
FILTRONIXは、伝説的アナログシンセのフィルター回路をデジタル上で再現する、回路モデリング系フィルタープラグインです。
ZDFアルゴリズムや4x Oversamplingなど、本格的なアナログモデリング技術を採用しており、滑らかなレゾナンスや発振感までリアルに再現しています。
単なるローパスフィルターではなく、“音をキャラクター付けするためのフィルター”を探している人に注目のプラグインです。
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FILTRONIXとは?

音に“アナログらしさ”を加えたい。
そんな人に注目されているのが、Circuit-Modeled Filterプラグイン「FILTRONIX」です。
FILTRONIXは、実在する伝説的アナログシンセサイザーのフィルター回路を、デジタル上で忠実に再現することを目指したVST3プラグインです。
単なるEQや一般的なデジタルフィルターとは違い、「本物の回路がどう動くか」を数学的に解析し、その挙動をリアルタイムでシミュレーションしています。
そのため、フィルターを動かしたときのクセや歪み、発振感まで、かなり“アナログ機材っぽい”質感を味わえます。
現在はWindows専用VST3として提供されています。
FILTRONIXの特徴
FILTRONIXの大きな特徴は、一般的なデジタルフィルターでは再現しにくい「生っぽさ」を徹底的に追求している点です。
特に以下のようなポイントが強みになっています。
- 回路レベルのアナログモデリング
- ZDF(Zero-Delay Feedback)アルゴリズム採用
- 4倍オーバーサンプリング
- 非線形サチュレーション再現
- 4種類の個性的なフィルターモデル搭載
単に音を削るフィルターではなく、“音をキャラクター付けする楽器”として設計されている印象があります。
回路モデリングによるアナログ再現
FILTRONIX最大の特徴が「Circuit Modeling」です。
これは、実際のアナログ回路の挙動を数式化して再現する技術です。
コンデンサー、抵抗、トランジスタなど、実機内部の電子部品がどう反応するかを複雑な微分方程式としてモデル化しています。
そして、その計算を1秒間に何万回も実行することで、実機特有の挙動を再現しています。
たとえば、次のような現象です。
- レゾナンスを上げた時の独特な暴れ方
- 入力レベルによって変化する歪み
- 発振寸前の不安定さ
- アナログ特有の滑らかな反応
こうした“クセ”まで含めて再現しているのがポイントです。
一般的なデジタルフィルターはクリーンで正確な反面、少し無機質になりがちです。
一方FILTRONIXは、あえて不完全さや非線形性を取り入れることで、アナログ機材らしい存在感を作っています。
ZDF(Zero-Delay Feedback)アルゴリズムとは?
FILTRONIXには、ZDF(Zero-Delay Feedback)アルゴリズムが採用されています。
これは近年の高品質アナログモデリングでよく使われる重要技術です。
u-heのようなアナログモデリング系メーカーでも知られている方式ですね。
通常のデジタルフィルターでは、フィードバック計算時に「1サンプル遅延」が発生します。
この遅延によって、特に高レゾナンス時に以下の問題が起こりやすくなります。
- 金属的で耳に刺さる音になる
- 不自然なピークが出る
- 高速モジュレーション時に破綻する
- アナログ特有の滑らかさが失われる
FILTRONIXではZero-Delay Feedbackを導入することで、この問題を解決しています。
結果として、
- 高レゾナンスでも滑らか
- カットオフを高速変調しても自然
- 発振付近でもまとまりがある
- “つながった感じ”のある音になる
といった効果が得られます。
アナログシンセ好きほど、この違いを感じやすいかもしれません。
4x Oversamplingでエイリアシングを低減
FILTRONIXでは、内部処理に4倍オーバーサンプリングを採用しています。
これは、通常より高いサンプリングレートで内部計算を行う技術です。
目的は「エイリアシングノイズ」を減らすこと。
エイリアシングとは、強い歪みや非線形処理を行った際に発生する、デジタル特有のザラつきや不要な倍音です。
FILTRONIXでは、
- 4x Oversampling
