
音に“味”を加えるサチュレーション。
そのシンプルかつ強力な効果は、プロの現場でも欠かせません。
この記事では、AP Masteringが開発した「SATURATION」プラグインの特徴や仕組みを、やさしく詳しく解説します。
SATURATION プラグイン|極端な歪みを操るツール

音楽制作やミキシング、マスタリングにおいて欠かせない「サチュレーション(Saturation)」
その魅力を最大限に引き出すAP Masteringのプラグイン「SATURATION」は、アナログ機器のような歪み(ディストーション)を再現できるプラグインです。
シンプルな設計ながら、音に個性や厚み、パンチを加えることができます。
SATURATIONの主な特徴
SATURATIONは、以下のような特徴を持つユニークなプラグインです。
- 8種類のサチュレーションモードを搭載
モードごとに異なる歪みのキャラクターを持ち、音に多様な表情を加えられます。
例:tanh関数を使った一般的なサチュレーション、sin²関数を使った奇妙な響きのものなど。 - 固定の4倍FIRオーバーサンプリング
高音質を維持しながら、デジタル歪みを防止するための処理が標準装備されています。 - 最大120dBのゲイン
非常に高い音量の調整が可能で、極端な設定にも対応できます。 - 完全オープンソース
C++とJUCEフレームワークで開発されたコードは公開されており、学習やカスタマイズにも最適です。 - マルチプラットフォーム対応
- Mac:VST3, AU
- Windows / Linux:VST3
「サチュレーション」とは何か?混同されやすい用語の整理
「サチュレーション」と聞くと、「ソフトクリッピング」や「ウォームス」「ドライブ」といった言葉を連想する方も多いかもしれません。
実は、これらはすべて「ディストーション(歪み)」の言い換えに過ぎません。
- サチュレーション:
アナログ機器(例:真空管アンプなど)が最大出力に達し、これ以上大きな音を出せない状態で発生する自然な歪み。 - ソフトクリッピング(Soft Clipping):
滑らかにクリップ(音が潰れる)する処理で、これも本質的にはサチュレーションの一種です。 - ディストーション(Distortion):
サチュレーションよりも早い段階で非線形反応が始まる歪み。
SATURATIONプラグインでは一部のモードがこのタイプに該当します。
SATURATIONはなぜユニークか?
このプラグインの開発者であるAlain Paul氏は、たった一日でこのプラグインの大半を作成しました。
にもかかわらず、以下のような工夫が詰め込まれています。
- アルゴリズムのシンプルさ
多くのモードは1行で記述できるほどシンプル。
例えば、sample = std::sin(sample);
というコードで音に特徴的な歪みを加えています。 - コストを抑えた開発思想
「サチュレーションは極めて簡単にコード化できる」という考えのもと、無駄な機能や装飾を省いた実用的な設計です。
どんな場面で使うと効果的か
SATURATIONプラグインは、以下のようなシチュエーションで効果を発揮します。
- ボーカルやベースに温かみや厚みを加えたいとき
- ドラムにアグレッシブなパンチ感を与えたいとき
- デジタル感の強いトラックにアナログ風の質感を加えたいとき
- サウンドに個性を持たせたいとき
まとめ:AP Mastering「Saturation」ソフトクリップから過激なディストーションまで網羅!温かさ・太さ・抜け感を自在にコントロールできるオープンソース・ディストーション|DTMプラグインセール
SATURATIONは、シンプルながら高機能な歪みプラグインです。
アナログライクな音作りを手軽に実現でき、初心者からプロまで幅広く活用できる仕様となっています。
・SATURATIONは8種類のモードを搭載した極端な歪み系プラグイン
・すべてのモードが異なる非線形特性を持ち、音に個性を与える
・固定の4倍オーバーサンプリングにより高音質を実現
・ソフトクリッピングやディストーションとの違いも明確に整理
・完全オープンソース、クロスプラットフォーム対応で導入しやすい
音に厚みや個性を加えたいなら、SATURATIONは要チェックです。
シンプルな設計の中に詰まったプロ仕様の音作りを、ぜひ体感してみてください。


