
Linn LM-1の音を自分のトラックに使いたい
そう思ったことはありませんか?
ROM1〜3に分かれた音源は、LM-1、9000バージョン、80年代サウンドを網羅。
さらに16チャンネルのマルチアウト対応で、DAW上でも思い通りの音作りが可能です。
この記事では、MininnDrumの使い方から音作りのコツまでをわかりやすく解説します。
あなたの楽曲に、80年代のあの「名機の鼓動」を響かせましょう。
MininnDrumとは?レジェンド機材Linn LM-1を再現した現代VST

MininnDrumは、80年代の名機「Linn LM-1」の音を忠実に再現するドラムマシンVSTです。
LM-1は、アナログサウンドに近いデジタルサンプル音を初めて搭載し、多くのトップアーティストに支持されました。
このVSTでは、当時の音の質感を維持しつつ、現代的な操作性と音作りの自由度を兼ね備えています。
そのため、ビンテージなドラムサウンドをDAW環境で直感的に扱える点が高く評価されています。
- LM-1サウンドを再現したROM1:
オリジナルLM-1の太くて硬質なキックやスネアが収録されており、往年のサウンドをそのまま再現できます。 - 9000バージョンを模したROM2:
よりブライトでシャープな音が特徴で、80年代後半のポップサウンド向きです。 - 80年代を再構築したROM3:
クラッシュやパーカッションなど、レトロだけど新しいユニークな音が満載です。 - サンプル読み込み対応のカスタムパッド:
自作のWAVやAIFFファイルを直接読み込んで、オリジナルのドラムセットを作成できます。 - マルチフォーマットに対応:
AAX、AU、VST2/3、CLAPなど様々な形式で提供され、主要なDAWでスムーズに動作します。 - Windows/Mac/Linuxに対応:
最新OSから旧バージョンまで幅広く対応しており、環境を問わず利用できます。
MininnDrumと他のLinn系ドラムVSTの違い
Linn LM-1を再現するVSTは複数ありますが、MininnDrumはその中でも独自性の高い設計がなされています。
多くの再現系プラグインは「音を近づける」ことに特化しているのに対し、MininnDrumは音質だけでなく、操作性やカスタマイズ性においても圧倒的な自由度を提供します。
このことから、サウンドメイキングの幅広さが最大の魅力と言えるでしょう。
- 3つの個性的なROMを搭載:
一般的なVSTが1種類の音源に絞っているのに対し、MininnDrumはLM-1、9000版、80’sカスタムという異なる方向性の3ROMを内蔵。 - マルチアウト16chに標準対応:
他のVSTでは外部処理に制限がある場合も多いですが、MininnDrumは各ドラムを個別にEQやエフェクト処理できる仕様になっています。 - 直感的なGUIと柔軟なMIDIアサイン:
パッドをクリックするだけで試聴・アサインができ、複数ノートの割り当ても可能。
制作フローを中断せず操作できます。 - カスタムサンプル対応の自由度:
自作ドラム音やベース音などをWAV/AIFFで追加可能。
既製音源に頼らず、オリジナルキットを構築できます。 - 高解像度な音質と細かなチューニング:
サンプルごとにチューニングやパン、音量調整ができ、実機以上に繊細な音作りが可能です。
MininnDrumが再現するマイケルやプリンスの音とは

MininnDrumが再現するサウンドは、単なる懐古的なコピーではありません。
1980年代を代表するLM-1の音源を基にしつつも、現代の制作環境に最適化されており、「あの感じ」がしっかり蘇ります。
マイケル・ジャクソンやプリンスの名曲に共通するのは、タイトで存在感のあるドラム。
その芯のある音は、まさにLM-1の象徴的な音色でした。
この音質をDAW上で再現できるのが、MininnDrumの強みです。
- スネアの鋭さ:
マイケル・ジャクソンの「Billie Jean」でも感じられる、バシッと抜けるスネアの存在感をROM1がしっかり再現。 - キックの芯と太さ:
プリンスの「1999」で印象的なタイトなキックの質感が再現可能。
アタックの速さも調整しやすいです。 - クラップとリムの独特な質感:
80年代ファンクやポップスに欠かせない派手めのクラップ音も、パラメータ調整で当時の空気感を出せます。 - リッチなステレオ感:
MininnDrumではパン設定やマルチアウトを活かすことで、実際のレコード音源のような空間の広がりを演出可能。 - 音色の抜けの良さ:
ベロシティやチューニングでコントロールしやすく、派手なだけでなく、ミックスに自然に馴染む調整が可能です。
