
FeenstaubTXは、ステレオミックスに繊細な深みと広がりを加えるフリーのVSTプラグインです。
この記事では、公式マニュアルとアップデート情報をもとに、機能や使い方を初心者にも分かりやすく解説します。
特に、MID/SIDE処理やトランジェントの自然な補正に興味がある方におすすめです。
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FeenstaubTX|サウンドに“深み”を与える無料VST

FeenstaubTXは、Variety Of Soundによって開発されたフリーのVSTプラグインで、音楽制作におけるトランジェント制御・ステレオイメージ拡張・サチュレーションを目的とした強力なツールです。
FeenstaubTXとは?
FeenstaubTXは、以下のような処理を目的としたトランジェント・エキサイター&エキスパンダーです。
- サウンドに色付け(Coloring)
- サウンドをひとまとめに(Glueing)
- ステレオの広がりと深みを演出(Stereo Imaging)
特に、MID/SIDE処理に重点を置いており、ステレオ音源を「中央成分(MID)」と「側面成分(SIDE)」に分け、それぞれに別々の加工を行うことができます。
基本操作とUIについて
操作感はシンプルですが、細かい調整も可能です。
UIと操作方法
- ノブの操作方法
- 値の変更:マウス左ドラッグ or ホイール
- デフォルトに戻す:Ctrl + 左クリック or 右クリック
- 微調整:Shift + 左クリック
- 表示
- 全てのノブはマウスホバーで視覚的に反応
- メーターで処理状況が確認可能(MID/SIDEごとに個別)
主な機能とその役割
FeenstaubTXの内部機能は多岐に渡ります。以下に重要な機能をまとめ、各項目に補足を加えます。
トランジェント処理とサチュレーション
- MID/SIDE個別の処理が可能
- 中央と側面で異なるトーン調整ができる。
- トランジェント(音の立ち上がり)に対する細かな制御
- 繊細な抑揚や、輪郭の調整に向く。
TRIMコントロール
- 出力レベルの微調整(±6dB)
- A/B比較の際に非常に便利。
RANGE(レンジ)
- トランジェント検出の“幅”を調整
- 狭い → クリアで近い音像
- 広い → 深くて柔らかい音像
X-MID / X-SIDE(クロスチャンネル処理)
- MIDの処理をSIDEに影響させたり、その逆も可能
- 片側の変化がもう片側に影響し、より立体的なミックスを作る。
カラーモードの切り替え(OpAmp / Filter / Trafo)
3つのトーン・カラーモードが選択可能で、全て組み合わせて使えます。
- OpAmp
- より攻撃的なサウンドへ。OFF時は真空管風の滑らかな響き。
- Filter
- サチュレーションの周波数特性を調整。よりクリアに。
- Trafo(トランス)
- 出力ステージでのトランス風色付けを追加。柔らかくまとめる効果あり。
新機能(v1.1アップデート)
2025年9月のアップデートにより、いくつかの機能が追加・改善されました。
- ヘッドルームコントロール(-12dB~+12dB)
- 内部処理のダイナミクス調整に。
- アウトプットレベルの追加(TX限定)
- プラグイン出力直前の音量を調整可能に。
- VUメーターの改善
- TCバージョンと共通化。より見やすく、より正確に。
推奨の使い方とワークフロー
おすすめの使い方は、以下の通りです。
チャンネル別に処理する方法
- まずMID(中央)チャンネルだけを処理し、ソロで確認。
- ベースやボーカルといった中央成分を丁寧に整える。
- 次にSIDE(側面)の要素を調整。
処理目的に応じた使い方
- ステレオ感を広げたいとき
- 単純にSIDEを上げるのではなく、SIDEのトランジェントを拡張。
- MIDが強すぎるとき
- MIDのトランジェントを抑えて、相対的に空間を広げる。
まとめ:Variety of Sound「FeenstaubTX」音の輪郭・奥行き・広がりを一つのプラグインでコントロール!MID/SIDE処理・トランジェント強化・アナログ風サチュレーションでミックスの完成度を飛躍的に高める無料VST|DTMプラグインセール
FeenstaubTXは、以下のような場面で威力を発揮します。
- マスタリング時の“ステレオの微調整”
- ミックス全体に自然な“まとまり”を与えたいとき
- アナログ風のトーンを足したいとき
- トランジェントの強さを“自然に”調整したいとき
特に、ボーカル、アコースティック楽器、ステレオバスで使うとナチュラルに音の深みが出ます。