
ギターやベースの録音では、アンプだけでなくキャビネットの再現もサウンドを左右する重要な要素です。
OrbitCabは、IRを読み込んでリアルなキャビネットサウンドを再現できる無料のキャビネットIRローダーです。
録音後でもキャビネットを変更できる柔軟性を備えており、自宅録音から本格的な音作りまで幅広く活用できます。
この記事では、OrbitCabの特徴や機能、使い方について詳しく紹介します。
OrbitCab:ギター・ベース録音に役立つ無料キャビネットIRローダー
ギターやベースの録音では、アンプシミュレーターだけでは完成したサウンドにならないことがあります。
そこで重要になるのがキャビネットシミュレーションです。
OrbitCabは、ギターやベースの最終的な音作りを担当するキャビネットIRローダーです。
アンプやプリアンプで作ったサウンドにキャビネットの響きを加え、実際にマイクで収録したスピーカーのような質感を再現できます。
オープンソースとして公開されており、Windows・macOS・Linuxで利用できます。
主な特徴は次のとおりです。
- ギターとベースの両方に対応
- IRファイルを読み込める
- 2つのIRを同時使用可能
- IRごとの細かな調整が可能
- Windows・macOS・Linux対応
- VST3・AU・CLAP形式に対応
- オープンソースで提供
OrbitCabの役割
ギターサウンドは大きく分けると以下の流れで作られます。
- エフェクター
- プリアンプ
- パワーアンプ
- キャビネット
この中でOrbitCabが担当するのはキャビネット部分です。
歪みや音色の基本的なキャラクターはアンプ側で作り、OrbitCabで実際のスピーカーとマイクを通したような音へ仕上げます。
録音時には「最後のひと押し」を担う重要な工程です。
OrbitCabを使うメリット
キャビネット部分をDAW内で処理することで、録音後でも自由に音作りを調整できます。
特に次のようなメリットがあります。
- 録音後にキャビネットを変更できる
- 複数のIRを試せる
- マイクのキャラクターを比較できる
- 実機キャビネットを用意する必要がない
- 自宅でも本格的な録音がしやすい
録音段階で音を固定せず、ミックス中に最適なサウンドを探せる点は大きな魅力です。
OrbitCabの代表的な使用方法
OrbitCabはさまざまな録音環境で利用できます。
DAWのみで完結する構成
最もシンプルな構成です。
- ギターまたはベース
- オーディオインターフェースのHi-Z入力
- アンプシミュレーター
- OrbitCab
- モニタースピーカー
アンプシミュレーターでアンプ部分を再現し、その後にOrbitCabを配置します。
プリアンプを利用する構成
実機プリアンプを活用する方法です。
- ギターまたはベース
- プリアンプ
- オーディオインターフェース
- OrbitCab
実機プリアンプのキャラクターを活かしながら、キャビネット部分だけをDAW内で処理できます。
リズムギターやベース録音との相性が良い構成です。
ロードボックスを使用する構成
真空管アンプを活用したい場合によく使われます。
- ギターアンプ
- ロードボックス
- オーディオインターフェース
- OrbitCab
パワーアンプまで実機を使い、キャビネット部分のみOrbitCabで再現します。
ギタープロセッサーを使う構成
マルチエフェクターやアンプモデラーを利用する方法です。
- ギタープロセッサー
- オーディオインターフェース
- OrbitCab
この場合はプロセッサー側のキャビネットシミュレーションをオフにして使用します。
エフェクターのみを使用する構成
歪みペダルを活かしたい場合の方法です。
- エフェクターボード
- オーディオインターフェース
- アンプシミュレーター
- OrbitCab
実機ペダルのサウンドを活かしながら録音できます。
ダブルキャビネットに注意
OrbitCabを使用する際に注意したいのがダブルキャビネットです。
すでにキャビネットシミュレーションが含まれている音に対して、さらにOrbitCabを追加すると音が不自然になります。
例えば次のようなケースです。
- マイク録音済みのキャビネット音