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3つのROMを徹底比較|MininnDrumのサウンド選び
MininnDrumの大きな魅力のひとつが、3つの異なるサウンドROMを自由に切り替えられる点です。
それぞれが異なる時代・用途にマッチする音色を持っており、ジャンルや曲調に合わせて最適な音を選ぶことができます。
そのため、1つのVSTで多彩なドラムスタイルを実現できるのです。
- ROM1(LM-1の忠実再現):
太くて硬質なキック、パリッとしたスネア、電子的だけどアナログの温かみもある音色が特徴。 - ROM2(9000バージョン):
明るめでシャープなサウンド。
抜けが良く、ポップスやデジタルファンク、シンセポップに適しています。 - ROM3(80’sカスタム):
クラッシュやコンガ、タムなど、80年代的エフェクト感のある音を強調。
実験的なトラックにも好相性。 - 音源切替の即応性:
UI上のボタン一つで切り替え可能。
リファレンス試聴しながら即座に音の比較ができます。 - どのROMもカスタマイズ可能:
ROMベースの音色に加え、チューニング・音量・パン設定を個別に編集可能。
好みに合わせた細かい調整が行えます。
ROM1:LM-1を忠実再現した原点サウンド
ROM1は、Linn LM-1オリジナル機の音色を可能な限り忠実に再現するために設計されたサウンドセットです。
1980年代初頭、LM-1は世界初のデジタルドラムマシンとして登場し、サンプリングされたアコースティックドラムの「本物感」と機械的な安定感を両立させました。
このROMでは、その魅力を再現し、現代の楽曲にも溶け込む力強いドラムトーンを提供します。
- 太く芯のあるキックドラム:
深みのある低音としっかりとしたアタックが、リズムの土台を安定させてくれます。 - スナッピーなスネア:
歯切れが良く、パーカッシブな響きが楽曲に勢いを与えます。 - クローズド・ハイハットの鋭さ:
タイトで粒立ちの良い音が、ノリを引き締めてくれます。 - クラップやリムの存在感:
アナログ感のある質感で、リズムトラックに華やかさをプラスできます。 - 80年代ポップに最適な空気感:
音色自体にビンテージな雰囲気が宿っており、打ち込みでも自然なグルーヴが出しやすいです。
ROM2:9000バージョンを再現したタイトな音色
ROM2は、Linn 9000の音色にインスパイアされたサウンドバンクで、より現代的でキレのあるドラムサウンドを収録しています。
9000シリーズは、LM-1よりもブライトでシャープな音質が特徴で、80年代後半〜90年代初頭のダンスミュージックやポップスによく用いられました。
MininnDrumのROM2では、そうした用途にぴったりなタイトなサウンドをすぐに扱えます。
- 高域が抜けるクリアなキック:
サウンドが軽くならずに前に出てくる印象で、アップテンポな楽曲に最適。 - 硬質なスネアサウンド:
LM-1より明瞭で、ミックス内での存在感がさらに際立ちます。 - 乾いたハイハットの質感:
明瞭かつ短めなディケイで、デジタルなリズムに映える鳴り方です。 - リバーブとの相性が良い:
クラップやリムに空間系エフェクトを加えると、一気に時代感が増します。 - エレクトロポップ・デジタルファンク向け:
音の輪郭がはっきりしており、シンセ主体の楽曲に抜群の相性を見せます。
ROM3:80年代を象徴するカスタムサウンド集
ROM3は、1980年代のポップカルチャーや電子音楽にインスパイアされたオリジナルのカスタムサウンドを収録しています。
既存のLM-1や9000バージョンの音とは一線を画し、MininnDrum独自の世界観を感じさせるサウンドが揃っています。
その結果として、80sの雰囲気を持ちつつも、新しいアイディアに繋がるような創造的なドラム音を得ることができます。
- エフェクト感のあるクラッシュやシンバル:
広がりのあるサウンドが、トラックにインパクトを与えます。 - トムやコンガに独特なピッチ感:
メロディ的なニュアンスも出せるため、打楽器の役割を超えた使い方が可能です。 - 印象的なタムのステレオ定位:
ステレオでの動きが感じられ、楽曲に立体感を加えることができます。 - キャッチーなパーカッション:
カバサやタンバリンなどの装飾音が、ポップスやレトロ系トラックの完成度を高めます。 - エクスペリメンタルにも応用可能:
ROM3の音色はユニークで個性的なため、Lo-Fiやシンセウェーブ、アンビエントにも最適です。
MininnDrumの使い方|初心者にもわかる基本操作
MininnDrumは機能が豊富でありながら、直感的に操作できる設計になっており、初めてドラムVSTを扱う方でもすぐに音を鳴らせます。インストール後、シンプルな設定を行うだけで、あとはMIDIノートを打ち込んでいくだけ。
