
通常のピアノロールでは表現しにくい微細な音程調整を行いたいなら、XenRollは注目したいプラグインです。
1セント単位で音程を編集できるほか、マイクロトーナル音楽制作に役立つ分析機能やリアルタイム入力機能も搭載しています。
この記事では、XenRollの特徴や使い方、対応環境について詳しく紹介します。
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XenRoll:1セント単位で音程を編集できるマイクロトーナル対応ピアノロールプラグイン

通常のDAWやピアノロールでは扱いにくいマイクロトーナル音楽を制作したい人に向けて開発されたのが「XenRoll」です。
XenRollは、音程を1セント単位で自由に設定できるマイクロトーナル対応のピアノロール型オーディオプラグインです。
一般的な12平均律に縛られず、細かな音程調整や独立したピッチベンド編集を行えます。
さらに、音程の安定性や協和性を可視化する独自機能も搭載しており、実験音楽や現代音楽、微分音音楽の制作環境として活用できます。
XenRollの特徴
XenRollには、一般的なMIDIピアノロールにはない独自機能が多数搭載されています。
主な特徴は以下の通りです。
- 1セント単位で音程を指定可能
- 1オクターブを1200セントとして扱う1200 EDOピアノロール
- ノートごとに独立したピッチベンド編集に対応
- ピッチカーブを視覚的に表示可能
- 音程の安定性や協和性を可視化
- 不協和音分析機能を搭載
- 歌声やハミングからリアルタイムでノート生成
- キーボード演奏および録音に対応
- 音程やコードを表示するクロックダイアグラム機能
- トラックのインポート・エクスポート機能
- 複数インスタンス間でゴーストノート表示
- MPEおよびMTS-ESPに対応
マイクロトーナル音楽制作を前提に設計されているため、従来のMIDI編集では難しい細かな音程操作を行えます。
1セント単位の音程編集に対応
XenRoll最大の特徴は、音程を1セント単位で設定できることです。
通常のMIDIは半音単位が基本ですが、XenRollではさらに細かな音程指定が可能です。
具体的には以下のような用途に活用できます。
- 微分音音楽の制作
- 純正律の再現
- 独自音律の作成
- 実験音楽制作
- 民族音楽の再現
- 音響研究
一般的なDAWのピアノロールでは実現しにくい音程設計を行えます。
独立したピッチベンド編集
各ノートに対して個別のピッチベンドを適用できます。
通常のMIDIピッチベンドはトラック全体に影響します。
一方でXenRollはノートごとに独立したピッチ操作を行えるため、複雑な音程変化を視覚的に編集できます。
主な用途は以下の通りです。
- 滑らかな音程移動
- 微細なビブラート表現
- グリッサンド制作
- 独自スケール間の移行
- マイクロトーナルメロディ作成
編集内容はピッチカーブとして表示されるため、変化量を確認しながら作業できます。
音程の安定性と協和性を可視化
XenRollには独自の短期ピッチメモリーモデルが搭載されています。
現在鳴っている音や過去の音を分析し、音楽的な関係性を可視化します。
確認できる情報は以下の通りです。
- 調性感
- 音程の安定性
- 協和性
- 不協和性
単なるピアノロールではなく、音楽理論的な分析ツールとしても利用できます。
2種類の不協和音モデル
不協和性の分析には2種類のモデルが用意されています。
- 音程の密集度に基づくモデル
- 倍音同士のうなりに基づくモデル
どちらも視覚的に表示されるため、複雑な和音構成を検討するときに役立ちます。
歌声からリアルタイム入力
歌声やハミングを利用してリアルタイムでノートを生成できます。
入力された音程を検出し、そのままノートやピッチカーブとして記録可能です。
活用例としては以下があります。
- メロディの即興録音
- ボーカルフレーズの下書き
- マイクロトーナルフレーズ作成
- 音程アイデアの記録
楽器を使わなくても音程情報を直接入力できます。
クロックダイアグラム機能
リアルタイムで音程関係を表示するクロックダイアグラム機能を搭載しています。
表示できる要素は以下の通りです。
- 音高
- 音程
- コード構成
演奏中の音楽構造を視覚的に把握しやすくなります。
複数インスタンスでの制作に対応
同じプロジェクト内で複数のXenRollを利用できます。
