
共鳴そのものを音にする
Ripplerは、物理モデリングによって弦や金属の振る舞いを再現するシンセサイザーです。
双方向レゾネーター結合や柔軟なモジュレーション環境を備え、実験的なサウンドから実用的な音作りまで幅広く対応します。
この記事では、Ripplerの仕組みと特徴を分かりやすく解説します。
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Rippler:共鳴を設計する物理モデリング・シンセ

Ripplerは、物理モデリング方式を採用したソフトウェアシンセサイザーです。
弦や金属、打楽器のような「共鳴体」の振る舞いを数学的に再現し、そのエネルギーの伝わり方まで含めて音を作ります。
開発者tiagolr氏によるRipplerシリーズの最終進化版にあたり、双方向レゾネーター結合や柔軟なモジュレーション機能など、シリーズの集大成といえる設計になっています。
単なる減算合成シンセとは違い、「叩く」「弾く」「揺らす」といった物理的なニュアンスを音作りに取り込める点が大きな特徴です。
Ripplerの主な特徴
Ripplerは、物理モデリングならではの構造をベースに、現代的なモジュレーション環境を組み合わせています。
主な機能は以下の通りです。
- デュアルレイヤー構造
- 12種類のアコースティック・レゾネーターモデル
- レゾネーターのパラレル/シリアルルーティング
- 双方向エネルギー転送(バイディレクショナル・カップリング)
- Inharmonicity、Tone、Ratio、Materialなどの音色形成パラメータ
- ドラッグ&ドロップ式モジュレーション
- 4基のエンベロープと4基のLFO
- 4つのマクロノブ
- アフタータッチおよびMPE対応
- 100以上のファクトリープリセット
- マイクロチューニングおよびMTS対応
- スナップショットモーフィングを備えたManualモード
- 9種類のエフェクトを持つモジュラー型エフェクトチェーン
- オーディオイン/サイドチェイン入力対応
物理モデリングのコア部分に、柔軟な制御環境を重ねた構成と考えると分かりやすいでしょう。
音作りの中核:レゾネーター構造
Ripplerの音は「エキサイター」と「レゾネーター」の関係で成り立ちます。
デュアルレイヤー構造。
Ripplerは2レイヤー構成です。
各レイヤーに独立したレゾネーターがあり、それぞれを組み合わせて音を作ります。
- Layer 1
- Layer 2
厚みのあるパッドを作ることもできますし、片方をアタック成分、もう片方をボディ成分として分けることも可能です。
12種類のアコースティック・レゾネーター
各レイヤーでは、12種類のレゾネーターモデルから選択できます。
弦系や膜系など、共鳴特性の異なるモデルを切り替えることで、音のキャラクターが大きく変わります。
単なるフィルターではなく、倍音構造そのものが変化します。
さらに以下のパラメータで音色を追い込みます。
- Inharmonicity:倍音のズレ具合を調整
- Tone:明るさや倍音バランスを制御
- Ratio:共鳴周波数比の調整
- Material:素材感の変化
- Decay / Release:減衰特性のコントロール
- Lowcut:低域整理
物理的な素材や構造を操作する感覚に近い設計です。
双方向レゾネーター結合
Ripplerの大きな特徴が、双方向エネルギー転送です。
通常の物理モデリングでは一方向にエネルギーが伝わることが多いのですが、Ripplerではレゾネーター同士が互いに影響し合います。
これにより、金属が共振し続けるような複雑な揺らぎや、予測しづらい倍音の絡みが生まれます。
また、ルーティングは以下から選択できます。
- パラレル接続
- シリアル接続
構造の違いが、そのまま音の動きに直結します。
モジュレーション環境。
Ripplerは操作性にも力を入れています。
ドラッグ&ドロップ式モジュレーション
モジュレーターをパラメータへドラッグするだけで割り当てが完了します。
直感的でスピーディーです。
さらに細かい設定も可能です。
- 4つのエンベロープ(ADSR)
- 4つのLFO
- 編集可能なモジュレーションカーブ
- オーディオレートモジュレーション対応
LFOやマトリクスのカーブは、グリッドを変更しながら細かく描けます。
Shift+ドラッグでスナップ切り替え、マウスホイールでグリッド変更といった操作にも対応しています。
マクロノブ
4つのマクロノブに複数パラメータをまとめて割り当てられます。
ライブでの音色変化や、プリセットの即戦力化に便利です。
複雑な内部構造を、1ノブでコントロールできます。
エフェクトセクション
Ripplerには、モジュラー形式のエフェクトチェーンが用意されています。
- 9種類のエフェクト
- 順序変更が可能
- 必要なものだけ有効化
物理モデリングの生々しい音に、空間や歪みを加えて完成度を高めます。
音作りをプラグイン内で完結させやすい設計です。
Manualモードとチューニング機能
RipplerはマイクロチューニングとMTSに対応しています。
一般的な12平均律以外の音律も扱えます。
Manualモードでは、ユーザー定義のチューニングやスナップショット・モーフィングが可能です。
異なる状態を滑らかに行き来させることで、動きのあるサウンドデザインが実現します。
オーディオ入力とサイドチェイン
RipplerはAudio Inをサポートしています。
外部オーディオをレゾネーターへ入力できます。
つまり、別トラックの音を共鳴体に通して再構築することが可能です。
パーカッションループを金属的に変形させる。
ボーカルを弦の共鳴に通す。
発想次第で用途は大きく広がります。
操作のヒント
細かい操作性も整っています。
- Shift+ドラッグ:微調整
- Ctrl+ドラッグ:モジュレーション編集/追加
- ダブルクリック:パラメータリセット
- Ctrl+ダブルクリック:モジュレーション削除
- マウスホイール:LFO/マトリクスのグリッド変更
物理モデリングは繊細な調整が重要です。
ショートカットを覚えると作業効率が一気に上がります。
対応フォーマット
現在のビルドでは以下の形式に対応しています。
- Windows:VST3
- Linux:VST3 / LV2
- macOS:AU / VST3
macOSでは未署名ビルドのため、ターミナルで隔離属性を解除する必要があります。
READMEにコマンド例が記載されています。
まとめ:tiagolr「Rippler」12種類の共鳴モデルとデュアルレイヤー構造が生む唯一無二のサウンド!双方向レゾネーター結合を搭載した物理モデリング・シンセ|DTMプラグインセール
Ripplerは、物理モデリングの「共鳴」を中心に設計されたシンセサイザーです。
単なる波形加工ではなく、エネルギーの伝達や素材感まで含めて音を組み立てます。
レイヤー構造、双方向結合、ドラッグ&ドロップ式モジュレーションなど、音作りを深く掘り下げられる機能がそろっています。
主な特徴は以下の通りです。
・12種類のアコースティック・レゾネーターモデル
・双方向エネルギー転送による複雑な共鳴表現
・デュアルレイヤー構造
・パラレル/シリアル切り替え可能なルーティング
・4エンベロープ+4LFOの柔軟なモジュレーション
・ドラッグ&ドロップ式の直感的操作
・Audio In対応で外部音源も共鳴処理可能
・マイクロチューニングおよびMTS対応
・9種類のモジュラー型エフェクト
金属的なパーカッションから動き続けるパッド、実験的なテクスチャまで。
「鳴らす」だけでなく「共鳴させる」音作りをしたい方にとって、非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
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