
Volume Dealerは、LUFS測定とTrue Peakリミッターを組み合わせたマスタリング向けプラグインです。
目標ラウドネスを設定してボタンを押すだけでゲインを自動調整できるため、配信向けの音量管理を効率化できます。
この記事では、Volume Dealerの特徴や主な機能、使い方について詳しく解説します。
Volume Dealer:LUFS自動調整に対応した無料マスタリングリミッタープラグイン

Volume Dealerは、M Media Audioが開発したマスターバス向けのリミッタープラグインです。
単なるリミッターではなく、LUFS測定とラウドネス調整を組み合わせたマスタリングツールとして設計されています。
楽曲を再生してラウドネスを測定し、目標LUFSを設定してボタンを押すだけで、必要なゲイン補正を自動で適用できるのが特徴です。
対応フォーマットは以下のとおりです。
- VST3
- Audio Units(AU)
- Windows対応
- macOS対応
- Linux対応
マスタリング作業を効率化したい人に向いています。
Volume Dealerの主な特徴
Volume Dealerには、マスタリングに必要な機能がまとめられています。
主な特徴は以下のとおりです。
- True Peak対応リミッター
- BS.1770準拠のLUFSメーター
- 自動ラウドネス調整機能
- オーバーサンプリング機能
- ディザリング機能
- クリップ監視機能
- レイテンシー表示
ラウドネス管理から最終書き出しまでを1つのプラグインで行えます。
LUFS自動調整機能
Volume Dealer最大の特徴が「Set Level」機能です。
通常、マスタリングでは現在のLUFS値を確認しながらゲインを何度も調整します。
Volume Dealerではその作業を自動化できます。
使い方は非常にシンプルです。
- 楽曲を再生する
- Integrated LUFSを測定する
- 目標LUFSを設定する
- Set Levelをクリックする
すると現在のラウドネスと目標値との差を計算し、必要なゲイン補正量を自動適用します。
手計算は不要です。
何度も調整を繰り返す必要もありません。
また、適用された補正量は「Gain Applied」に表示されるため、どれだけゲインが変更されたのかも確認できます。
True Peakリミッター
Volume DealerはTrue Peak対応のブリックウォールリミッターを搭載しています。
出力上限は以下の設定です。
- Ceiling:-0.01dBFS
ピークが上限を超えないよう制御しながら、ラウドネスを確保できます。
さらにルックアヘッド方式を採用しているため、急激なピークにも対応可能です。
Edge Roundingでリミッターの効き方を調整
Volume Dealerには「Edge Rounding」というパラメーターがあります。
これはリミッターのかかり方を調整する機能です。
設定範囲は以下のとおりです。
- 0%:硬めのブリックウォール
- 100%:6dBのソフトな移行
素材によってはリミッターの動作が目立つことがあります。
その場合はEdge Roundingを調整することで、より自然な聞こえ方を目指せます。
Input Trim機能
入力ゲインを調整するInput Trimも搭載されています。
調整範囲は以下のとおりです。
- -12dB ~ +12dB
メーター測定やリミッティング処理の前段階でレベルを調整できます。
High Qualityモード
High Qualityモードは、以下の通りです。
オーバーサンプリングに対応
High Qualityモードでは2倍オーバーサンプリングを使用します。
DAコンバーターでは、デジタル上で問題がなくても再生時にインターサンプルピークが発生する場合があります。
Volume Dealerはその問題に対応しています。
主な特徴は以下のとおりです。
- 2倍オーバーサンプリング処理
- インターサンプルピーク検出
- True Peak精度向上
- 出力時に再度ピーク制御
最終的な書き出し時に有効化することで、より安全なマスタリングが可能になります。
Standardモードとの違い
Standardモードは低レイテンシーで動作します。
そのため以下の用途に向いています。
- ミックス作業
- モニタリング
- 制作中の確認
一方でHigh Qualityモードは以下の用途向けです。
- 最終マスタリング
- オーディオ書き出し
- 配信用データ作成
LUFSメーター機能
Volume Dealerには本格的なLUFS測定機能が搭載されています。
測定できる項目は以下のとおりです。
- Integrated LUFS
- Momentary LUFS
- Short-Term LUFS
Integrated LUFS
リセット以降の平均ラウドネスを表示します。
Set Level機能でも使用される重要な指標です。
Momentary LUFS
短時間のラウドネス変化を表示します。
測定ウィンドウは以下から選択できます。
- 400ms
- 3000ms
Short-Term LUFS
3秒間の平均ラウドネスを表示します。
楽曲内のラウドネス推移を把握しやすくなります。
BS.1770-3とBS.1770-4に対応
Volume DealerはITU-R BS.1770規格に対応しています。
選択できる規格は以下の2種類です。
- BS.1770-3
- BS.1770-4
BS.1770-4ではゲート処理が追加されています。
これにより無音に近い部分を平均ラウドネス計算から除外できます。
実際の聴感に近いラウドネス測定が可能です。
メーター表示機能
視認性の高いメーターも搭載されています。
表示できる情報は以下のとおりです。
- VUメーター
- ゲインリダクション表示
- クリップ表示
- 出力ピーク表示
- レイテンシー表示
- 適用ゲイン表示
VUメーターは300msの標準的な挙動で動作します。
出力ピークは2秒間保持されるため、ピーク確認もしやすくなっています。
ディザリング機能
書き出し時に利用できるディザリング機能も搭載されています。
選択肢は以下のとおりです。
- Off
- 24bit Noise Shaped
- 16bit Noise Shaped
24bitや16bitへ変換して書き出す際に活用できます。
推奨ワークフロー
Volume Dealerの基本的な使い方はシンプルです。
- マスターバスの最後に挿入
- Target LUFSを設定
- 楽曲を最初から再生
- Integrated LUFSを安定させる
- Set Levelをクリック
- 再生して確認
- 必要に応じてEdge Roundingを調整
- High Qualityモードで最終書き出し
- 必要に応じてディザーを有効化
- エクスポート
短時間でラウドネス管理を行えるのが魅力です。
対応環境
対応環境は、以下の通りです。
Windows
- Windows 10
- Windows 11
- VST3(64bit)
macOS
- macOS 11 Big Sur以降
- VST3
- AU
- Intel Mac対応
- Apple Silicon対応
Linux
- Ubuntu 22.04以降
- VST3(64bit)
Linux版はReaper for Linuxで動作確認されています。
システム要件
必要環境は比較的軽量です。
- 64bit対応ホスト
- 256MB RAM
動作確認済みDAWの例は以下のとおりです。
- Reaper
- Cubase
- Studio One
- Ableton Live
- FL Studio
- Bitwig Studio
- Nuendo
- Logic Pro
- GarageBand
- MainStage
まとめ:M Media Audio「Volume Dealer」目標LUFSへの自動調整機能を搭載した無料のTrue Peakマスタリングリミッター|DTMプラグインセール
Volume Dealerは、True PeakリミッターとLUFSメーターを組み合わせたマスタリング向けプラグインです。
特に便利なのがSet Level機能です。
目標LUFSを設定してボタンを押すだけで、自動的に適切なゲイン補正を行えるため、ラウドネス調整の手間を大幅に減らせます。
さらに、
- True Peak対応
- 2倍オーバーサンプリング
- BS.1770準拠メーター
- ディザリング機能
- Windows・macOS・Linux対応
といった機能も搭載しています。
手軽にラウドネス管理を行いたい人や、マスタリング工程を効率化したい人に適したプラグインです。
