
オーケストラの弦楽を、よりリアルに打ち込みたい
そんな制作者に向けた大規模ストリングス音源が「London Symphonic Strings」です。
42GBの大容量と豊富なTrue Legato、4種類のマイクポジションを備え、旋律の自然なつながりから迫力あるアンサンブルまで幅広く対応します。
この記事では、特徴や活用法、おすすめな人まで詳しく解説します。
London Symphonic Strings:オーケストラ用ストリングス音源バンドル

London Symphonic Stringsは、イギリスのデベロッパーAria Soundsが手がける、オーケストラ用ストリングス音源のバンドルです。
対応環境はKontakt 5.6.8(フルバージョン)以上。
総容量は42GBと大規模で、リアルな弦楽アンサンブルを求める作曲家・アレンジャーに向けた本格的なライブラリです。
収録セクションは以下の5つです。
- Violins 1
- Violins 2
- Violas
- Cellos
- Double Basses
いわゆるフルオーケストラの標準的な弦セクションを、丸ごとカバーします。
ライブラリ全体の特徴

London Symphonic Stringsの大きな特長は、リアリティ重視の録音設計にあります。
24bit / 48kHzで収録
高解像度の24bit / 48kHzで収録。
繊細なピアニッシモから力強いフォルティッシモまで、自然なダイナミクスを再現します。
4つのマイクポジション
- Close(各セクション上部の近接マイク)
- Main(指揮者後方のステレオペア+アウトリガー)
- Rigs(Schoeps+アウトリガー)
- Room(ホール全体の響き)
用途に応じて、
- くっきり前に出したい
- 奥行きを出したい
- ホール感を強めたい
といった音作りが可能です。
映画音楽のような広がりから、室内楽的な密度感まで調整できます。
正しいオーケストラ配置
収録時は実際のオーケストラ配置で演奏。
ライブラリを立ち上げた段階で、ステレオイメージ上に自然な位置関係が再現されます。
パンニングを細かく調整しなくても、リアルな空間が立ち上がるのは大きな利点です。
True Legato対応
各セクションに複数のTrue Legatoパッチを収録。
- フィンガードレガート
- ボウドレガート
- ポルタメント(スライド)
サンプルをつなぎ合わせた疑似レガートではなく、実際の音程移行を録音しています。
旋律を書いたときの歌い方が、非常に自然です。
収録アーティキュレーション一覧
全体として、非常に幅広い奏法を収録しています。
- Sustained Legato
- Spiccato
- Sordino Sustain Legato
- Sul Tasto Legato
- Sul Ponticello Legato
- Sordino Spiccato
- Harmonics
- True Glissando / Slide
- Colle
- Martele
- Pizzicato / Bartok Pizz
- Col Legno
- Tremolo
- Sul Tasto Tremolo
- String SFX ほか
単なる「基本セット」ではありません。
特殊奏法やエフェクト系まで含め、音色のバリエーションが非常に豊富です。
各セクションの詳細
各セクションの詳細は、以下の通りです。
LSS First Violins(4.8GB)
このライブラリの中でも、特に個性が強いのがFirst Violinsです。
特徴
- ユーザー操作可能なスローグリッサンド/スライド
- 任意の2音間を本物の録音スライドで接続
- ベロシティでスライド速度を調整
- 4段階クロスフェード可能なダイナミクス
- 最大4ラウンドロビン
主な奏法
- Sustained Long(指弓・ボウド切替可)
- Spiccato(3RR / 6ベロシティ)
- Sordino Sustain
- Sul Ponticello / Molto Sul Ponticello
- Harmonics
- Colle(弓を置いてから弾くアタック音)
- Martele
- Pizzicato / Bartok Pizz
- Col Legno
- “Violin Concerto”テクスチャ
- String SFX
