
Dispenserは、最大8段のオールパスフィルターを搭載したステレオフェーズディスパーサープラグインです。
AVX2による高速処理やDrift機能、サンプル単位のパラメータースムージングなどを備え、位相変化を細かくコントロールできます。
この記事では、Dispenserの特徴や主な機能、各パラメーターについて分かりやすく解説します。
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Dispenser:8段のオールパスフィルターを搭載したステレオフェーズディスパーサープラグイン

Dispenserは、ステレオオーディオ向けのフェーズディスパーサーエフェクトです。
オールパスフィルターを複数段接続し、音量を変えずに位相だけを変化させる処理を行います。
主な特徴は次のとおりです。
- ステレオフェーズディスパーサーとして動作
- JUCEフレームワークで開発
- VST3プラグインに対応
- スタンドアロンアプリケーションとしても利用可能
- 最大8段のオールパスフィルターを搭載
シンプルな構成ながら、細かな位相コントロールができる設計になっています。
Dispenserの特徴
Dispenserには、音質や操作性を高めるための機能が数多く搭載されています。
主な機能を順番に見ていきましょう。
最大8段のオールパスフィルターを搭載
Dispenserでは、最大8段のオールパスフィルターを直列に接続できます。
各段には8個のフィルターが用意されており、Stack設定によって使用する段数を変更できます。
特徴は次のとおりです。
- 最大8段のフィルターを直列接続
- 1段ごとに8個のフィルターを搭載
- Stack設定で有効な段数を変更可能
- 位相変化の強さを調整できる
AVX2による高速処理
フィルター処理にはAVX2命令を利用しています。
256bitのYMMレジスタを使い、8個のフィルターを同時に演算する設計です。
これにより、効率的なオーディオ処理を実現しています。
主なポイントは次のとおりです。
- AVX2に最適化
- 256bitのYMMレジスタを利用
- 8個のフィルターを並列処理
- サンプルごとに高速演算を実行
パラメーターを滑らかに変化
パラメーターにはサンプル単位のスムージング処理が採用されています。
急激に設定を変更した場合でも、滑らかに値が変化します。
そのため、オートメーションやリアルタイム操作でも自然な動作が期待できます。
特徴は次のとおりです。
- サンプル単位でパラメーターを補間
- オートメーションに対応
- 急激な変化を抑えられる
- 滑らかなモジュレーションが可能
Drift機能で自然な広がりを追加
各フィルター段には、それぞれ異なる周波数オフセットを与えられます。
これにより、固定的なサウンドではなく、広がりのある位相変化を作り出せます。
主な特徴は次のとおりです。
- 段ごとに異なる周波数変化を設定
- 音の広がりを演出
- 単調になりにくい位相変化
- ステレオ感の調整にも活用可能
入出力ゲインを調整可能
フィルター処理の前後にはゲインコントロールを搭載しています。
用途に合わせて入力・出力レベルを細かく調整できます。
利用できる機能は次のとおりです。
- Pre Gainを搭載
- Post Gainを搭載
- フィルター前後で音量調整が可能
0dBクリッピング機能
必要に応じて、出力段でハードクリッピングを有効にできます。
0dBを超えた信号を制限したい場合に利用できます。
機能は次のとおりです。
- 0dBでハードクリップ
- オン・オフを切り替え可能
- Post Gainの後段で動作
プラグイン設定を自動保存
プラグインの状態は自動で保存・復元できます。
JUCEのAudioProcessorValueTreeStateを利用しているため、DAW上でも設定を維持できます。
主な特徴は次のとおりです。
- 設定を自動保存
- 自動で復元
- DAWとの連携に対応
レイテンシーを自動反映
Stackの設定を変更すると、レイテンシー情報も自動で更新されます。
使用するフィルター段数に合わせて、プラグインが適切な処理遅延を報告します。
パラメーター一覧
Dispenserでは、シンプルながら実用的なパラメーターが用意されています。
Stack
使用するフィルター段数を設定します。
- 設定範囲:1〜8
- 初期値:1
- 段数が増えるほどフィルター処理が強くなる
Frequency
フィルターの中心周波数を設定します。
- 設定範囲:40Hz〜20,000Hz
- 初期値:1,000Hz
- 位相変化の中心となる周波数を調整
Resonance
フィルターの共振量を設定します。
- 設定範囲:0.1Q〜10Q
- 初期値:0.707Q
- フィルター特性を調整
Drift
各フィルター段へ加える周波数変化量を設定します。
- 設定範囲:0〜1
- 初期値:0
- 段ごとの周波数差を調整
Pre Gain
フィルターへ入力する前の音量を調整します。
- 設定範囲:-∞〜+12dB
- 初期値:0dB
Post Gain
フィルター通過後の音量を調整します。
- 設定範囲:-∞〜+12dB
- 初期値:0dB
Clip at 0dB
ハードクリッピング機能のオン・オフを切り替えます。
- Off
- On
オーディオ信号の流れ
Dispenserでは、入力から出力まで次の順番でオーディオ処理が行われます。
- Input
- Pre Gain
- オールパスフィルター
- Post Gain
- 0dBクリッパー(有効時)
- Output
フィルター処理の前後でゲインを調整できるため、用途に合わせたレベル管理がしやすくなっています。
対応環境
Dispenserをビルドするには、いくつかの開発環境が必要です。
必要な環境は次のとおりです。
- CMake 3.28以降
- C++23対応コンパイラー
- Git
- 初回設定時にネットワーク接続
- VST3対応DAW
WindowsではMSVCまたはClang-clを利用したビルドを前提としています。
リリースビルドではAVX2最適化が有効になります。
プロジェクト構成
ソースコードは役割ごとに整理されています。
主なディレクトリ構成は次のとおりです。
- Source/:ソースコード全体
- PluginProcessor:オーディオ処理とパラメーター管理
- PluginEditor:プラグイン画面
- Parameters:各種パラメーター定義
- DSP:フィルター・ゲイン・クリッピング処理
- GUI:UIコンポーネントとJUCEデザイン
- CMakeLists.txt:ビルド設定
機能ごとに分割されているため、ソースコードも追いやすい構成になっています。
ライセンス
Dispenser本体のソースコードはMITライセンスで公開されています。
一方で、開発にはJUCEフレームワークを使用しています。
そのため、利用する際はJUCEのライセンス条件についても確認しておくと安心です。
まとめ:wheatBread1306「Dispenser」最大8段のオールパスフィルターとAVX2による高速並列処理を採用したステレオフェーズディスパーサー|DTMプラグインセール
Dispenserは、最大8段のオールパスフィルターを利用できるステレオフェーズディスパーサープラグインです。
AVX2による並列処理やサンプル単位のパラメータースムージングなど、内部処理にも工夫が取り入れられています。
主な特徴をまとめると次のとおりです。
- ステレオフェーズディスパーサー
- 最大8段のオールパスフィルター
- AVX2による高速処理
- Drift機能による自然な位相変化
- Pre Gain・Post Gainを搭載
- 0dBクリッピングに対応
- VST3プラグインとスタンドアロン版を提供
- JUCEを利用して開発
位相変化を細かくコントロールできる設計になっており、オーディオ処理の仕組みに興味がある人にとっても読み応えのあるオープンソースプロジェクトです。
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