
EQしている感じを出さずに、音そのものの雰囲気を変えたい
そんな人に刺さりそうなのが、AirwindowsのBezEQ3です。
一般的なEQとはかなり発想が異なり、帯域を細かく整理するというより、“音の声色”を自然に変化させる独特なプラグインになっています。
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BezEQ3とは? Airwindowsの“普通じゃないEQ”
BezEQ3は、Airwindowsの開発者Chris Johnson氏が制作したEQプラグインです。
前作「BezEQ2」を発展させたモデルで、以下のような改良が加えられています。
- 4バンド構成になった
- 各バンドにスイープ操作を搭載
- ゼロレイテンシ化
- フィルターの滑らかさを改善
- 独特の“音のまとまり感”をさらに強化
ただし、このEQは「精密に帯域を削るタイプ」ではありません。
むしろ、
「音全体の声色を変える」
そんな感覚に近いEQです。
最大の特徴は“EQっぽく聞こえない”こと
BezEQ3を語る上で、最も重要なのがここです。
普通のEQは、
- 低域を持ち上げる
- 中域を削る
- 高域を強調する
といったように、帯域ごとの変化を比較的ハッキリ感じます。
しかしBezEQ3は違います。
音を大きく変えているのに、“EQしました感”が出にくい設計になっています。
開発者自身も、
「録音時からその音だったように聞こえる」
というニュアンスで説明しています。
透明なのに、大胆に音を変えられる
BezEQ3では、フラット状態のときに完全透明な動作を目指しています。
しかも面白いのは、極端な設定にしても、音がバラバラになりにくい点です。
一般的なEQでは、強くブーストすると、
- 帯域が分離しすぎる
- 音像が崩れる
- 加工感が強く出る
といったことが起きやすくなります。
一方のBezEQ3は、かなり大胆に音色を変えても、“ひとつの音”としてまとまりやすい傾向があります。
ここが、このプラグイン最大の個性です。
ゼロレイテンシ化で、さらに独特な挙動に
BezEQ3では、内部ディレイラインを廃止しています。
その結果、ゼロレイテンシ動作を実現しました。
ただし、その代償としてフィルターの挙動がかなり特殊になっています。
例えば、
- ある帯域を持ち上げると別の帯域が変化する
- 各バンドが相互に影響し合う
- 思った通りの“帯域分離”にならない
といった特徴があります。
つまり、普通のパラメトリックEQのように、
「この帯域だけをピンポイント処理する」
という考え方には向いていません。
“周波数を整える”より“声色を作る”EQ
BezEQ3は、開発者いわく「Voicing」に近いEQです。
日本語で言うなら、
- 音のキャラクター作り
- 声色の調整
- 空気感の演出
に近い感覚でしょう。
帯域を切り分けてミックスを整理するというより、
「音楽全体の雰囲気を自然に変える」
方向性のEQです。
現代的ミックスとは真逆の発想
BezEQ3は、最近の細かいミックス手法とはかなり思想が違います。
現代的なミックスでは、
- 各トラックを細かく分離
- 周波数を整理
- 不要帯域を削除
- 役割を明確化
という考え方が一般的です。
しかしBezEQ3は、そうした「帯域の分解」をあまり得意としません。
開発者も、
「音を細かく切り分けるEQではない」
とかなり明確に説明しています。
そのため、
- モダンなミックスを追求する人
- surgical EQに慣れている人
- 細密な帯域処理をしたい人
には、扱いづらく感じる可能性があります。
一方で“昔ながらのミックス感覚”とは相性が良い
逆に、BezEQ3は昔ながらのアナログ的な感覚と非常に相性が良いEQです。
特に、
- 少ないトラック数で迫力を出したい
- 生々しいエネルギー感を残したい
- EQ臭さを出したくない
- 音を自然に前へ出したい
という用途では、かなり面白い結果が得られそうです。
開発者は、
「モノラルでミックスしても強烈に鳴る」
という方向性まで語っています。
これは単なる帯域調整というより、“音楽の押し出し感”を作るEQとして設計されていることが分かります。
SmoothEQ2との違い
同じAirwindowsには「SmoothEQ2」というEQもあります。
こちらは比較的“普通のEQ”に近い設計です。
違いをざっくり整理すると、こんな感じになります。
SmoothEQ2
- 一般的なEQに近い
- DF1バイクアッドフィルター採用
- 帯域のコントロールが分かりやすい
- 細かい調整向き

BezEQ3
- 帯域が相互作用する
- EQらしく聞こえない
- 音全体の質感変化が中心
- “声色作り”に近い
普通のEQを求めるならSmoothEQ系、
独特な音楽的変化を求めるならBezEQ3、という住み分けになりそうです。
BezEQ3は人を選ぶEQ
開発者自身も、
「好きか嫌いか極端に分かれる」
と語っています。
実際、このEQはかなりクセがあります。
そのため、
ハマる人
- 音楽的なEQを求める人
- アナログ感覚が好きな人
- 空気感や存在感を重視する人
- “加工感の少ない変化”を求める人
合わない可能性がある人
- 精密な帯域処理をしたい人
- 現代的な分離系ミックス中心の人
- 数値通りにEQしたい人
- 外科的EQを多用する人
こうした違いはかなりハッキリ出そうです。
対応フォーマット
BezEQ3は以下の形式で提供されています。
- AU
- VST2
- VST3
- CLAP
- LV2
Windows / Mac / Linuxに対応しています。
また、Airwindows Consolidated版にも収録されています。
まとめ:Airwindows「BezEQ3」“EQしている感じ”を出さずに音の空気感と存在感を変える異色の4バンドEQ|DTMプラグインセール
BezEQ3は、“普通のEQ”ではありません。
帯域を切り分けて整理するというより、
「音そのものの空気感を作る」
かなり独特なタイプのEQです。
- EQ感が出にくい
- 音が自然につながる
- 大胆に変えてもまとまりやすい
- 帯域分離型のEQではない
- “声色作り”に近い感覚
こうした特徴を見ると、現代的な精密EQというより、音楽的な質感調整ツールとして捉えたほうが理解しやすいかもしれません。
ハマる人には、かなり特別な存在になりそうなEQです。
