
HOUZYは、従来のコンプレッサーとは異なる発想で開発されたマスタリング向けプラグインです。
音を周波数ごとに個別処理する独自方式を採用し、パンピングを抑えながら自然なダイナミクス処理を実現します。
この記事では、HOUZYの特徴や独自技術、搭載機能について詳しく解説します。
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HOUZYとは?:独自技術を搭載した次世代マスタリングコンプレッサー
HOUZYは、マスタリング向けに開発された次世代コンプレッサープラグインです。
一般的なコンプレッサーとは異なる独自の仕組みを採用しており、音全体をまとめて圧縮するのではなく、音を構成するそれぞれの成分を個別に処理します。
さらに、独自クリッパー「ACR」や、波形周期・テンポを基準にした新しいアタック・リリース制御など、従来のコンプレッサーにはない設計が特徴です。
主な特徴は以下のとおりです。
- 独自方式「HOUZY Compression」を搭載
- 高域を損ないにくいクリッパー「ACR」
- 波形周期を基準にしたアタック設定「CYCLES」
- テンポに追従するリリース設定「BEATS」
- スペクトラルリミッターやアップワードコンプレッションも搭載
- Windows・macOSに対応
一般的なコンプレッサーの課題
通常のコンプレッサーは、音全体に対して1つのゲインを適用します。
そのため、低音やキックなど大きな音が入力されると、ほかの音まで一緒に音量が下がってしまいます。
代表的な問題には次のようなものがあります。
- キックが鳴るたびにボーカルやシンバルまで小さくなる
- パンピングが発生する
- アタック感と胴鳴りの両立が難しい
- ベースに不要な変調や濁りが発生する
- マルチバンドコンプレッサーでも完全には解決できない
HOUZYは、この考え方そのものを見直しています。
HOUZY Compressionの仕組み
HOUZY最大の特徴が「共有ゲインを使わないコンプレッション」です。
音を個別の周波数成分へ分解し、それぞれの成分ごとに独立したエンベロープで音量を調整します。
音全体で1つのゲインを共有しないため、一般的なコンプレッサーで起こるパンピングそのものが発生しません。
この方式によって、次のようなメリットがあります。
- キックを強く圧縮しても高域まで巻き込まれない
- 周波数ごとに独立して処理される
- 音の立ち上がりを維持しやすい
- ベースが不要に濁りにくい
- 周波数ごとのラウドネスを考慮した圧縮が行える
パンピングが起こらない理由
一般的なコンプレッサーでは、キックなど大きな音が鳴るとゲイン全体が下がります。
その結果として、
- ボーカル
- ハイハット
- リバーブ
- シンセ
なども一緒に音量が下がります。
HOUZYでは、それぞれの周波数成分が独立して制御されるため、キックだけを強く圧縮しても高域には影響しません。
そのため、パンピングを防ぐことができます。
CYCLESとは
HOUZYでは、アタックタイムをミリ秒ではなく「波形の周期」で指定します。
一般的なコンプレッサーでは、同じ5msでも低音と高音では意味が大きく異なります。
例えば、
- 50Hzでは約4分の1周期
- 8kHzでは約40周期
となり、同じ設定でも動作が変わります。
HOUZYでは各周波数に応じて適切な時間へ自動変換されます。
そのため、
- 低音では速すぎるアタックにならない
- 高音では十分な追従性を維持できる
- ベースの不要な変調を防ぎやすい
という特徴があります。
設定ノブは「CYCLES」です。
BEATSとは
リリースタイムは「拍」を基準に設定します。
通常のコンプレッサーでは、BPMが変わるとミリ秒設定とのズレが発生します。
HOUZYではDAWからテンポ情報を取得し、拍数を基準としてリリース時間を自動計算します。
そのため、
- テンポ変更に自動追従する
- 60BPMでも190BPMでも設定感覚が変わらない
- 楽曲のリズムに合わせた自然なリリースになる
設定ノブは「BEATS」です。
BEATモードとSMARTモード
リリースには2種類の動作モードがあります。
BEAT
指定した拍数どおりにリリースします。
特徴は以下のとおりです。
- 設定した拍数をそのまま使用
- 一定のリリース動作になる
SMART
指定した拍数を最大値として使用します。
