
デジタル制作の音に、アナログ機材ならではの自然な揺らぎや経年変化を加えられるのが「ENTROPY」です。
単なるLFOとは異なる物理モデルを採用し、時間とともに変化するリアルなアナログ感を再現できます。
この記事では、ENTROPYの特徴や仕組み、搭載機能について詳しく解説します。
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ENTROPY:アナログ機材の「揺らぎ」と経年変化を再現するドリフトモジュレーター

ENTROPYは、アナログ機材が時間とともに変化する様子を再現するドリフト&インパーフェクション・モジュレーターです。
単なるLFOやランダムモジュレーションではありません。
実際の物理現象をモデル化し、テープの伸びや部品の劣化、熱による変化などをシミュレーションします。
特徴は次のとおりです。
- アナログ機材の自然な揺らぎを再現
- ピッチ・フィルター・音量・ステレオ幅を同時に変化
- 一度設定すればそのまま使える「Set & Forget」設計
- 変化がすべて連動するため自然な動きになる
- エフェクトというより、機材そのものの個性を加えるプラグイン
デジタルには存在しない「エントロピー」を再現

アナログ機材は、常に少しずつ変化しています。
たとえば、
- テープは少しずつ伸びる
- コンデンサーは経年で特性が変わる
- モーターの回転は完全には一定にならない
- 温度によって動作が変化する
そのため、同じ設定でも毎回わずかに違う音になります。
一方、デジタルオーディオは毎回まったく同じ結果になります。
ENTROPYは、この「毎回少し違う」というアナログならではの特徴をデジタル環境へ持ち込みます。
4種類のモジュレーションソース
ENTROPYには、それぞれ性質が異なる4種類の変化が搭載されています。
それぞれが独立しながらも互いに関連し、複雑で自然な動きを作ります。
DRIFT
DRIFTは、ゆっくりとしたランダムな変動です。
完全なランダムではなく、少しずつ元の位置へ戻ろうとする性質があります。
主な特徴は次のとおりです。
- ブラウン運動をモデル化
- 精密ではない電子回路の揺らぎを再現
- ゆっくり変化するため違和感が少ない
WOBBLE
WOBBLEは、温度変化などで起こる周期的な揺れを再現します。
一定周期ではなく、速度や深さもゆっくり変化します。
特徴は次のとおりです。
- 緩やかなサイン波のような変化
- 温度変化による揺らぎを再現
- 周期的でありながら毎回同じにはならない
CHAOS
CHAOSは、ローレンツアトラクターやレスラーアトラクターと呼ばれるカオス理論を利用したモジュレーションです。
予測できそうで予測できない複雑な変化を生み出します。
特徴は次のとおりです。
- 数学的なカオス理論を採用
- LFOのような繰り返しにならない
- 長時間変化してもパターン化しない
AGE
AGEは、機材そのものの経年変化を再現します。
プラグインを立ち上げるたびに、それぞれ異なる個体として動作します。
特徴は次のとおりです。
- インスタンスごとに個性が異なる
- セッション中に少しずつ変化
- 毎回新しい機材としてスタートする
4つのパラメーターを同時にコントロール
ENTROPYでは、4つのモジュレーションが個別に動くのではありません。
1つの物理現象から派生した変化として、それぞれが関連しながら動きます。
そのため、本物のアナログ機材のような一体感があります。
コントロールできるパラメーターは次のとおりです。
- Pitch
- Filter
- Gain
- Stereo
ENGINEセクション
ENGINEでは、全体の動きをコントロールします。
CORRELATE
すべてのパラメーターをどれだけ連動させるかを調整します。
- 全部が同じように動く設定
- それぞれ独立して動く設定
- その中間も自由に設定可能
実機では同じ電源回路や内部部品の影響を受けるため、複数の要素が連動して変化します。
CORRELATEはその状態を再現します。
RATE
モジュレーション全体の速度を変更します。
調整範囲は非常に広く、
- 極めてゆっくりした変化
- 非常に速い揺らぎ
まで設定できます。
AMOUNT
全体の変化量をまとめて調整するマクロコントロールです。