UIも視覚的にわかりやすく、必要な操作はパッドとノブだけで完結します。
そうすることで、音作りやパターン構築に集中しやすくなっています。
- シリアル入力でアクティベート:
DAWに読み込むと、最初にユーザー名とシリアルの入力画面が表示されます。
認証完了後に音が出るようになります。 - プリセットの選択:
画面上部のブラウザから好みのプリセットを選ぶだけで、すぐに使えるドラムセットが呼び出せます。 - パッドの試聴と演奏:
UI上のパッドをクリックすれば音が鳴ります。
C1〜D#2までのMIDIノートがデフォルトで割り当てられています。 - ノブやフェーダー操作:
音量やチューニング、パンの調整は各パートごとに専用のノブで操作可能。
Ctrl+クリックでリセットもできます。 - MIDI打ち込み対応:
DAW側でMIDIクリップを作成すれば、任意のパターンでドラムを再生可能です。
初期設定とアクティベーションの手順
MininnDrumを使用するには、最初に一度だけアクティベーション作業が必要です。
とはいえ手順は非常にシンプルで、数分もあれば完了します。
この工程を済ませれば、すぐに音が出る状態になりますので、インストール後はまずここからスタートしましょう。
必要なのは、購入時に届いたシリアルと登録用のメールアドレスのみです。
- DAWにMininnDrumを読み込む:
プロジェクトを開いた状態でVSTとしてMininnDrumを追加します。
最初の起動時に設定画面が自動で開きます。 - ユーザー情報を入力:
表示されたウィンドウに、購入時に登録したメールアドレスとシリアルナンバーを入力します。 - Enterキーで登録完了:
情報を入力後、Enterキーを押すとアクティベーションが実行されます。
正しく入力されていれば即座に有効化されます。 - ウィンドウを閉じる:
右上の赤い×印をクリックして設定画面を閉じると、MininnDrumが使用可能になります。 - アクティベート前は音が鳴らない仕様:
この手順を完了するまでは音が一切出ないため、「音が出ない」と感じたらまずこの作業を確認しましょう。
DAWでのMIDIアサイン方法とリセット手順
MininnDrumは、パッドごとに任意のMIDIノートを自由に割り当てることができます。
デフォルトではC1からD#2に各サウンドがマッピングされていますが、あなたの制作スタイルやMIDIパッドの配置に合わせて簡単にカスタマイズ可能です。
複数ノートを同じパッドに割り当てたり、特定のノートだけ変更したりするなど、柔軟な設定ができるのも魅力です。
- パッドを右クリックして設定開始:
任意のパッド上で右クリック(またはCtrl+クリック)すると設定メニューが表示されます。 - 「MIDIノートを割り当てる」を選択:
設定メニューから「Assign MIDI Note」を選び、割り当て待機状態にします。 - MIDIノートを押すと即反映:
コントローラーなどで目的のノートを押せば、自動でそのノートがパッドに割り当てられます。 - 複数ノートを割り当てたい場合:
同じ手順を繰り返すことで、1つのパッドに複数のMIDIノートを割り当てることも可能です。 - 割り当てのリセット:
再び右クリックし、「Clear MIDI Assign」を選択すると現在のアサインを削除できます。 - General MIDIへの一括設定も可能:
設定画面の「Global Settings」から、すべてのパッドをGeneral MIDI準拠に一括設定することもできます。
プリセットの保存場所とバックアップ方法
MininnDrumでは、自分で作成したサウンド設定やカスタムサンプルをプリセットとして保存できます。
このプリセット機能を活用すれば、気に入った音作りを次回以降もすぐに再現でき、制作効率が大きく向上します。
保存先のフォルダを把握しておけば、他のPCへの移行やバックアップもスムーズに行えます。
- プリセットの保存方法:
画面上部のブラウザから現在の設定を「Save as」で保存できます。
任意の名前をつけて管理可能です。 - 保存先(Windows):
C:\Users\ユーザー名\Documents\VST3 Presets\Audioblast\MininnDrum
に自動保存されます。 - 保存先(Mac):
/Library/Audio/Presets/Audioblast/MininnDrum
に保存されます。
※システム環境設定で表示されていない場合はFinderで「移動→フォルダへ移動」からアクセス可能です。 - バックアップの方法:
