
モジュラーシンセの魅力は、自由度の高さにあります。
ただ、その分だけ音作りのハードルを感じる場面も少なくありません。
そんな中で、実用性と学習の両方をカバーしてくれるのが「Voltage Modular Collections I」です。
Voltage Modular Collections I とは

Cherry Audio Voltage Modular向けに制作された、大規模なプリセットバンドルです。
サウンドデザイナーであるVicious Antelopeが手がけた内容で、合計930種類のパッチが収録されています。
単なるプリセット集ではありません。
モジュラーシンセならではの構造や発想を活かし、幅広い音作りに対応できるコレクションに仕上がっています。
概要と特徴
このバンドルの核となるポイントを、まず整理しておきます。
- 合計930パッチを収録
- 32種類の個別パックをまとめて収録
- アナログ系から実験的サウンドまで幅広く対応
- シーケンス、レイヤー、テクスチャなど多彩な構成
- モジュラー的な発想を学びながら使える
音の方向性がかなり広いので、ジャンルを問わず使いやすい構成です。
単発の音作りだけでなく、楽曲の土台になるシーケンスや空間系サウンドにも強みがあります。
どんな音が手に入るのか
このコレクションは「幅広い」という言葉だけでは少し物足りません。
実際には、以下のような音の方向性が含まれています。
- 攻撃的で荒々しいシンセサウンド
- クラシックなアナログ風トーン
- 徐々に変化するアンビエント系パッチ
- リズムを生むシーケンスパターン
- 複雑に重なったレイヤーサウンド
- 実験的でユニークな構造のパッチ
いわゆる「すぐ使える音」だけでなく、モジュラーらしい“動きのある音”がしっかり用意されている点が特徴です。
収録パック一覧
32種類のパックがまとめて収録されています。
内容をざっと俯瞰すると、方向性ごとに分かれているのが分かります。
サウンドキャラクター系
- 20 Aggressives
- Modular Darkness
- Retro Feelings
- Silver River
- Slow Star
アナログ・名機系インスパイア
- 2500 Legend
- 900 Legend
- Voltage 2600
- 2600 Sequences
波形・合成手法系
- 80 Saws
- Additive Sounds
- Plate Synths(1〜3)
コンビネーション(複合パッチ)
- Combinations I〜IX
シーケンス・リズム系
- Volt Sequences
- Modular Acid
- Three Stacks
楽器・用途特化
- Modular Organs
- Volt Leads
- Volt OB
- Volt Ranks
その他ユニーク系
- Mini Modular
- Mixing Things
単体でも成立するパックをまとめているので、用途ごとに使い分けやすい構成になっています。
Voltage Modular Collections Iの使い方・活用法
Voltage Modular Collections Iは、単にプリセットを鳴らすだけで終わらせるにはもったいない内容です。
使い方次第で、制作スピードも音作りの幅も大きく変わってきます。
ここでは、実践的な活用方法をいくつか紹介します。
プリセットを「完成形」としてそのまま使う
まずはシンプルな使い方です。
- 楽曲の雰囲気に合うパッチを選ぶ
- そのままメロディやコードを入力する
- ミックスで軽く調整するだけで完成度の高い音になる
特に以下のような場面で効果的です。
- 制作スピードを優先したいとき
- アイデアをすぐ形にしたいとき
- デモやラフを素早く作りたいとき
完成度の高いパッチが多いため、土台作りが一気に進みます。
パッチを分解して音作りの参考にする
このコレクションの真価はここにあります。
- パッチの配線を確認する
- モジュールの組み合わせを分析する
- どの部分が音のキャラクターを作っているかを把握する
特に学びやすいポイントは以下です。
- フィルターやエンベロープの使い方
- LFOやシーケンサーの動かし方
- レイヤーの作り方
完成されたパッチを“教材”として使うことで、モジュラーの理解が一気に深まります。
一部だけを流用してオリジナル音を作る
すべてを真似する必要はありません。
- 気に入ったオシレーター部分だけ使う
- シーケンスだけ別の音源に流用する
- エフェクト構成だけ取り入れる
この使い方のメリットは次の通りです。
- オリジナリティを保ちやすい
- 作業時間を短縮できる
- 発想の幅が広がる
既存パッチを“素材集”として扱うイメージです。
シーケンス系パッチで楽曲の核を作る
シーケンス系は特に実用性が高いジャンルです。
- Volt Sequencesや2600 Sequencesを活用する
- リズムやフレーズの土台として使う
- 上にパッドやリードを重ねて展開を作る
