
モジュラーシンセに興味はあるけれど、「難しそう」と敬遠していませんか?
BazilleCMは、u-heのフラッグシップシンセ「Bazille」のエッセンスを手軽に体験できる、小型ながら本格的なモジュラーシンセです。
この記事では、その魅力と機能をわかりやすく紹介します。
CONTENTS
BazilleCM:モジュラーシンセ入門に最適な“小さなモンスター”

BazilleCMは、u-he社が誇るモジュラーシンセ「Bazille」のコンパクトバージョンです。
小型版とはいえ、モジュラーシンセの世界を体感するには十分すぎる機能を備えており、「モジュラーって難しそう…」と思っていた方にも入りやすい設計となっています。
以下でBazilleCMの主な機能、音作りの特徴、対応環境、上位版との違いまで、詳しく解説していきます。
BazilleCMの特徴と主な機能
BazilleCMは、「Computer Music」誌の付録用に開発されたソフトウェアですが、現在は公式サイトから自由にダウンロード可能となっています。
以下に、BazilleCMの主な機能と特長をまとめます。
モジュラーアーキテクチャ
- 自由な信号の接続が可能なモジュラー型構成
- 各モジュールをパッチケーブルで接続して音を作る本格的な設計
- 小型ながらもモジュラーの醍醐味を味わえる
オシレーター部
- 2基のデジタルオシレーターを搭載し、以下の3方式を同時使用可能
- FM(周波数変調)
- デジタル特有の鋭い倍音を作り出す
- PD(フェーズディストーション)
- カシオ系の音色でおなじみの、独特な変調方法
- FR(フラクタル・レゾナンス)
- オシレーター・シンクに似た効果を生む新しい音色生成技術
- FM(周波数変調)
- 複数の音作り方式を同時に適用可能なため、非常に幅広いサウンドデザインが可能
フィルター部
- アナログ風のマルチモードフィルターを搭載
- 以下の6種類の出力を同時に扱える
- ローパス×4種
- バンドパス
- ハイパス
- 自己発振にも対応しており、サウンドに個性的なテクスチャを加えることができる
- 以下の6種類の出力を同時に扱える
- デジタルオシレーターとの組み合わせにより、アナログらしい温かさとモジュラーらしい鋭さを両立
シーケンサー
- 16ステップ・シーケンサーを搭載
- 8つのスナップショット(モーフィング可能)
- 4つの出力ソケットにより、パラレルなステップシーケンス、エンベロープトリガーなどの制御が可能
- リズムパターンだけでなく、モジュレーションソースとしても活用できる
モジュレーション機能
- LFO(低周波発振器):1基搭載、パラメーター変調に利用可能
- エンベロープ:2基搭載(Fall / Riseコントロールはなし)
- モジュレーション・マッパー:1基
- ラグ・ジェネレーター(スムージング):1基
エフェクト
- ステレオディレイのみ搭載
- 左右のチャンネルに独立したタイム/ボリューム設定が可能
- ホストシンクにも対応
- フィルターやテープ風ワブルを使って立体的な空間演出が可能
インターフェース
- シングルページ設計
- 全機能が1画面に収まっており、初心者でも迷いにくい
- スキン対応
- 好みに合わせて外観を変更可能
- MIDI Learn機能
- 外部コントローラーとの割り当ても直感的に設定できる
プリセット
- 265種類以上のファクトリープリセットを収録
- 初期状態からすぐに音作りが始められる
- 実験的な音色から、パッドやリード、シーケンス系まで多彩にカバー
Bazilleとの違い(比較)
「BazilleCM」は、上位版「Bazille」の機能を一部に絞ったモデルですが、音質や基本構造は同じエンジンを使用しています。
主な違いは以下の通りです。
スクロールできます
機能項目 | Bazille | BazilleCM |
---|---|---|
オシレーター | 4基 | 2基 |
フィルター | 4基 | 1基 |
LFO | 2基 | 1基 |
エンベロープ | 4基(Fall/Riseあり) | 2基(Fall/Riseなし) |
ランプジェネレーター | 2基 | 0基 |
モジュレーションマッパー | 2基 | 1基 |
デュアルラグジェネレーター | 2基 | 1基 |
エフェクト | 4種(Delay, Distortion, Phaser, Reverb) | Delayのみ |
高音質モード | 対応 | 非対応 |
マルチコア対応 | 対応 | 非対応 |
最大ポリフォニー | 16ボイス | 8ボイス |
ボイススタック | 最大8ボイス重ね可 | 非対応 |
BazilleCMはこんな人におすすめ
- モジュラーシンセの仕組みを理解したいが、いきなり本格的すぎるのは不安な人
- Bazilleの音質を体験してみたい人
- デジタル特有のサウンドとアナログ的な温かさを両立したシンセを探している人
- 無駄な機能がない、シンプルな設計で実験的な音作りを楽しみたい人
- 音作り初心者でもプリセットからスタートできる環境を求めている人
対応環境とシステム要件
BazilleCMは主要なOSに対応しています。
対応OS
- Windows 7以降(32bit / 64bit)
- macOS 10.10以降(64bit、AUv2・VST3対応、AAX非対応)
- Linux(ベータ版、glibc 2.28以降が必要)
ホストソフト(DAW)要件
- スタンドアロンでは使用不可。DAWで動作させる必要あり
- 対応フォーマット:VST3、AU(Mac)、AAX(Windowsのみ)
ハードウェア要件
- RAM:1GB以上(推奨は2GB以上)
- ディスプレイ解像度:1000×600ピクセル以上
- CPU:
- Intel Nehalem以降、またはAMD Bulldozer以降
- Apple Silicon M1以降に対応
まとめ:BazilleCMは“小さいけれど本格的な”モジュラーシンセ体験の入り口|DTMプラグインセール
BazilleCMは、単なる体験版ではなく、モジュラーシンセの魅力をギュッと凝縮した実用的なプラグインです。
- BazilleCMは、u-heのモジュラー型シンセ「Bazille」の簡易バージョン
- 2基のオシレーターでFM・PD・フラクタルレゾナンスの3方式を同時使用可能
- アナログスタイルのマルチモードフィルターと柔軟なモジュレーション機能を搭載
- ステレオディレイや16ステップシーケンサーなど、実用的な機能を厳選
- 265種類以上のプリセットで初心者もすぐ音作りを始められる
- シングルページUIと軽量設計で、モジュラー入門に最適な環境を提供
BazilleCMは、「小さいけれど本格的な」モジュラー体験を可能にする、初心者から中級者まで幅広く活用できるソフトシンセです。