上記保存フォルダをそのままコピーして、外付けHDDやクラウドに保管しておけば、万が一のトラブルにも対応できます。 - 他のPCへの移行手順:
保存フォルダを新しいPCの同じパスにコピーすれば、プリセットがそのまま使用可能です。 - Embed Sample機能を有効に:
プリセットに使用しているカスタムサンプルも一緒に保存したい場合は、「Embed Sample in Preset」にチェックを入れておくと安心です。
カスタムパッドとサンプル読込|MininnDrumで自由な音作り
MininnDrumの大きな魅力のひとつが、ユーザー自身のオリジナルサンプルを取り込めるカスタムパッド機能です。
これにより、既存のROM音源だけでは出せない、個性的で自分らしいドラムセットを簡単に構築できます。
自作のドラムやボイス、ベース音などを読み込んで、MininnDrumをあなただけの音源に変えることができます。
- 対応ファイル形式:
WAVまたはAIFF形式に対応しており、サンプルレートやビット深度に制限はありません。 - 読み込み方法①(ドラッグ&ドロップ):
PC上のファイルをカスタムパッドに直接ドラッグ&ドロップするだけで反映されます。 - 読み込み方法②(右クリック):
カスタムパッドを右クリックし、「Load Sample」からファイルを選択して読み込むことも可能です。 - 容量上限:
1つのサンプルにつき最大8MBまで対応。
音質を保ちつつ扱いやすいサイズ感です。 - プリセットに埋め込む設定:
保存時に「Embed Sample in Preset」にチェックを入れると、外部ファイルとしてではなくプリセットに統合されます。 - カスタムパッドの用途例:
オリジナルのクラップ音、フィルターをかけたキック、ボイスエフェクトなども自由に追加でき、トラックに独自の個性を加えることができます。
WAV/AIFF対応|自作サンプルを読み込む方法
MininnDrumでは、WAVやAIFF形式のサンプルを簡単に読み込んで、自分だけのドラムキットを作成できます。
サンプルの種類や長さ、サンプリングレートに制限がないため、手持ちのライブラリから気に入った音をすぐに使用できるのが魅力です。
この自由度の高さによって、既存音源だけに頼らないオリジナルな音作りが可能になります。
- ファイル形式は自由度が高い:
WAV・AIFF形式なら、16bitでも24bitでも問題なく使用できます。
サンプリングレートも任意でOKです。 - 長さも自由:
短いワンショットから長めのループ音源まで幅広く読み込み可能。
ただし、1サンプルあたり8MBの上限があります。 - 読み込み操作は2通り:
- パッドに直接ドラッグ&ドロップ
- パッドを右クリックして「Load Sample」から読み込み
- ループ音源も対応可能:
トリガー後にOne Shot再生設定をすれば、長めのサンプルも再生可能。
逆に、短くカットして使うことも可能です。 - サンプルの切り替えも簡単:
既存のカスタムサンプルを新しいファイルで上書きするのもワンクリックで完了します。 - ファイル管理は自己責任:
外部ファイルとして保存する場合は、プリセットと別にサンプルをバックアップしておくことが重要です。
8MB以内でも差が出る音質のコツ
MininnDrumのカスタムサンプルには、1ファイルあたり最大8MBという制限がありますが、この制限内でも音質にしっかりこだわることは十分可能です。
むしろ、サンプル選びや編集の工夫によって、制限があるからこその抜けの良い音や扱いやすいトラックが作れるという利点もあります。
このように、データ容量に惑わされずにクオリティの高いサウンドを目指すための工夫が重要です。
- 不要な無音部分をカット:
サンプルの前後にある無音や空白を削除することで、無駄な容量を削減できます。
これによりトリガーの反応も向上します。 - 16bit/44.1kHzでも十分な音質:
ライブ録音や特殊用途でなければ、基本的なスペックでも高品質なサウンドが得られます。 - エフェクト込みでバウンスしておく:
EQやコンプをかけた状態であらかじめ書き出しておくと、後からの処理が不要になり、シンプルに仕上げられます。 - ワンショット中心で設計する:
一発で印象づけるような強いアタックのあるサウンドを選ぶと、短いサンプルでも存在感を出しやすくなります。 - モノラル変換も有効:
ステレオにこだわらない場合は、モノに変換することでファイルサイズを半分に抑えることができます。 - トーンバランスを意識する:
中低域にピークがあるサンプルは再生時に膨張しやすいため、軽くカットしておくと全体の抜けが良くなります。
MininnDrumの音質調整機能を使いこなす
MininnDrumでは、各サウンドごとに細かく音質を調整できる機能が用意されています。