各インスタンスは独立して動作しながら、他のインスタンスのノートをゴーストノートとして表示できます。
そのため、
- パート間の確認
- 対位法作曲
- 複数声部の調整
- ハーモニー構築
といった作業を効率的に進められます。
XenRollの基本的な使い方
XenRollはDAW内で利用することを前提に設計されています。
基本的な構成は以下の通りです。
- XenRollをトラックへ挿入
- XenRollの後段にシンセサイザーまたはサンプラーを配置
- XenRollから音程情報を送信
- シンセ側で実際の音を鳴らす
単体で音源として動作するプラグインではありません。
2種類のチューニングモード
XenRollでは以下の2種類のチューニング方式を選択できます。
- MPE
- MTS-ESP
プロジェクト内の全XenRollインスタンスで共通設定となります。
設定変更後はプロジェクトの再読み込みが必要です。
MPEモード
初期状態で選択されているモードです。
多くのDAWで利用できます。
特徴は以下の通りです。
- 幅広いDAWに対応
- MPE対応音源が必要
- MIDIチャンネルごとに音程制御
- 同一音高ポリフォニーに対応
- インスタンス数の制限なし
使用するシンセ側ではMPEを有効にする必要があります。
また、ピッチベンドレンジをXenRollと一致させる必要があります。
MTS-ESPモード
より高精度な音程制御を行えるモードです。
特徴は以下の通りです。
- 非常に高い音程精度
- MTS-ESP対応音源が必要
- 最大16インスタンス
- MIDIチャンネル単位で管理
- 音高を周波数ベースで制御
MPEを無効化し、MTS-ESPクライアント対応音源を利用します。
音程精度について
MPEモードでも非常に高い精度を実現しています。
ピッチベンドレンジごとの最大誤差は以下の通りです。
- ±12半音:約0.07セント
- ±24半音:約0.15セント
- ±48半音:約0.29セント
- ±96半音:約0.59セント
MTS-ESPモードでは、倍精度浮動小数点による周波数指定を利用するため、理論上ほぼ誤差のない音程制御を行えます。
入力遅延について
DAWによっては入力遅延が発生する場合があります。
以下の症状が見られることがあります。
- ノート試聴時の遅延
- キーボード演奏時の遅延
- 録音時の遅延
- 再生ヘッドの先走り
原因はDAW側の「Anticipative FX Processing」機能です。
気になる場合は設定を無効化するか、値を小さくすることで改善できます。
動作確認済みシンセ・サンプラー
XenRollでは複数の音源で動作確認が行われています。
対応実績がある主な製品は以下の通りです。
- Surge XT
- Serum
- Serum 2
- Pianoteq
- Shortcircuit XT
- Junior
- Vital
- Diva
上記以外の音源でも、MPEまたはMTS-ESPに対応していれば利用できる可能性があります。
ソースコードからビルドする方法
ソースコードからビルドする場合は以下の環境が必要です。
- JUCE
- C++コンパイラ
- CMake
- Boostライブラリ
付属のビルドスクリプトを利用してビルドできます。
VS Codeでデバッグする場合は、launch.jsonの設定が必要です。
対応プラットフォーム
現在提供されているのはVST3版です。
対応OSは以下の通りです。
- Windows
- Linux
- macOS
プラグイン形式はVST3のみとなっています。
まとめ:Ankalot「XenRoll」1セント単位で音程を自由に編集できるマイクロトーナル対応ピアノロールプラグイン|DTMプラグインセール
XenRollは、マイクロトーナル音楽制作に特化した高機能なピアノロールプラグインです。
1セント単位の音程編集に対応し、独立したピッチベンドやリアルタイム音程入力、協和性分析機能などを搭載しています。
一般的なMIDI編集の枠を超えた自由な音程設計ができるため、微分音音楽や実験音楽を制作したい人にとって非常に魅力的なツールです。
MPEとMTS-ESPの両方に対応しており、環境に合わせて柔軟に運用できます。
マイクロトーナル作曲や独自音律の研究に興味がある方は、一度試してみる価値のあるプラグインです。
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