
音楽制作において、ステレオの広がりやボーカルの抜け感は仕上がりを大きく左右します。
そこで役立つのが「23MS-ED – Mid/Side Encoder/Decoder」
MidとSideを個別にコントロールできるこのプラグインは、誰でも簡単にプロらしい立体的なミックスを実現できます。
23MS-ED – Mid/Side Encoder/Decoder:Mid/Sideプロセッシング用のオーディオプラグイン

23MS-EDは、ステレオ信号を自由にコントロールできるMid/Sideプロセッシング用のオーディオプラグインです。
ステレオイメージを繊細に調整したい人や、ミックスに奥行きや広がりを加えたい人に向けて開発されています。
現在はオープンベータ版として公開されており、今後さらに機能の進化が期待されています。
23MS-EDの主な機能と特徴
23MS-EDは、Mid(中央)とSide(左右)を個別に扱えることが最大の特徴です。
具体的には以下のような機能を備えています。
- MidとSideチャンネルの独立コントロール
- Mid(中央成分)とSide(ステレオの広がり部分)のゲインをそれぞれ調整可能。
- ボーカルを中心にクッキリ出したい場合や、空間の広がりを強調したい場合に役立ちます。
- ゲイン調整(Gain Control)
- センターとワイド感をバランスよく整えることが可能。
- たとえば「低音はセンターに寄せて安定感を出し、シンセは広げて空間を広く見せる」といった使い方ができます。
- パン・モジュレーション(Pan Modulation)
- ステレオの動きを微妙に揺らして、自然な広がりや立体感を加えられます。
- エフェクト的に大胆な動きをつけることもできるため、実験的なサウンドデザインにも活用可能です。
- ステレオイメージのコントロール
- ミックスの幅を広げる、奥行きを足す、あるいは逆にタイトにまとめるといった調整が可能。
- 単純なEQやパンニングでは難しい立体感の調整がスムーズにできます。
Pro版で利用できる追加機能
さらに一歩進んだコントロールが必要な場合は、23MS-ED Proを利用することで以下の機能が解放されます。
- チャンネルごとのコンプレッション
- Mid専用、Side専用のコンプレッションを独立して設定可能。
- これによりダイナミクスの整え方がより柔軟になり、ミックス全体の完成度を高められます。
23MS-ED – Mid/Side Encoder/Decoderの使い方・活用法
「23MS-ED」を実際の制作にどう活かすかについて、具体的な使い方を紹介します。
MidとSideを個別に扱えるからこそできる調整が多く、ミックスの質を一段上に引き上げることが可能です。
以下に代表的な活用法をまとめました。
- ボーカルやリードを前に出す
- Midチャンネルのゲインを少し上げることで、センターに配置されたボーカルやリード楽器をより際立たせられます。
- 他のパートに埋もれがちな歌声をくっきり前に押し出す効果があります。
- 広がりのあるサウンドを作る
- Sideチャンネルを強調すると、楽曲全体に空間的な広がりが生まれます。
- シンセパッドやリバーブの効いた音に適用すると、リスナーを包み込むような立体感を出せます。
- 低音を安定させる
- 低域はMidに寄せることで、スピーカー再生時にブレの少ない安定したサウンドになります。
- 特にベースやキックはセンターを強調し、Side成分を抑えるとミックスが引き締まります。
- ステレオの動きを演出する
- Pan Modulation機能を使えば、左右に揺れる微妙な動きを加えられます。
- バッキングやFXサウンドに使うと、単調さを避けて楽曲に生命感を与えることができます。
- マスタリングでの最終調整
- ミックス全体を微調整する段階で、Mid/Sideのバランスを整えるのも有効です。
- 中央に集まりすぎた音像をSideで広げたり、逆に広がりすぎた音像をMidでまとめたりできます。
23MS-ED – Mid/Side Encoder/Decoderがおすすめな人
「23MS-ED」は、ただのステレオツールではなく、ミックスの自由度を大きく広げてくれるプラグインです。
どんな人に特におすすめできるのかを整理しました。
- ボーカルを際立たせたい人
- Mid成分を強調することで、歌やリード楽器を前に出しやすくなります。
- 「ボーカルが楽器に埋もれてしまう」と感じている人に最適です。
- 楽曲に広がりを与えたい人
- Side成分を調整することで、奥行きや立体感のあるミックスを作れます。
- シンセ、ストリングス、リバーブ成分などを広げるのに向いています。
- 低音の定位を安定させたい人
- ベースやキックをMidに寄せることで、音の芯がブレずに安定します。
- クラブミュージックやEDMなど、低域が重要なジャンルで特に役立ちます。
- 細かい音像コントロールをしたい人
- 単純なEQやパンニングでは得られない、繊細なステレオ調整が可能です。
- プロっぽい仕上がりを目指したい宅録ユーザーにおすすめです。
- サウンドデザインにこだわる人
- Pan Modulationを使えば、音を左右に揺らして動きを演出できます。
- 実験的な音作りやエレクトロニック系の楽曲制作に向いています。
- マスタリングに挑戦したい人
- 最終段階でMid/Sideバランスを微調整することで、ミックス全体のまとまりを高められます。
- 専門的な処理を試してみたい人にとっても学びのあるツールです。
動作環境とインストール時の注意点
23MS-EDは現在オープンベータ版のため、動作環境に制限があります。
特にMac環境(OSX)とLogic Proで利用する際には注意が必要です。
まとめ:23DSP「23MS-ED – Mid/Side Encoder/Decoder」ボーカルを前に出し、低音を安定させ、広がりのある立体的なサウンドを実現する無料ステレオプラグイン|DTMプラグインセール
今回の記事では「23MS-ED – Mid/Side Encoder/Decoder」について解説しました。
要点を整理すると次の通りです。
- MidとSideを個別に調整でき、ボーカルを際立たせたり広がりを演出できる
- ゲインやPan Modulationを使い、繊細な音像コントロールが可能
- Pro版ではさらにチャンネルごとのコンプレッションを搭載
- インストール時はApple Gatekeeperの制限に注意が必要
つまり、23MS-EDは「音の立体感やバランスを思い通りに整えたい人」に最適なプラグインです。
宅録からプロの現場まで、幅広く活用できるでしょう。