特にチューニング、パン、ボリュームといった基本パラメータは、ドラッグ操作で直感的に調整できるため、初心者でもすぐに音を自分好みに仕上げることができます。
このような操作性の高さが、制作中の「あとちょっと」を簡単に実現してくれるのです。
- チューニング(TUNE):
各パートの音程を細かく上下させることが可能。
ハイタムとロータム、コンガ同士は連動しており、自然な音階のバランスを保ちます。 - 音量調整(VOLUME):
各ドラムパーツごとにボリューム設定が可能。
バランス調整やラウド感の演出に役立ちます。 - パン設定(PAN):
ステレオ定位を調整できるため、楽曲の奥行きや広がりを作るのに効果的です。 - ハイハットの連動性:
クローズとオープンのハイハットは、音量とパンが連動して動く仕様。
実際の演奏に近い動作が再現されます。 - ノブの初期化:
Ctrl+クリック(MacはCommand)でノブやフェーダーを即リセット可能。
微調整後のやり直しもスムーズです。
チューニング・ボリューム・パンの基本調整
MininnDrumでは、各ドラムサウンドを構成する基本3要素「チューニング・ボリューム・パン」を個別に調整できます。
これらの設定をしっかり見直すことで、ミックス全体のまとまりやサウンドの抜けが大きく変わってきます。
細かい調整を積み重ねることが、結果としてプロっぽい仕上がりに繋がります。
- チューニング(TUNE):
ドラム音のピッチを上げ下げすることで、雰囲気や音の硬さを調整できます。
特にスネアやキックは、チューニングによってジャンル感がガラッと変わるため、積極的に調整しましょう。 - タムやコンガの連動チューニング:
ハイとローのペアがリンクされているため、音階のバランスが自然に保たれます。
手間なく立体的なドラムラインを作ることが可能です。 - ボリューム(VOLUME):
各パーツの音量を個別にコントロールできます。
キックやスネアを少し前に出すだけでも、リズム全体の印象が明確になります。 - パン(PAN):
音の左右の配置を決める設定です。
ハイハットをやや右、クラッシュを左に振るなどすると、ステレオ感のある立体的なサウンドに仕上がります。 - ハイハットのリンク仕様:
クローズとオープンのハイハットはパンと音量が連動。
現実の演奏に近い挙動が、打ち込みでも自然なノリを生み出します。
ベロシティ設定で演奏に人間味をプラス
打ち込みドラムにありがちな「機械的すぎる音」を避けるには、ベロシティ設定の活用が鍵となります。
MininnDrumでは、各ノートの強弱(ベロシティ)に応じて音の鳴り方をコントロールできるため、リアルなグルーヴ感を演出できます。
その影響で、単純なパターンでも表情豊かになり、楽曲全体が生き生きとした印象に変わります。
- ベロシティ感度の調整:
GLOBALパネルの「Vel. Sens.」ノブを回すことで、ベロシティの反応を自由に設定可能。
最小にすると一定の音量、最大にするとダイナミクスの幅が広がります。 - 小さな変化が自然な揺らぎを作る:
同じ音を繰り返す場合でも、ベロシティを微妙に変えるだけで人間らしい揺れが生まれます。 - ハイハットに特に効果的:
クローズ・オープンともに強弱の付け方で印象が大きく変わるため、繊細な表現に向いています。 - リムやクラップの抑揚付け:
強く鳴らすと鋭く、弱くすると馴染む——同じサンプルでも印象がガラリと変わります。 - MIDIコントローラーとも相性良好:
パッドや鍵盤で叩いた強さがそのまま音に反映されるため、演奏に近い感覚で打ち込みが可能です。
EQやリバーブを使って音に深みを出す方法
MininnDrumは、各パーツを16チャンネルのマルチアウトで出力できるため、DAW側で個別にEQやリバーブなどのエフェクト処理が可能です。この構成により、音の距離感や立体感を自在にコントロールできるようになります。
特にドラムミックスでは、EQとリバーブの使い方で音の輪郭や奥行きが大きく変わるため、積極的に活用することでプロのような仕上がりに近づきます。
- キックにはローカットを控えめに:
必要以上に削ると迫力が失われるため、サブベースと干渉しない程度に抑えるのがポイントです。 - スネアには中域を軽くブースト:
アタック感を強調して、ミックスの中でも抜けやすくなります。 - ハイハットやクラッシュはハイシェルフで明るさ調整:
高域のギラつきを抑えるか強調するかで、全体の印象が大きく変わります。 - リバーブは音の「奥行き」を演出:
ルーム系リバーブで軽く広げるだけでも、ドラムがミックスに溶け込みやすくなります。 - クラップやスネアのみにリバーブをかけるのも有効:
