
BezEQ2は、3バンド構成のシェルビングEQです。
ただし、一般的なEQのように「いかにも変えました」という音にはなりません。
音の印象を大きく崩さず、存在感だけを静かに動かす。
そんな独特のアプローチを持つプラグインです。
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BezEQ2:3バンド構成のシェルビングEQ

Airwindowsが公開している「BezEQ2」は、ひと味違う3バンド構成のシェルビングEQです。
一見するとシンプルですが、内部の仕組みはかなりユニークです。
派手に音色を変えるというより、「何もしていないように感じさせながら効いている」タイプのEQだと考えるとイメージしやすいでしょう。
BezEQからBezEQ2へ
もともとのBezEQは、どこか“妙な”挙動をするEQでした。
その理由は、実はバグにあったと作者は語っています。
- 「なぜこんな動きをするのか?」という不思議な挙動
- しかし、それが逆に面白い結果を生む可能性もあった
そうした経緯を経て生まれたのがBezEQ2です。
初代の奇妙さを引き継ぎつつも、設計を見直し、まったく別物といえる方向へ進化しました。
仕組みのポイント
BezEQ2は、クロスオーバーフィルターで3つの帯域を分割し、それらを再合成する構造を採用しています。
この方法の強みは、再合成時の忠実度が非常に高いことです。
具体的な特徴は次のとおりです。
- 3バンド構成のシェルビングEQ
- フィルターで帯域を分割し、あとから合算する設計
- 急峻なフィルター設定でも自然に機能
- 位相を大きく変化させても成立する設計
- 低域をより正確に打ち消すため、バンドごとにディレイを活用
特に最後の「ディレイ処理」が大きなポイントです。
この仕組みによって、低域のキャンセル精度を高めています。
その代わり、クロスオーバー設定によってはわずかなレイテンシーが発生します。
リアルタイム性がシビアな用途では注意が必要ですが、ミックス作業ではほとんど問題にならない範囲でしょう。
音のキャラクター
BezEQ2を語るうえで外せないのが、その“隠れるような効き方”です。
- 高域をブーストしても、いかにも持ち上げた感じが出にくい
- 低域をブーストしても、誇張感が目立ちにくい
- 全体として「変化がないように感じる」不思議な印象
それでいて、音は確実に変わっています。
存在感だけが自然に前に出る、といった表現が近いかもしれません。
ただし、少しクセもあります。
- ミッドを完全にゼロまでカットすると、高域も同時に消える
これはディレイ設計の副作用です。
一般的なEQとは挙動が違うため、最初は戸惑うかもしれません。
カット時の意外な挙動
さらに興味深いのは、ハイやローをカットしたときの反応です。
通常のEQなら、単純にその帯域が薄くなります。
ところがBezEQ2では、ミッドレンジが前に出て、パンチとキャラクターが強調されたように感じられます。
- 歪みを加えているわけではない
- それでもインパクトが増したように聞こえる
- 中域のドラマ性が強まる
この効果は、Bezierカーブによるトランジェントの扱いと、位相を変化させるディレイラインの組み合わせによるものだと説明されています。
結果として、ミッドの存在感を高める“秘密兵器”的な使い方ができます。
実践的な使い方のヒント
使い方は、以下の通りです。
1. ナチュラルなエネルギーアップ
- まずミッドを軽くカット
- 次にベースをさらにカット
こうすると、過度に派手にせずにエネルギー感を引き上げられます。
不自然な強調感が出にくいのが大きな利点です。
2. ミッドの存在感を強調
- ハイやローを控えめにカット
- ミッドの押し出し感を活かす
ロックやオルタナ系のミックスでは、音像がグッと前に出る感覚を得やすいでしょう。
3. 色付けを足さないミックスに
色を重ねて作り込むタイプのミックスには向きません。
むしろ、
- 素材そのものを活かしたい
- できるだけシンプルな処理で仕上げたい
- 生々しさを残したい
そんなスタイルの人に合います。
対応フォーマット
BezEQ2は単体版と、Airwindowsの統合パッケージ内でも利用できます。
- 単体版:AU / VST2
- Airwindows Consolidated:CLAP / AU / VST3 / LV2
利用環境に合わせて選べます。
まとめ:Airwindows「BezEQ2」音を変えた気がしないのに、なぜか前に出る!クロスオーバー再合成で自然な存在感を生む3バンドEQ|DTMプラグインセール
BezEQ2は、3バンドのシェルビングEQという枠に収まりながら、一般的なEQとはまったく異なる感触を持っています。
- 音を大きく変えた印象を与えない
- それでも確実に存在感を引き出す
- ミッドのドラマ性を高める独特の挙動
派手さはありません。
しかし、気づけば手放せなくなる可能性を秘めています。
色を重ねるのではなく、素材の芯を活かしたい。
そんなミックスを目指す人にとって、BezEQ2は静かに効く選択肢になるでしょう。
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