分で描いたカーブに向かってダイナミクスを変形させます。
最新版v1.5では、PLUGDATA 0.9.3に対応し、GUIの高解像度化や新モードの追加など大きな進化を遂げました。
N-CURVE COMPの基本コンセプト

N-CURVE COMPは「カーブチャー・コンプレッサー」と呼ばれる設計です。
仕組みは次の通りです。
- 解析用シグナルにウェーブシェーピングを適用
- そのウェーブシェーピング後の信号に向かって、元の信号を圧縮
- 結果として、描いたカーブ通りにダイナミクスを再構築
特に重要なのが、アタック0ms・リリース0ms時の挙動です。
- ほぼ完全なウェーブシェーピング状態に近づく
- コンプレッションとディストーションの境界をまたぐような動作になる
単なる音量制御ではなく、波形そのものの性質を積極的に変形できるのが特徴です。
圧縮レンジとゲイン特性
N-CURVE COMPのアップワード圧縮上限は96dBです。
さらに、
- 入力ゲインを最大24dBまで上げる
- 最大120dBまで拡張可能
という非常に広いレンジを扱えます。
静かな部分を大胆に持ち上げる設計も可能で、サウンドデザイン用途にも向いています。
2つのコンプレッションモード
v1.5ではSAFEモードとRAWモードの2種類を搭載しています。
SAFE MODE
SAFEモードは高品質な対称ルックアヘッド・スムージングフィルターを使用します。
特徴は以下の通りです。
- 歪みを最小限に抑える設計
- ダイナミクス整形を副作用少なく行える
- アタック0ms時は、カスタムカーブ付きのゼロ歪みリミッターのように動作
- レイテンシーは約2.6ms
- デフォルトで有効
ゲインステージングやミックス用途で、透明感を維持したまま整えたい場合に最適です。
RAW MODE
RAWモードは対称スムージングを使用しません。
そのため、
- より高速
- よりアグレッシブ
- アタック0ms・リリース0msではほぼフルディストーション
ドラムやベースのキャラクターを積極的に変形したい場合に向いています。
カーブエディターの使い方
N-CURVE COMPの心臓部がカーブエディターです。
基本操作はシンプルです。
- ポイントをドラッグして位置変更
- ダブルクリックでポイント追加・削除
- カーブ部分をドラッグして曲率を調整
- Shiftを押しながらドラッグでグリッドスナップ
- Ctrl+クリックで曲率リセット
カーブの基本動作
- リニア(直線)カーブ:入力=出力
- デフォルトレンジ:-∞dB〜0dB
- 0dB以上の信号は0dBに圧縮
天井は「Ceiling Offset」で調整できます。
その下に、
- Input Gain
- Output Gain
が配置されています。
アタック・リリースの挙動
基本的な動きは通常のコンプレッサーと似ています。
ただし重要な違いがあります。
- アップワード圧縮にアタックを加えない
理由は、アップワード圧縮にアタックを付けると不安定になり、大きなトランジェントが発生するためです。
その結果、どの設定でも透明感を保ちやすい設計になっています。
DEPTHとMIXで仕上げを調整
より細かいコントロールも可能です。
- DEPTH
- リニア形状とカスタム形状の間を補間
- どれだけカーブ効果を適用するかを調整
- MIX
- ドライ/ウェット調整
パラレルコンプレッション的な使い方も簡単に行えます。
v1.5のアップデート内容
N-CURVE COMP v1.5では、PLUGDATA 0.9.3に合わせた大きな改良が入りました。
主な変更点は以下です。
- 2倍解像度GUI対応
- SAFE/RAWモード追加
- 軽微な不具合修正
特にGUI周りは重要な進化です。
PLUGDATA 0.9.3のアップデート内容
PLUGDATA 0.9.3は安定版としてリリースされました。
0.9.2以降に報告された既知のバグ修正が中心です。
さらに、以下のQuality of Life機能が追加されています。
1. Internal Scaling
- パッチを2倍解像度で描画
- 内部でダウンスケール
- Windows / macOSでのスケーリングぼやけを解消
N-CURVE COMP v1.5は、この仕組みを最初に活用したパッチです。
どのディスプレイでもシャープに表示されます。
2. Per-patch Plugin Scale Memory
- パッチごとにスケール設定を記憶
- 毎回サイズを調整し直す必要がない
3. Versioning機能
- PDパッチのバージョン管理
- Missing-Fileパス探索アルゴリズム搭載
- 壊れたパッチを自動検出する可能性あり
4. GUIアップスケーリング改善
- 既存パッチの見た目も向上
今後はVST3/CLAPエクスポーターも予定されています。
インストール方法
手順はシンプルです。
- PLUGDATA 0.9.3をインストールまたはアップデート
- .plugdataファイルをドラッグ&ドロップ
以上で完了です。
まとめ:Nasko「N-CURVE COMP」SAFE/RAWモード搭載で透明な整音から攻撃的な歪みまで対応!カーブを描いてダイナミクスを再構築する新発想コンプレッサー|DTMプラグインセール
N-CURVE COMPは、従来の「しきい値型コンプレッサー」とはまったく異なるアプローチを取ります。
- カーブで直接ダイナミクスを設計
- SAFEで透明に整える
- RAWで大胆に歪ませる
- DEPTHとMIXで細かく調整
ミックス用途にも、サウンドデザイン用途にも対応できる柔軟性があります。
「圧縮する」というより、「ダイナミクスを描く」という感覚。
既存のコンプレッサーに物足りなさを感じている方には、特に試してほしいプラグインです。