- 33-tap FIR Polyphase Filter
を組み合わせることで、高音質化を図っています。
特にダウンサンプリング部分には高品質FIRフィルターを使用しており、位相ズレや不要な濁りを抑えながら、クリアな音を維持しています。
強くドライブしても音が崩れにくいのは、この設計のおかげです。
非線形サチュレーションへのこだわり
アナログ機材の魅力は、“入力レベルによって音が変化する”点にもあります。
FILTRONIXでは、その非線形性の再現にもかなり力が入っています。
採用されている技術は以下の通りです。
- ADAA(Anti-Derivative Anti-Aliasing)
- Fast Math LUT
- Cubic Hermite Interpolation
特にtanhサチュレーション処理では、激しくドライブした時の“回路が悲鳴を上げるような質感”まで再現しようとしています。
さらに、65,536ステップのLook-Up Tableを使用することで、CPU負荷を抑えつつ高速処理を実現しています。
回路モデリング系プラグインはCPU負荷が重くなりやすいですが、その点にも配慮されています。
4種類のフィルターモデル
FILTRONIXには、歴史的なアナログ回路をモチーフにした4種類のフィルターが搭載されています。
それぞれかなりキャラクターが異なります。
M-Filter(Transistor Ladder)
伝説的なアメリカ製モノフォニックシンセのラダーフィルターをモデリングしています。
特徴はこちらです。
- シャープなレゾナンス
- 太く音楽的な低域
- レゾナンス上昇時の独特なローエンド変化
- 王道アナログシンセらしい質感
クラシックなシンセベースやリードとの相性が良さそうです。
S-Filter(Classic SVF)
70年代シンセモジュールのState Variable Filterを再現したモデルです。
特徴は、
- 高レゾナンスでも低域が痩せにくい
- 鋭く切れ込むサウンド
- 発振ギリギリの緊張感
- エッジ感の強いフィルターキャラクター
テクノやエレクトロ系にも合いそうですね。
P-Filter(Polyphonic OTA)
80年代を象徴する5ボイスポリシンセのOTAカスケードフィルターを再現しています。
特徴はこちら
- 分厚いサウンド
- パンチ感が強い
- ポリシンセらしい存在感
- コードでも埋もれにくい
パッドやブラス系にも合いそうです。
W-Filter(British CMOS)
黄色と黒のデザインで有名な英国シンセのCMOS回路をモデル化しています。
かなり個性的なキャラクターです。
- CMOS特有の不安定感
- 急激な自己発振
- 荒々しいサウンド
- 独特な暴れ方
実験的なサウンドメイクが好きな人にはかなり刺さりそうです。
FILTRONIXはこんな人に向いている
FILTRONIXは、単純なフィルターでは物足りない人に向いています。
特におすすめできそうなのは以下のタイプです。
- アナログシンセの質感が好き
- フィルターの“クセ”を重視する
- レゾナンスの気持ちよさを求める
- テクノ、ハウス、エレクトロ制作をする
- 音作りを深く楽しみたい
- CPU負荷と音質のバランスを重視したい
単なるローパスフィルターというより、“アナログ回路シミュレーター”に近い印象のプラグインです。
対応環境
現在の対応環境はこちらです。
- Windows 10 / 11
- VST3対応
Mac版は現時点では未対応です。
まとめ:Push and Groove「FILTRONIX」ZDFアルゴリズムと回路モデリング技術で“本物のアナログ感”を追求した無料フィルターVST|DTMプラグインセール
FILTRONIXは、回路モデリング技術を本格的に取り入れたZDFフィルタープラグインです。
特に、
- Circuit Modeling
- Zero-Delay Feedback
- 4x Oversampling
- 非線形サチュレーション
- 個性的な4種類のフィルター
このあたりに強いこだわりを感じます。
フィルターを単なる音質補正ではなく、「音を変化させる重要な楽器」として扱いたい人にはかなり面白いプラグインと言えそうです。
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