音がすでに減衰している場合は、それ以上待たずに早めにリリースします。
特徴は以下のとおりです。
- 不要な待機時間を減らせる
- キックが抜ける場面でも自然な動作になる
- シンコペーションでも扱いやすい
AUTOモード
AUTOでは、素材そのものの減衰時間を測定して適切な音価を自動選択します。
推測ではなく、実際の音の長さを測定して動作する仕組みです。
なお、アタックについては好みによる調整が大きいため、自動設定は用意されていません。
ACRとは
ACRは、HOUZYに搭載されている独自クリッパーです。
一般的なクリッパーは波形のピークを単純に切り落とします。
この処理では、高域成分まで影響を受けやすく、
- ハイハット
- ボーカル
- リバーブ
などが濁って聞こえる場合があります。
ACRでは、ピークを単純に切り取るのではなく、ピーク位置へ短い補正パルスを加える方式を採用しています。
歪みの発生する帯域を調整することで、高域への影響を抑えています。
さらに、
- LTE通信機器でも使われる技術を応用
- 聴覚モデルを利用したパルス設計
- 通常のクリッパーと同等のラウドネスで比較可能
という特徴があります。
そのほかの機能
HOUZYには、コンプレッサー以外にもさまざまな機能が搭載されています。
スペクトラルリミッター
ピークを6バンドで制御します。
特徴は以下のとおりです。
- 低域だけのピークで高域まで下がりにくい
- 周波数ごとに独立した制御を行う
アップワードコンプレッション
小さな音を持ち上げる処理です。
効果として、
- リバーブの余韻
- 空気感
- 細かなニュアンス
を引き出しやすくなります。
ALL MIX
4バンドそれぞれに独立したコントロールを備えています。
帯域ごとの細かな調整が可能です。
A/B比較
2つの設定を保存して比較できます。
ラウドネスを合わせた状態で比較できるため、音量差に左右されにくい確認ができます。
メーター機能
視覚的な確認機能も充実しています。
搭載されている機能は以下のとおりです。
- 最大64倍のオーバーサンプリング
- RMSメーター
- LUFSメーター
- 各処理段階のゲインリダクショングラフ
インターフェース
システム言語に応じて表示言語が切り替わります。
対応言語は以下のとおりです。
- 英語
- ロシア語
対応環境
HOUZYはWindowsとmacOSに対応しています。
macOSではApple SiliconとIntelの両方をサポートしています。
対応フォーマットは以下のとおりです。
- VST3
- AU(Logic Pro・GarageBand向け)
初回起動時はmacOSのセキュリティ機能により読み込みが制限される場合があります。
その場合はREADMEに記載されているTerminalコマンドで隔離属性を解除したあと、DAWを再起動してプラグインを再スキャンします。
ソースコードからビルドする場合
ソースコードからビルドする場合は、以下の環境が必要です。
- CMake 3.22以上
- C++17
- JUCEは自動取得
ライセンス
HOUZYは無料で利用できます。
HOUZYを使用して制作した音楽は、販売や公開を自由に行えます。
ロイヤリティやクレジット表記は必要ありません。
一方で、以下の行為は禁止されています。
- プラグイン自体の販売
- 有料バンドルへの収録
- 自作として公開すること
- 改変して再配布すること
- 採用されている処理技術を他製品へ流用すること
まとめ:ACRONA AUDIO「HOUZY」共有ゲインを使わない独自コンプレッションを採用した次世代マスタリングコンプレッサー|DTMプラグインセール
HOUZYは、従来のコンプレッサーとは異なる設計思想を採用したマスタリング向けプラグインです。
共有ゲインを使わない独自のコンプレッションによって、パンピングや低域の濁りを抑えながら自然なダイナミクス処理を目指しています。
さらに、波形周期を基準にした「CYCLES」、テンポと連動する「BEATS」、高域への影響を抑えた「ACR」など、一般的なコンプレッサーではあまり見られない機能も搭載しています。
従来のコンプレッサーとは異なるアプローチを試したい人にとって、注目したいプラグインのひとつです。
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