とくに“Violin Concerto”は、ソリストが前に出て、他パートが弱音ミュートで支えるという構成。
楽曲にドラマ性を加えたいときに効果的です。
LSS Second Violins(11GB)
Second Violinsは作曲用途を強く意識した構成です。
4種類のTrue Legato
- Sustain
- Sordino
- Sul Tasto
- Sul Ponticello
通常サステインにはポルタメント遷移も収録。
旋律をより「歌わせる」ことができます。
レガートはオフにもできるため、和音やポリフォニック演奏も可能です。
LSS Violas(7.5GB)
中域の厚みを支えるヴィオラ。
Second Violins同様、
- Sustain
- Sordino
- Sul Tasto
- Sul Ponticello
のTrue Legatoを用意。
さらに、
- Sordino Spiccato
- Sul Tasto Tremolo
など、色彩変化に使える奏法も収録しています。
柔らかく空気感のあるトレモロ表現も可能です。
LSS Cellos(9GB)
重心を下げ、旋律にも使いやすいチェロセクション。
主な特徴
- 4種類のTrue Legato
- ポルタメント対応
- レガートオフ可能
奏法
- Sustain
- Spiccato
- Sordino
- Sul Ponticello
- Sul Tasto
- Martele
- Pizzicato / Bartok
- Col Legno
- Tremolo
映画音楽の情感ある旋律や、重厚な和声構築に向いています。
LSS Double Basses(8GB)
低域の土台を担うコントラバス。
他セクション同様、
- Sustain
- Sordino
- Sul Tasto
- Sul Ponticello
をTrue Legatoで収録。
さらに、
- Tremolo
- SFX / 実験的奏法
も含まれています。
重厚な低音だけでなく、不穏な効果音的表現も可能です。
London Symphonic Stringsの使い方・活用法
London Symphonic Stringsは、単に「弦の音を鳴らす」ための音源ではありません。
マイクバランスやレガートの種類、奏法の選択によって、楽曲の印象を大きく変えられます。
ここでは、実践的な活用アイデアを用途別にまとめます。
映画・ドラマ音楽でのリアルなオーケストレーション
映像音楽では、空間の広がりや感情の起伏が重要になります。
活用ポイントは以下の通りです。
- Main+Roomマイクを中心にミックスし、ホール感を強調
- True Legatoで旋律を滑らかに接続
- Sul Ponticelloで緊張感を演出
- Tremoloでサスペンスや不安を表現
- 低弦のSordinoで静かな緊張を作る
とくにダイナミクスをクロスフェードで操作すると、
ピアニッシモからフォルテへの自然な盛り上がりを作れます。
打ち込みでも「生のアンサンブルらしい呼吸感」が出せます。
クラシック風アレンジや室内楽表現
オーケストラ作品だけでなく、クラシック風のポップスやバラードにも活用できます。
おすすめの使い方は次の通りです。
- Closeマイク中心で輪郭を明確に
- Legatoをオフにして和音を重ねる
- Violins 1を旋律、Violasを内声に配置
- Cellosで対旋律を書く
- Double Bassesで安定感を作る
オーケストラ配置が自然に再現されるため、パンニングを細かく調整しなくても立体感が生まれます。
弦の重なりが濁りにくいのも特徴です。
ゲーム音楽でのダイナミックな展開
ゲーム音楽では、場面転換やバトル展開に合わせた変化が求められます。
活用例は以下の通りです。
- Spiccatoでリズミカルなバトル曲を構築
- Marteleで力強いアクセントを追加
- Pizzicatoで軽快なフィールド曲を制作
- Bartok Pizzで緊張感を演出
- String SFXで不穏な演出や効果音を補強
ラウンドロビンが複数用意されているため、同じフレーズを繰り返しても機械的になりにくい点もメリットです。
感情表現を強めたいバラード制作
ポップスやシンガーソングライター楽曲でも活躍します。
効果的な使い方は次の通りです。