音にコントラストが生まれ、リズムに立体感が加わります。 - バスドラムには基本的にリバーブをかけない:
輪郭がぼやけてしまうため、空間系は避けてしっかり芯を保つのがコツです。
MininnDrumのマルチアウト設定方法と活用術
MininnDrumは最大16チャンネルのマルチアウトに対応しており、DAW上で各ドラムパーツを個別トラックとして扱うことができます。
これにより、音量やパン、エフェクト処理をパートごとに細かく調整でき、ミックス全体の完成度が飛躍的に高まります。
このように、プロのような音作りを可能にする柔軟な構成は、他のVSTではあまり見られない大きな強みです。
- マルチアウト対応のDAWを使用する:
Ableton Live、Logic Pro、Pro Tools、Cubaseなど、多くの主要DAWが対応しています。 - DAW上で「マルチアウト」設定を有効化:
VST読み込み時にステレオ出力数を増やすことで、ドラムパーツを分離出力できます。 - MininnDrum内でチャンネルアサイン:
各パーツに対して出力先を設定可能。
例えば、キック=Out1、スネア=Out2のように割り当てられます。 - 各出力に独立したエフェクトを適用:
キックにはEQとコンプ、クラップにはリバーブなど、音ごとに処理が行えるようになります。 - バランス調整が直感的に行える:
すべての音が個別のチャンネルに分かれているため、フェーダー操作で直感的にミックスが可能です。 - オーディオとして書き出す際も便利:
一括バウンスで各トラックのパラデータとして扱えるため、他のエンジニアへの共有にも最適です。
DAW別|マルチアウトの設定手順(Ableton/Pro Tools)
MininnDrumのマルチアウト機能を最大限に活かすには、DAW側での正しい設定が必要です。
特にAbleton LiveとPro Toolsでは設定手順がやや異なりますが、一度覚えてしまえばスムーズに音作りが進められます。
ここでは、代表的な2つのDAWでの設定方法を具体的に紹介します。
こうして個別トラックに分けることで、各パートを自在に加工できるようになります。
- Ableton Liveの場合:
- MininnDrumをMIDIトラックに読み込む
- トラック名の横にある三角アイコンをクリックして「In/Out」ビューを表示
- 新しいオーディオトラックを追加し、「Audio From」でMininnDrumを選択
- 「Channel」で希望するアウト(1/2, 3/4など)を設定
- この手順を繰り返して、各パーツ用のトラックを作成
- Pro Toolsの場合:
- インストゥルメントトラックにMininnDrumを追加
- プラグインインターフェースの「Multi Output」設定を有効にする
- 新しいAUXトラックを追加し、入力を「plugin→MininnDrum→Out3/4」などに設定
- 各AUXチャンネルに必要なアウトを割り当ててルーティング完了
- 各チャンネルにEQやコンプをインサートして細かく音作り
- 共通のポイント:
- 出力チャンネルの順番はMininnDrum内で固定ではないため、自分の使いやすい配置で自由にアサインできます
- 設定後は、DAWプロジェクトをテンプレート化しておくと再利用が簡単です
各チャンネル別処理でプロ並みのドラムミックス
MininnDrumをマルチアウトで使用する最大のメリットは、各ドラムパーツを個別に処理できる点にあります。
キック、スネア、ハイハットなど、それぞれの役割に合ったEQやコンプレッション、空間系エフェクトを適用することで、ドラム全体の完成度が格段に向上します。
このことから、トラックの中でドラムが埋もれず、力強い存在感を放つようになります。
- キック(バスドラム):
ローエンドをタイトに整えるため、50〜100Hz付近を軽くブーストし、200Hz付近をカット。
コンプレッサーでアタック感を強調すると抜けが良くなります。 - スネア:
中域(800Hz〜2kHz)をブーストしてパンチを強調。
軽くリバーブをかけて空間に馴染ませると、自然な立体感が出ます。 - ハイハット&シンバル:
高域(6kHz以上)を調整して明るさをコントロール。
必要に応じてディエッサーで耳障りな成分を抑えると聴きやすくなります。 - タムやコンガ:
ステレオ配置で動きを出し、コンプでアタックを揃えると安定感が出ます。
リバーブは短めがオススメです。 - クラップ&リムショット:
中高域を整えて、他のパートと干渉しないように調整。
アクセントとして使う場合はやや前に出すと効果的です。 - マスタリング前提のバス処理:
ドラムバスにまとめた後、軽くテープサチュレーションやパラレルコンプを加えると、音がまとまり、プロの音に一歩近づきます。