おすすめの使い方としては、
- イントロやブレイクの雰囲気作り
- テクノやアンビエントの基盤作り
- ループベースの楽曲制作
動きのある音がそのまま曲の軸になります。
レイヤーでサウンドを厚くする
Combinations系のパッチはレイヤー構造が特徴です。
- 複数の音を重ねて一つのサウンドを構成
- パートごとにミックス調整が可能
- 奥行きのある音作りができる
活用例としては、
- パッドに厚みを出す
- リードを印象的にする
- シネマティックな広がりを作る
単体では出せないスケール感を簡単に作れます。
アンビエント・シネマティック用途に活かす
空間系サウンドもこのバンドルの強みです。
- Slow StarやSilver Riverなどを活用
- 長く伸びる音や変化するテクスチャを取り入れる
- 映像音楽やBGM制作に応用する
具体的には、
- 映像の雰囲気づくり
- ゲーム音楽の背景音
- 環境音的なレイヤー作成
「動き」と「空間」を同時に表現できます。
制作のマンネリを打破する
最後に、意外と重要な使い方です。
- 普段使わないパッチをあえて選ぶ
- そこから新しいフレーズを作る
- 既存の制作パターンを崩す
この方法のメリットは、
- 発想の幅が広がる
- 新しいジャンルに挑戦しやすい
- 作曲の停滞を防げる
プリセットは「楽をするため」だけでなく、「発想を広げる道具」としても有効です。
Voltage Modular Collections Iがおすすめな人
Voltage Modular Collections Iは、すべての人に向いているわけではありません。
ただし、ハマる人にとっては制作環境を大きく変えるポテンシャルがあります。
どんな人にフィットするのか、具体的に見ていきます。
モジュラーシンセをもっと使いこなしたい人
- Cherry Audio Voltage Modularをすでに使っている
- 既存のパッチだけでは物足りなくなっている
- 配線や構造の理解を深めたい
実際のパッチを触りながら学べるため、マニュアルだけでは分かりにくい部分も自然と理解できるようになります。
プリセットから音作りのヒントを得たい人
- 一から音を作るのに時間がかかる
- どんな組み合わせが良いのか分からない
- プロのパッチ構成を参考にしたい
このコレクションは「完成形+学習素材」という位置づけで使えます。
音を鳴らして終わりではなく、分解して吸収できる人ほど価値を感じやすいです。
制作スピードを上げたい人
- アイデアをすぐ形にしたい
- デモ制作を効率化したい
- 作業時間を短縮したい
パッチの完成度が高いため、音作りに時間を取られず、作曲やアレンジに集中できます。
アンビエントやシネマティック系を作る人
- 空間的で広がりのある音を求めている
- 動きのあるパッドやテクスチャを使いたい
- 映像音楽やBGM制作をしている
シーケンスや進化するサウンドが豊富なので、雰囲気作りに強い武器になります。
シーケンスやリズム主体の音楽を作る人
- テクノやエレクトロ系を制作している
- モジュラーらしいフレーズを取り入れたい
- ループベースで楽曲を構築する
動きのあるシーケンスパッチは、そのまま楽曲の核として使えるクオリティです。
サウンドの引き出しを増やしたい人
- いつも似たような音になってしまう
- 新しい方向性を探している
- 発想の幅を広げたい
普段使わないタイプのパッチに触れることで、自然とアイデアのバリエーションが増えていきます。
逆にあまり向いていない人
最後に、合わない可能性があるケースも整理しておきます。
- モジュラーシンセを使っていない
- シンプルなリードやベースだけ欲しい
- 必要なモジュールを揃える予定がない
このバンドルは「モジュラー環境ありき」の内容です。
環境が整っていないと、十分に活かしきれません。
必要環境
使用には以下の環境が求められます。
- Cherry Audio Voltage Modular バージョン2.9.5以上
比較的新しいバージョンが前提となるため、
古い環境を使っている場合はアップデートしておくと安心です。
まとめ:VICIOUS ANTELOPE「Voltage Modular Collections I – Bundle」モジュラーシンセの可能性を最大限に引き出すための決定版!シーケンスからアンビエントまで網羅した、音作りの引き出しを一気に増やすモジュラーパッチ集|DTMプラグインセール
幅広いサウンドと構造をまとめて取り入れられる点が、このコレクションの大きな強みです。
単なるプリセット集にとどまらず、音作りのヒントや発想のきっかけとしても活用できます。
- 多彩なジャンルに対応するパッチ構成
- シーケンスやレイヤーなど動きのある音が豊富
- モジュラーの配線や構造を学べる内容
- 即戦力として使える完成度の高さ
- アンビエントやシネマティック用途にも強い
音を選ぶだけで終わらず、分解して理解し、再構築していく。
そんな使い方ができる人ほど、このコレクションの価値をしっかり引き出せます。