- Sul Tastoで柔らかい伴奏を作る
- Sordinoで優しく包み込むような音色にする
- ポルタメントレガートで歌うような旋律を作る
- ダイナミクスをオートメーションで細かく調整
ストリングスがボーカルを邪魔せず、感情の余韻を支える役割を果たします。
サウンドデザインや実験的アプローチ
London Symphonic Stringsは、純粋なオーケストラ用途にとどまりません。
次のような使い方も可能です。
- Sul PonticelloやHarmonicsで異質な響きを作る
- Col Legnoでパーカッシブなレイヤーを追加
- String SFXでクラスターやビルドアップを制作
- マイクを極端にミックスして独特の空間を演出
通常の弦楽とは違う質感を作りたいときにも有効です。
London Symphonic Stringsがおすすめな人
London Symphonic Stringsは、汎用的なストリングス音源というより、「弦楽をしっかり作り込みたい人」に向いたライブラリです。
どんなタイプの制作者にフィットするのか、具体的に整理します。
映画・ドラマ・ゲーム音楽を制作する人
映像音楽では、感情の流れや緊張感のコントロールが重要です。
次のような方に向いています。
- リアルなホール空間を再現したい
- True Legatoで自然な旋律を書きたい
- TremoloやSul Ponticelloで緊張感を演出したい
- マイクバランスを自分で細かく調整したい
4つのマイクポジションと豊富な奏法があるため、シーンに合わせて音の質感を変えられます。
オーケストラアレンジを本格的に学びたい人
打ち込みでも、実際のオーケストラ配置に近い構造で制作できます。
おすすめなのは次のような方です。
- 弦5部構成でアレンジを組みたい
- 内声や対旋律まで丁寧に書きたい
- セクションごとの役割を明確にしたい
- クラシック的な書法を試したい
各セクションが独立しているため、教科書的なオーケストレーションの練習にも適しています。
レガート表現にこだわりたい人
旋律の「歌い方」に重点を置く制作者にとって、この音源は魅力的です。
具体的には、
- フレーズのつながりを自然にしたい
- ポルタメントを活かした情感あるラインを書きたい
- ダイナミクスを細かくコントロールしたい
といったニーズに応えます。
疑似的なレガートではなく、録音された音程移行が使える点が強みです。
ストリングスを主役にした楽曲を作りたい人
弦が背景ではなく、楽曲の中心になるケースにも向いています。
たとえば、
- バラードで弦を前面に出したい
- クラシカルなインスト曲を作りたい
- ヴァイオリン主旋律を印象的に聴かせたい
- 低弦で重厚な世界観を作りたい
音色のバリエーションが多いため、1つのライブラリ内で表情を変えられます。
音作りを自分で詰めたい人
London Symphonic Stringsは、プリセットをそのまま鳴らすタイプの音源ではありません。
- マイクミックスを自分で調整したい
- セクションごとのバランスを細かく作りたい
- 特殊奏法やSFXも活用したい
こうした「作り込む楽しさ」を求める方に向いています。
反対に、すぐ完成形が欲しい人よりも、音を組み立てる工程を楽しめる人にフィットします。
まとめ:Aria Sounds「London Symphonic Strings」True Legato・4マイク収録・豊富な奏法で実現するリアルなオーケストラ表現!42GBの大容量ストリングス音源|DTMプラグインセール
London Symphonic Stringsは、弦楽アンサンブルを本格的に作り込みたい人に向けたオーケストラ音源です。
単なる「弦の音」ではなく、演奏ニュアンスや空間表現まで細かくコントロールできます。
- 5セクション構成の本格的な弦楽アンサンブル
- 24bit / 48kHz収録による高音質サンプル
- 4種類のマイクポジションで空間を調整可能
- 複数のTrue Legatoパッチを収録
- ポルタメントやスライドを含む自然な音程遷移
- Spiccato、Tremolo、Sul Ponticelloなど豊富な奏法
- SFXや実験的奏法までカバー
映像音楽、ゲーム音楽、ポップスアレンジなど、用途は幅広く対応します。
弦楽の表現力を一段引き上げたい方にとって、有力な選択肢になるでしょう。