実践!MininnDrumをジャンル別に使い分ける
MininnDrumは、ただの懐古系ドラム音源ではありません。
3つのROMとカスタム機能、マルチアウトなどを活用することで、様々なジャンルに合わせた柔軟なサウンドメイクが可能です。
音色選びと処理の方向性を少し変えるだけで、80年代のレトロポップから現代のLo-Fi、さらにはエレクトロやシンセウェーブまで幅広く対応できます。
このように、ジャンルごとに使い分けることで、MininnDrumのポテンシャルを最大限に引き出せます。
- 80’sポップス/ファンク:
ROM1とROM2をベースに、スネアとクラップを中心にミックス。
明るめのEQと短いプレートリバーブで当時の雰囲気を再現。 - Lo-Fiヒップホップ:
ROM3のくすんだパーカッションを使用。
チューニングをわずかに下げて、ビットクラッシャーで質感をざらつかせるのがコツです。 - エレクトロ・シンセウェーブ:
ROM2やROM3を組み合わせ、タムやクラッシュをステレオワイドに配置。
リバーブとディレイで空間感を出すとより映えます。 - インディーポップ/オルタナ系:
カスタムサンプルとROM1を組み合わせて、個性的なドラムキットを構築。
ナチュラルなコンプレッションで生っぽさを演出。 - EDM/現代ポップ:
ROM2の抜ける音を活かしてキックとスネアをしっかり前に出す。
ハイハットやクラップにはサイドチェインでリズムを強調すると効果的。
Lo-Fiやシンセウェーブに合う音色とは
Lo-Fiやシンセウェーブといったジャンルでは、音の「質感」が重要です。MininnDrumのROM3は、80年代の空気感を感じさせる独特な音色が多く、こうしたジャンルに特にマッチします。
さらにチューニングや質感の加工を組み合わせれば、温かみのあるLo-Fi感や、浮遊感のあるレトロフューチャーな世界観が演出できます。
このおかげで、既存のプリセットでもひと手間加えるだけで個性のあるトラックが作れるようになります。
- Lo-Fi向きのサウンド:
ROM3に収録されたコンガ、タム、クラッシュなどのパーカッシブな音は、フィルターやディチューンを加えることでLo-Fiらしいくすんだ質感になります。 - キックとスネアの丸みを調整:
チューニングを少し下げ、トランジェントを軽く抑えると、アナログ機材らしい柔らかい鳴りに仕上がります。 - カセット感の演出:
サチュレーションやノイズジェネレーターを組み合わせて、カセットテープ風のざらつきをプラスするとLo-Fi感がぐっと高まります。 - シンセウェーブには派手すぎないクラッシュが◎:
ROM3のクラッシュは派手さよりも広がりを感じさせる鳴り方なので、レトロな雰囲気に自然に馴染みます。 - ステレオ配置で浮遊感を演出:
リムやシンバルなどを左右に振ることで、空間的な広がりとレトロ感が両立できます。
ポップスやEDMに映えるMininnDrumの設定例
現代的なポップスやEDMでは、ドラムの音が「抜けているか」「前に出ているか」がサウンドの完成度に直結します。
MininnDrumは、ROM2のシャープで明瞭な音色やマルチアウトによる自由な音作りにより、そうしたニーズにしっかり応えてくれます。
このように、設定次第で懐かしさだけでなく、現代的でパワフルなドラムにも対応可能です。
- キックはROM2で太くはっきりと:
中低域をEQで軽くブーストし、短めのリリースにすることで、タイトな印象を保ちながらも力強いキックが得られます。 - スネアに軽めのリバーブを追加:
リバーブはルームタイプを選び、空間を広げつつも前に出るように調整します。
プレディレイも短く設定すると抜けが良くなります。 - クラップはサイドチェインで存在感を演出:
キックとぶつからないようにコンプをかけ、リズムにグルーヴを加えましょう。 - ハイハットはEQとステレオ広げで洗練感を出す:
7kHz〜10kHzを軽くブーストし、パンを左右に振ることで、現代的な粒立ちと広がりを確保します。 - シンセとの兼ね合いを考えたアタック調整:
トランジェントシェイパーでドラムの立ち上がりを調整することで、他の音と干渉しづらくなり、全体がスッキリまとまります。
MininnDrumのQ&A|よくある質問をまとめて解決
MininnDrumを使い始めたばかりの方や、これから導入を検討している方が抱きがちな疑問をまとめて解説します。
操作性や動作環境、プリセットの管理方法など、ユーザーがつまずきやすいポイントを事前に知っておくことで、スムーズに活用できるようになります。
そのため、導入前でも後でもぜひ一度チェックしておきたい内容です。
- Q1:アクティベーションしないと音が出ないの?
