
Disintegrative Iterations for Ableton Liveは、ループ音源を繰り返しフィードバックさせながら、少しずつ音を崩壊させていくAbleton Live用エクステンションです。
リバーブやノイズを加えるのではなく、元の音だけを素材として時間の経過による変化を表現できます。
この記事では、Disintegrative Iterations for Ableton Liveの特徴や機能、各パラメーター、動作環境について詳しく紹介します。
Disintegrative Iterations for Ableton Live:ループ音源を少しずつ崩壊させるAbleton Live用エクステンション

Disintegrative Iterations for Ableton Liveは、Ableton Liveで使えるオーディオ処理用のエクステンションです。
1つのループを何度も自分自身へフィードバックし、そのたびに少しずつ音を変化させていきます。
一般的なエフェクトのように新しい音を加えるのではありません。
元の音だけを素材として使い、その音が時間の経過とともに崩れ、痩せ細り、最後にはわずかな残響だけが残るような変化を作り出します。
ループを繰り返すほど音は少しずつ劣化していきますが、毎回元の音を処理するのではなく、前回処理された音をさらに処理する仕組みです。
そのため、変化が積み重なり、自然な崩壊を表現できます。
Disintegrative Iterationsの特徴
Disintegrative Iterationsには、一般的なディレイやリバーブとは異なる特徴があります。
- 元の音だけを素材として変化する
- リバーブやノイズなどの音を追加しない
- 劣化が積み重なっていく「累積的な崩壊」を再現する
- 音の変化にはランダム性があり、毎回異なる結果になる
- 音が徐々に崩れていく過程そのものを作品として扱える
音を加工するというよりも、「時間によって変化した音」を作るツールといえるでしょう。
Ableton Live Extensionとして動作
Disintegrative Iterationsは、Ableton LiveのExtension機能を利用して動作します。
Ableton Live内で直接オーディオを処理できるため、通常のプラグインとは少し異なる使い方になります。
インストールは、付属する「.ablx」ファイルをAbleton LiveのExtensions設定へドラッグ&ドロップするだけです。
パラメーター一覧
各パラメーターは固定値を指定するのではなく、最終的な到達点や変化の幅を決めます。
その範囲の中でランダムな変化が生まれます。
Brightness
高域成分がどれだけ残るかを調整します。
- 値を低くすると高音域が失われ、こもった音になる
- 値を高くすると高域が長く残る
- 音の明るさをコントロールできる
Matter
音そのものがどれだけ残るかを決めます。
- 値を下げると音の欠落が増える
- 無音部分が徐々に固定される
- 値を上げると元の音を比較的維持できる
Level
劣化後の音量の着地点を設定します。
- 最終的な音量を決める
- 劣化速度を変えるパラメーターではない
Tear
テープが裂けたような変化を作ります。
- 音の途中から時間軸が少しずつズレる
- ループ長がわずかに変化する
- ドリフト感のある再生になる
Stereo Decay
左右チャンネルの位相を少しずつ変化させます。
- 左右で異なる揺れが発生する
- ステレオ感が徐々に変化する
- モノラルにはならず立体感を維持する
Warble
テープマシンの回転ムラのような揺らぎを加えます。
- ピッチがゆっくり揺れる
- 再生速度もわずかに変化する
- 古いテープ機材のような不安定さを演出できる
Passes
ループを何回繰り返すかを指定します。
- フィードバック回数を設定する
- 回数を増やすと変化の途中経過がより細かくなる
- 最終的な劣化の到達点自体は変わらない
Generate MIDI from holes
音の欠落部分からMIDIを生成できます。
- 無音になった部分へMIDIノートを配置
- 1つの欠落につき1つのMIDIノートを生成
- シンセやサンプラーの演奏に利用できる
- 音の崩壊パターンを別の楽器へ活用できる
入力できるオーディオ
処理できるクリップには条件があります。
- Arrangement Viewのクリップのみ対応
- Session Viewのクリップには非対応
- 対象クリップを右クリックして処理を実行する
出力されるファイル
処理後は新しいオーディオファイルが生成されます。
- 1本の連続したWAVファイルとして出力
- 元クリップと同じ位置へ配置
- 16-bit PCM形式
- プロジェクトと同じサンプルレート
- モノラル・ステレオの両方に対応
オフラインレンダリング方式
リアルタイム処理ではなく、オフラインレンダリングで処理します。
- 一括で音声を書き出す
- 元のクリップは変更されない
- 新しいオーディオとして保存される
プレビュー機能
本番レンダリング前に結果を確認できます。
- 一部分だけを先に処理
- 音の崩れ方を確認できる
- 完全なレンダリング前に方向性を判断できる
動作環境
利用する前に、対応するAbleton Live環境を用意する必要があります。
- Ableton Live Extensions対応版が必要
- macOS・Windowsの両方に対応
- Extensions非対応版では利用できない
まとめ:Structure Void「Disintegrative Iterations for Ableton Live」ループ音源を時間とともに自然に劣化させ、独自のサウンドデザインを実現するAbleton Live用エクステンション|DTMプラグインセール
Disintegrative Iterations for Ableton Liveは、ループを繰り返しながら音を少しずつ崩壊させていくAbleton Live用エクステンションです。
新しい音を加えるのではなく、元の音だけを使って自然な劣化を積み重ねていく点が最大の特徴です。
高域の減衰や音の欠落、テープのような揺れ、ステレオの変化などを細かく調整できるため、アンビエントや実験音楽、サウンドデザインなど幅広い制作で活用できます。