- キャビネットシミュレーションONのアンプ
- キャビネットシミュレーションONのプロセッサー
このような状態でOrbitCabを使うと、音がこもったり箱鳴り感が強くなったりします。
キャビネットは基本的に1つだけにするのが理想です。
OrbitCabの主な機能
OrbitCabでは2つのIRを読み込み、それぞれを細かく調整できます。
2つのIRをブレンド可能
異なるキャビネットやマイクのIRを組み合わせられます。
- 音の厚みを加える
- 高域と低域を補完する
- キャラクターの異なるIRを混ぜる
ミックスに合わせて柔軟に調整できます。
HPF
不要な低域をカットする機能です。
主な用途は次のとおりです。
- 低域の濁りを抑える
- ミックスを整理する
- 不要な振動成分を除去する
LPF
高域をコントロールする機能です。
- 耳に痛い高域を抑える
- 歪みのザラつきを軽減する
- 音を落ち着かせる
TRIM
IRの残響成分を調整します。
- タイトな音にする
- 響きを短くする
- 余韻を残す
音のキャラクターを細かく作り込めます。
Dry/Wet
原音とIR処理後の音をブレンドします。
- アタック感を強調する
- 原音の輪郭を残す
- 抜けを改善する
設定によっては位相の影響が出る場合があります。
Phase
位相反転機能です。
- 2つのIRを組み合わせる場合
- DI音とアンプ音を混ぜる場合
- 位相ズレを補正したい場合
サウンドのまとまりを改善できます。
IRとは
IRはImpulse Responseの略称です。
特定のキャビネットとマイクの特性を記録したWAVファイルであり、その情報を使って実際の収録環境を再現します。
IRを変更すると次のような要素が変化します。
- 音の明るさ
- 中域の存在感
- 低域の厚み
- マイクのキャラクター
- キャビネットの個性
アンプを変えるのと同じくらい大きな音の変化を得られることもあります。
OrbitCabはアンプシミュレーターではない
OrbitCabはアンプシミュレーターではありません。
役割はあくまでキャビネット部分です。
そのため単体で歪みやアンプサウンドを作ることはできません。
一般的な使用順序は次のようになります。
- アンプシミュレーター
- プリアンプ
- ギタープロセッサー
- OrbitCab
- EQ
- コンプレッサー
チェーンの最後に配置することで本来の効果を発揮します。
自分のIRを読み込める
OrbitCabには独自のIRを読み込めます。
利用できるものは次のとおりです。
- 自作IR
- サードパーティ製IR
- 市販IRパック
- 無料配布IR
お気に入りのキャビネットサウンドを自由に組み合わせられます。
ベースにも対応
OrbitCabはギター専用ではありません。
ベース用IRを読み込むことでベース録音にも活用できます。
使用方法はギターと同じです。
- 2つのIRスロット
- ブレンド機能
- 個別パラメーター調整
ベースサウンドの作り込みにも役立ちます。
対応環境
対応環境は、以下の通りです。
Windows
- VST3
- CLAP
- Standalone
macOS
- VST3
- AU
- CLAP
- Standalone
Linux
- VST3
- CLAP
- Standalone
Linux向けにはネイティブ版も用意されています。
まとめ:Darwin’s Cat「OrbitCab」2つのIRをブレンドして理想のキャビネットサウンドを作れる、ギター・ベース向けIRローダー|DTMプラグインセール
OrbitCabは、ギターやベース録音におけるキャビネット部分を担当するIRローダープラグインです。
アンプシミュレーターや実機プリアンプと組み合わせることで、より自然で完成度の高いサウンドを作れます。
主なポイントをまとめると以下のとおりです。
- キャビネットIRを読み込める
- 2つのIRをブレンド可能
- ギターとベースに対応
- 録音後もキャビネットを変更できる
- Windows・macOS・Linuxで利用可能
- オープンソースとして公開されている
アンプサウンドの仕上がりにこだわりたい人にとって、OrbitCabは非常に実用的な選択肢のひとつです。