はい、初回起動時にユーザー名とシリアル番号を入力しないと音は鳴りません。
正しく登録するとすぐに使用可能になります。 - Q2:MIDIキーボードがないと使えない?
いいえ、画面上のパッドをマウスでクリックして音を鳴らすこともできます。
もちろんMIDIキーボードがあればより快適です。 - Q3:ROMは増やせますか?
ROM自体の追加はできませんが、カスタムパッド機能を使えば、任意のWAVやAIFFファイルを追加して音源を拡張できます。 - Q4:複数のパッドに同じ音を割り当てられる?
はい、1つのサウンドを複数のMIDIノートに割り当てることが可能です。
演奏の幅を広げたい時に便利です。 - Q5:どのOSで動作しますか?
Windows 7以降、macOS 10.13以降(IntelおよびM1〜M4対応)、Linuxにも対応しています。
ほとんどの環境で動作します。 - Q6:他のVSTと併用できますか?
もちろん可能です。MininnDrumはマルチアウト対応のため、他の音源やエフェクトと組み合わせて自由なミックスができます。
ライセンスや動作環境
MininnDrumを導入する際に気になるのが、ライセンスの扱いや自分のPC環境でちゃんと動作するかという点です。
こうした疑問を解消しておくことで、安心してインストール・運用ができ、トラブルや無駄な時間を回避できます。
特に複数の環境で制作をしている方や、古めのマシンを使っている方には重要なポイントになります。
- ライセンス形式はユーザー登録制:
購入後に登録したメールアドレスとシリアルキーを使用してアクティベーションを行います。
1ライセンスにつき、複数台のPCで利用するには制限がありますが、同一ユーザーの個人使用であれば基本的に問題ありません。 - OS対応状況:
Windows 7以降、macOS 10.13以降(Intel/Apple Silicon M1〜M4対応)、Linuxにも幅広く対応しています。
新旧のPCでも安定した動作が可能です。 - プラグイン形式の豊富さ:
AAX、AU、VST2、VST3、CLAPと、多くのDAWやOSに対応できるプラグイン形式が揃っているため、互換性の心配は少ないです。 - インストール制限やDRMは軽め:
常時インターネット接続は不要。アクティベーション完了後はオフライン環境でも使用可能です。 - アップデート対応も継続中:
公式サイトでは定期的にアップデートが提供されており、最新OSやDAWにも素早く対応しています。
まとめ:MininnDrumで80年代の名機サウンドを現代に|DTMプラグインセール
今回の記事では、MininnDrumの特徴や使い方、そしてその音作りの可能性について詳しくご紹介しました。
以下に要点をまとめます。
- MininnDrumはLinn LM-1を再現した高性能ドラムVST
- 3種類のROMで幅広いサウンドに対応(LM-1、9000、カスタム80’s)
- 16chマルチアウトでプロレベルの音作りが可能
- カスタムパッドでオリジナルサンプルも使える
- DAW別のマルチアウト設定手順も解説
- Lo-FiからEDMまでジャンルに合わせて使い分け可能
このように、MininnDrumは80年代の名機を現代の制作環境で再現できるだけでなく、柔軟なカスタマイズと高い操作性で、初心者からプロまで満足できるドラム音源です。
この記事を読んだことで、「使ってみたい」「音を確かめてみたい」と感じた方は、ぜひそのポテンシャルを体験してみてください。


