
「Mastering2」は、Airwindowsが手がけるマスタリング専用プラグイン。
繊細な音質調整に特化しており、特に低域のステレオ処理や不可視なトランジェントの補正に優れています。
この記事では、その特徴や使い方を詳しく解説します。
CONTENTS
Mastering2:Airwindowsが手がける“見えない処理”の極み

「Mastering2」は、Airwindowsが開発するマスタリング向けプラグインの一つで、サブトル(Subtlety=繊細)な音響調整を得意としています。
新たに「Elliptical EQ(楕円型イコライザー)」が加わり、より高度なステレオコントロールが可能になりました。
Mastering2の主な特徴と使い方
Mastering2の主な特徴と使い方は、以下の通りです。
Elliptical EQ(楕円型イコライザー)機能の追加
- ステレオ信号のサイドチャンネルから低域をカットする処理です。
- 元々はレコードのカッティング(刻み込み)で使用される処理ですが、現代のデジタルマスタリングでも非常に有効。
- 「低域がステレオすぎると無意味」な状況を防ぎ、位相の問題を回避できます。
- この機能はデフォルトで「0」に設定されており、必要に応じて調整します。
Mastering系プラグインならではの繊細な補正
- Mastering2は大きな変化ではなく、非常に微細な音の修正を目的としています。
- 以下のような“見えにくい”処理が得意です:
- 「Meter」でスルー波形の赤いスパイクを見つけたら、「Glue」機能で調整可能。
- 「Scope」で高音の明瞭さを維持しながらディテールを調整。
- 「Girth」でサブベースの重厚感を自然に増減可能。
Drive(ドライブ)=実は「Zoom」をマルチバンド化したもの
- 一見サチュレーションのように見えますが、実際はAirwindowsの「Zoom」機能をEQバンド(カールマンフィルター)に適用したもの。
- EQと音の質感を同時にコントロールできる画期的な設計。
Dither処理も現代仕様
- すべて24bit対応のディザリングが行われます。
- 音の「明るさ」「フォーカス」「臨場感」を微調整するためのレベルで、Bypassで完全スルーも可能。
Airwindows Meterとの併用を推奨
- 「ピークエネルギー」や「見えないトランジェント」を視覚化し、精密にコントロールすることが目的。
- Meterを使って分析しながら処理を行うことで、ただ耳で聴くだけでは気づかない微細なバランスも調整可能になります。
Masteringの哲学に基づいた設計
- 「Masteringはミキシングのやり直しではない」という考え方。
- ミキサーが作った“魔法”を整えるのがマスタリングの役割。
- Mastering2はこの哲学を体現するためのツールです。
技術的な仕様と互換性
- 対応フォーマット:
- AU(Audio Units)
- VST2 / VST3
- CLAP
- LV2
- すべての処理は64bitフロート精度、かつ32bitへのディザリング済み出力。
- Kalmanフィルターを使用した帯域処理(通常のEQとは異なる精密な反応を実現)。
まとめ:Airwindows「Mastering2」Elliptical EQやGirth、Scopeなどの繊細な音処理機能で“耳には聴こえないけれど確実に効いている”!サブベースのステレオ整理から見えないトランジェントの補正、音の質感調整まで自在にこなすマスタリングツール|DTMプラグインセール
Mastering2は、ミックスを壊さずに音のバランスを整え、聴感上“正しく聴こえる”状態を目指す人にぴったりのツールです。
・Elliptical EQで低域のステレオ成分をコントロールできる
・“聞こえない”レベルの音のゆがみやピークを整える処理が得意
・Meterとの併用で音の可視化&最適化が可能
・DriveやScope、Girthなど複数の微調整機能を搭載
・ミックスの魔法を壊さず、魅力を引き出す設計思想
Mastering2は派手な効果よりも、作品を「正しく美しく整える」ための道具です。
細部にこだわる音作りを目指す方にとって、強力な味方となるでしょう。