細かな設定を変更しなくても、ENTROPY全体のキャラクターを簡単に調整できます。
Drift Scope
現在動作しているモジュレーションをリアルタイム表示します。
表示される内容は演出用のアニメーションではなく、実際に内部で計算されている変化そのものです。
確認できる内容は次のとおりです。
- 4種類のモジュレーション波形
- 約20秒間の履歴
- セッション経過時間
TARGETSで変化する項目
ENTROPYは4つの要素へモジュレーションを加えます。
Pitch
ピッチをゆっくり変化させます。
テープのワウ・フラッターのような自然な揺らぎを再現できます。
特徴は次のとおりです。
- 最大±60セント
- ディレイラインによる滑らかな変化
- テープ特有の挙動を再現
Filter
ローパスフィルターをゆっくり変化させます。
古い機材ほど高域が少しずつ落ちていくような質感を作ります。
特徴は次のとおりです。
- 21kHzから徐々に変化
- 最大約2.2オクターブ分変化
- 自然な高域の変化を再現
Gain
音量をゆっくり変化させます。
古いコンソールのVCAのようなわずかなレベル変化を表現します。
特徴は次のとおりです。
- 最大±3dB
- 不自然にならない緩やかな変化
- ミックス全体へ自然な動きを追加
Stereo
ステレオイメージもゆっくり変化します。
左右バランスだけでなく、ステレオ幅も変化します。
特徴は次のとおりです。
- 左右バランスをゆっくり変化
- ステレオ幅も自然に拡大・縮小
- 音像が少しずつ動く立体感を演出
テーマを切り替えられるインターフェース
ENTROPYには3種類のデザインテーマが用意されています。
音質は変わらず、見た目だけを切り替えられます。
選べるテーマは次の3種類です。
- LIGHT
- DARK
- NUCLEAR
テーマ設定はすべてのインスタンスで共通になります。
どんな人に向いている?
ENTROPYは、アナログらしい動きや質感を加えたいクリエイターに適しています。
特に次のような用途と相性が良好です。
プロデューサー・サウンドデザイナー
シンセのLFOだけでは作れない複雑な動きを、あらゆるトラックへ追加できます。
ミックスエンジニア
バスやステムに微細な揺らぎを加え、自然で奥行きのあるミックスを作れます。
作曲家・アンビエント制作者
時間とともに少しずつ変化する音を作品の一部として活用できます。
AMOUNTをオートメーションすることで、音が徐々に劣化していくような演出も可能です。
Lo-Fi・テープサウンドが好きな人
サンプルベースではない、物理モデルによる自然なワウやドリフトを楽しめます。
主な仕様
ENTROPYの主な仕様は次のとおりです。
- タイプ:ドリフト&インパーフェクション・モジュレーター
- モジュレーション:DRIFT・WOBBLE・CHAOS・AGE
- 対象:Pitch・Filter・Gain・Stereo
- RATE・CORRELATE・AMOUNTを搭載
- リアルタイムDrift Scope搭載
- 固定30msレイテンシー
- ユーザープリセット保存対応(経年変化の状態は保存されない)
- VST3・Audio Unit・AAX・Standalone対応
- macOS Apple Silicon対応
まとめ:THETA Audio Research「ENTROPY」アナログ機材ならではのドリフトや経年変化、熱による揺らぎまでリアルに再現し、デジタルサウンドへ自然な生命感を加えられる無料モジュレーションプラグイン|DTMプラグインセール
ENTROPYは、アナログ機材が本来持っている「揺らぎ」や「経年変化」を物理モデルによって再現するプラグインです。
単なるLFOやランダムモジュレーションではなく、ピッチ・フィルター・音量・ステレオイメージが相互に関連しながら変化するため、非常に自然なアナログ感を生み出します。
派手なエフェクトとして使うこともできますが、控えめな設定では「何か心地よい」と感じる微細な動きを加えられるのも大きな魅力です。
デジタル制作にアナログらしい生命感や経年変化を取り入れたい人にとって、非常にユニークなモジュレーションプラグインといえるでしょう。
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