
スプリングリバーブと聞くと、どこか懐かしく、クセのある響きを思い浮かべる方も多いかもしれません。
Springer Spring Reverb VSTは、そんなスプリング特有の揺れや暴れ方を、あえてラフなアルゴリズムで楽しめる個性派リバーブです。
リアルさよりもキャラクター重視。
音作りを積極的に遊びたい人に向けた一本です。
Springer Spring Reverb VST:アルゴリズム型のステレオスプリングリバーブ

Springer Spring Reverb VSTは、物理的なスプリングリバーブタンクに着想を得て制作された、アルゴリズム型のステレオスプリングリバーブです。
実機の挙動を厳密に再現するタイプではなく、あえて粗さを残したシンプルなモデル構造を採用しています。
そのため、クラシックなスプリングリバーブの揺れだけでなく、フェイザーやレーザー音のような強烈なキャラクターまで作り込めます。
Windows向けのVSTプラグインとして配布されており、Win、Mac、Linux向けのオープンソースコードも公開されています。
サウンド構造と特徴
Springerは、2本のスプリングラインが相互に影響し合う構造を基本としています。
そこに複数の音響処理を組み合わせることで、独特なスプリングサウンドを生み出します。
主な要素は以下の通りです。
- 分散処理による高域のにじみ。
- ダンピングによる減衰特性。
- フィードバックによる共鳴。
- モジュレーションによる揺れ。
リアルさを追求するというより、スプリングらしいクセや暴れ方を積極的に楽しむ設計です。
ギター、シンセ、ダブ処理、実験的なサウンドデザインとの相性が特に良い印象があります。
CPU負荷について
Springerは設定次第で、CPU使用率が高くなる点に注意が必要です。
- コイル数を7に設定。
- 分散ステージを256に設定。
この状態では、中程度のPC環境でもCPU使用率が約15%前後になる場合があります。
作者は、以下の設定を実用的な目安として推奨しています。
- コイル数は2。
- 分散ステージは約200。
3コイル以上にしても、音の変化が大きく感じられないケースが多いため、まずは軽めの設定から試すと扱いやすくなります。
バージョンごとの違い
バージョンごとの違いは、以下の通りです。
Version 1.2
- 最大7コイルに対応。
- 各コイルのディレイコントロールを拡張。
より複雑で厚みのあるスプリング表現が可能になっています。
Version 1.1
- ピッチスライダーを追加。
- スプリングの音を太く、
低く調整できるようになっています。
どちらのバージョンも、ダウンロードデータには同梱されています。
各パラメーターの解説
Springerには、スプリングリバーブ特有の挙動を細かく調整できるパラメーターが用意されています。
- Dispersion Stages
スプリング内の拡散ブロック数を調整します。
数値を上げるほど音が太くなり、高域のきらびやかさが増します。 - Width / Time
スプリングの長さを調整します。
数値を大きくするとディレイ時間が伸び、余韻も長くなります。 - Resonance
フィードバック量を調整します。
上げるほど鳴りが強くなり、1を超えると自己発振する可能性があります。 - Coupling
スプリング1とスプリング2の干渉量です。
上げるとステレオ挙動が不安定になり、独特な広がり方をします。 - Damping
高域の減衰量を調整します。
上げるほど音は暗くなり、スプラッシーな響きが抑えられます。 - Wet Only
リバーブ音のみを出力します。
原音は含まれません。 - Random Allpass
内部のオールパス設定をランダム化します。
スプリングのキャラクターが変化します。 - Mod Rate
モジュレーションの速度を調整します。
遅い設定では穏やかな揺れ、速い設定ではピッチが揺れるような効果になります。 - Mod Depth
モジュレーションの深さを調整します。
上げるほど不安定で過激なサウンドになります。 - Wet Gain
リバーブ音の音量を調整します。 - Delay 1 / Delay 2
各スプリングの密度用ディレイです。
音の詰まり具合や、にじみ方が変化します。
インストール方法(Windows)
Windows版VSTは、付属の.vst3フォルダを以下の場所に配置します。
- C:\Program Files\Common Files\VST3
DAWを再起動すれば、プラグイン一覧に表示されます。
まとめ:Aqua Node「Springer Spring Reverb VST」ダブ系のうねる空間からレーザーのような過激サウンドまで!スプリングらしさを極端に楽しめるリバーブ|DTMプラグインセール
Springer Spring Reverb VSTは、物理スプリングの再現を目的としたリバーブではなく、スプリングらしいクセや不安定さを前向きに活かす設計が特徴です。
細かなパラメーター調整によって、穏やかな揺れから過激な発振寸前のサウンドまで幅広くカバーできます。
- 実機再現よりもキャラクター重視のスプリングサウンド
- 2本のスプリングが干渉する独特なステレオ挙動
- 分散、共鳴、モジュレーションを細かく調整可能
- ダブ系や実験的な音作りと相性が良い
- 設定次第で過激な効果音的表現も可能
定番リバーブに少し物足りなさを感じている方や、音そのものを揺らして遊びたい方にとって、発想を広げてくれる存在になるプラグインと言えるでしょう。
